動かない子どもは神経回路が未発達!? おウチで脳育体操のススメ

自転車や車で送り迎えし、エレベーターやエスカレーターを使って移動。家庭ではおもちゃやゲームで過ごす…。このように、体を動かす機会が激減している現代っ子は便利を享受する一方、脳への刺激が減ってしまっています。子どもたちの能力がグンと高まる時期に、「脳育体操」でサポートしてあげましょう!

子どもの脳を鍛えるには運動しかない!

最近の子どもは脳への刺激が減っているように感じます。

というのも、幼稚園に通わせているお母さんから、「最近の子は“要介護状態”のようです」という、話を聞いたからです。

言われてみれば、最近は幼稚園や習い事の送り迎えは自転車や車。家はマンションで、エレベーターで自宅階へ上がる。帰ってからは、外遊びをすることもなく家の中でおもちゃやゲームをして過ごす……という生活パターンを送っている子どもたちが少なくないように感じます。遊び場がないというだけでなく、歩いてすらもいないわけです。

ですからその分、幼稚園や保育園で十分に身体を動かせればいいのですが、それもなかなか難しいのが現実です。園庭がないところや、あっても狭いところなど、厳しい条件のところもあるからです。

これでは子どもの脳への刺激は減っていることでしょう。脳と身体は連動しています。そもそも、私たちが何も意識せずに歩いたり、モノを持ったり、ふり向いたりと自然に身体を動かすことができているのは、脳の働きのおかげです。

脳の神経細胞には樹状突起という、枝状のものが出ています。この樹状突起は他の神経細胞から出ている樹状突起と結びつき、樹状突起同士の間を電気信号が流れることで、人は様々なことができるようになっていくわけです。

樹状突起はたくさんの刺激を受けることで、密に枝分かれしていきます。枝が密になればなるほど、他の枝と結びつきやすくなります。神経回路が作られ、伝達がスムーズにいきやすくなるのです。

脳が発達中の幼少期の子どもにとって、この刺激とは机で行う学習だけではなく、五感を複雑に使った動きのほうが有用です。複雑な動きをすればするほど、脳の神経回路は強固になり、多くの領域を使って、状況判断から運動の実行までを行っていることになります。

本来なら移動や思いっきり遊ぶことで、すばやい方向転換などの敏捷な身のこなしや、状況判断・予測などの思考判断を必要とする全身運動を行い「脳をたくさん働かせ、成長させること」につなげているわけです。

「脳育体操」で脳への刺激を増やす!

子どもは、あらゆる分野が急速に発達します。

まさに「子ども」と言える年齢の3歳から12歳頃はゴールデンエイジ(成長の黄金期)といわれており、運動神経が急成長する重要な時期です。その中でも5歳から9歳頃までの成長はすさまじく、このタイミングで子どもたちにさまざまな動きを体験させることが重要とされています。

賢い子に育ってほしいからと、小さいうちから机に向かうだけで〝動かない子ども〟の脳は育ちません。

そこで、

①認知能力(記憶力・集中力・判断力・論理力・計算力など)

②非認知能力(忍耐力、やり抜く力、協調性、創意工夫、対応力など)

という、これからの時代を生き抜いていくために必要な力が伸ばせるような動きを取り入れた「脳育体操」をお伝えします。

特に脳の発達は、鍛えれば鍛えるほど神経回路がしっかりと育っていきます。成長段階に合わせて適切な動きを体験させ、お子さんの才能をご家庭でどんどん開花させてほしいと思います。

脳育体操①


脳育体操②

 

 
PROFILE
南友介

ネイス株式会社代表。1980年生まれ。体操選手として全日本高校選抜選手権大会にて個人総合3位の成績を収める。後にアテネオリンピックで金メダリストとなる冨田選手や水鳥選手らと共に日本代表選手として海外での遠征試合も多数出場。日本体育大学へ進学後、全日本選手権で銀メダルを獲得する活躍を見せるも、大怪我を負い選手継続を断念。引退。会社員を経て29歳の時、体操教室の運営会社を起業。折れない心、チャレンジする心、感謝する心などの非認知能力を育てる事に重点を置いた「クラブネイス体操教室」を首都圏中心に23校開校し、子育て世代の保護者から多くの支持を得ている。

PROFILE
泉原嘉郎

スポーツ科学者(認知・脳科学/運動・トレーニング科学領域)。ドイツ・ライプツィヒ大学博士(スポーツ科学)。ドイツサッカー協会公認B級コーチングラインセンス、ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)公認B級コーチングライセンス取得。福島大学卒業後、ドイツ・ケルン体育大学、ライプツィヒ大学へ留学。福島大学大学院を経てライプツィヒ大学で博士号を取得。2013年より福岡大学スポーツ科学部で教育・研究活動を行う。日本とドイツでスポーツトレーニング理論や認知・脳科学トレーニングの研究に携わる一方、選手や指導者へのコーディネーショントレーニングの実践指導でも成果をあげている。訳書に『サッカーのコーディネーショントレーニング』(大修館書店)等。

AIを超える! 子どもの才能は「脳育体操」で目覚めさせる!

AIを超える! 子どもの才能は「脳育体操」で目覚めさせる!

  • 作者:南 友介
  • 発売日: 2020/01/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)