料理上手な人の冷蔵庫には「市販のドレッシング」がない

•市販のドレッシングは使い切れないことがほとんど。その場その場で工夫すれば、たいてい美味しいドレッシングになります

•レモンやベランダのミントはジュースの材料に最適

•ジャムだって、生のフルーツからつくればいつでも“つくりたて”がいただけます

混ぜなくても“ドレッシング”になる

我が家の冷蔵庫をご覧になった方がまず仰ったことの一つが「市販のドレッシングが入っていない」ということでした。

私も以前はドレッシングというものを買っていました。でも、必ずと言っていいほど最後まで使わない。だいたい半分くらい使う頃にはいささか古くなった気がして、捨ててしまうのです。

さらに、胡麻風味、玉ねぎすりおろし、などといろいろ買うけれど、どれも途中で捨てる。ひどい時は2~3種類、同時に捨ててしまう。皆さんはそんなことはありませんか?

実はこの話は、料理教室の生徒さんや友人と冷蔵庫ネタの話をした時に最も盛り上がったテーマの一つ。あまりにも皆さんが「今現在のこと」として共感してくださるので、またまたこちらがびっくり! でした。

で、私の場合は、そういうことをしばらく続けているうちに、ドレッシングの基本は油と酢と塩と胡椒であること。それらを混ぜ合わせることで、いとも簡単に作れることがわかってきて、手作りへと移行していきました。

そのベースに大葉やみょうがの千切り、にんにくや生姜のすりおろしなどの香味を加えたり、醤油やナムプラーなどで風味を加えたりすれば、和風・中華風・エスニックと思いのままに作れること。

さらには油や酢の種類を変えるとまたまた変幻自在! みたいなことがわかってきますと、もはや市販のドレッシングを買うということはすっかりなくなりました。

最近では、混ぜ合わせる工程を省いて、グリーンサラダなら好みの油をさっと回しかけ、レモン汁を少々振りかけ、塩を振り胡椒を振って終了。で、ちょっと粉チーズなど振りかけておくだけです。

ジュースはベランダのミントを材料に

きっとよそ様の冷蔵庫にあって、我が家の冷蔵庫にないものに、ペットボトルや紙パックの飲み物があると思います。

私は昔からジュースというものを買いません。甘い飲み物はそんなに飲みたいと思わないからです。でも時々、夫や子どもが「ジュースが飲みたい!」という時があり、そうなのかとパックのオレンジジュースやグレープフルーツジュースを買うのですが、これもだいたいいつも残ったものを捨てる羽目になりました。

ですから、レモンとはちみつとか、あるいは梅酒を作る時に梅ジュースも作っておくとか、そういう形で、時々「甘い飲み物がないか」と騒ぎ出す夫や子どもに対応するようになりました。

そうそう、最近の夏の我が家のブームは、ベランダからミントを摘んできて、シロップ(砂糖と少量の水で電子レンジで作る)とライムのしぼり汁を加えて炭酸水を注いだものです。

それから麦茶などのペットボトルも買いません。お出かけの時には便利ですが、家では買って来るのも重いし、「高くつく」感じであるのと、ごみがかさ高くなるので、水出しパックで麦茶を作っています。麦茶に限らず、最近はジャスミン茶やウーロン茶も同じような水出しパックがありますね。

わが家の冷蔵庫にはジャムもない

市販のジャムも買いません。これも子どもも母もいた時代から、最後まで使いきったことがありませんでした。ですから買わなくなりました。

でもこれもジュースと同じで、時々欲しくなりますよね。特に我が家は朝食がパンなので。

そういう時は「おひとりさまのジャム」をその場で作ります。手元にある何でもいいのです。果物を少し電子レンジで煮て、そこに砂糖を加えてかき回す。いとも手軽に少量のジャムができます。

それからやはりはちみつ。はちみつとシナモンパウダーなど。はちみつも切らしていれば、バターを塗ったトーストの上に砂糖をパラパラ振りかけてシナモンパウダー。それで私は十分満足です。

市販のお漬物、瓶詰の鮭フレークなど常備菜的なものも、半分くらいいただくのが精いっぱいで、古くなった気がして捨ててしまうので買いません。

お漬物は、かぶやきゅうりにみょうがや大葉や生姜を入れて塩で押したものを、いただく分だけ作ります。新生姜の季節には醤油に漬けます。必ず少しだけです。2~3日で食べきれる分量にしています。まとめて作ろうとたくさん作ると、自分で作ったものであっても捨てる羽目になることがあるので。

 

スッキリ暮らしたいなら、冷蔵庫の中身を含めた“モノ”をなるべく捨てて、必要最低限しか持たないようにすればいいのでしょうが、それだけではなんだか寂しくなってしまいます。

「なるべくスッキリすごしたい」という思いと、「生活にうるおいを与えてくれるモノ」のバランスにこだわることが、心地よく暮らすためのポイントかもしれません。

 

 PROFILE

中野佐和子

料理研究家。1981年日本女子大学住居学科卒業。建築士として設計の仕事に携わった後、結婚。ご主人の転勤で行ったアメリカ在住時代に現地で料理を教え始める。1991年より東京と大阪で家庭料理やおもてなし料理の教室が評判になり、書籍を出版。現在は、料理教室の他、雑誌、テレビなどへの出演や、メーカーの惣菜開発など多忙な毎日を送っている。

冷蔵庫から始める残さない暮らし

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  • 作者:中野佐和子
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