「自重トレ」で大きな筋肉から鍛えれば最短でヤセられる!

太るというのは、単純にいえば摂取カロリーが消費カロリーを上回るということ。だとすると、筋トレで筋肉をつけて基礎代謝を上げ、消費カロリーを増やすしかヤセる方法はありません。家でも簡単にできる「自重筋トレ」の方法を、パーソナルトレーナーの比嘉一雄さんに教えてもらいます。

加齢で筋肉量が減ると基礎代謝が下がって“太りやすい身体”に

私たちは食べ物や飲み物でカロリーをとり込み、それを消費しながら生きています。その消費カロリーには「基礎代謝」「運動代謝」「食事誘発性熱産生」があり、このうち、筋肉とのかかわりが深いのが「基礎代謝」です。

基礎代謝とは、じっとしていても寝ていても消費されるエネルギーのことで、呼吸をしたり体温を維持する他、心臓や内臓などの各器官を動かすなど、生きていくために最低限必要な生命活動に使われます。

一方、「運動代謝」は文字通り運動をするときに消費するカロリーのこと。歩く、走る、泳ぐなどのエクササイズだけでなく、家事や仕事など身体を動かすことすべてで消費されるエネルギーのことです。

「食事誘発性熱産生」は、食後に代謝が上がって消費されるエネルギーです。食事をすると一時的に身体がポカポカしますが、これは胃腸などの消化器官が働いて代謝が上がり、体温も上がるからです。

三つの代謝のバランスは、基礎代謝が全エネルギー消費量の約60%、運動代謝は約30%、残りの10%が食事誘発性熱産生です。

さて、歳を重ねると太りやすくなる理由は筋肉量が減って代謝が下がるからですが、代謝とは全代謝の60%を占める「基礎代謝」のことです。

つまり、太りやすさを改善するには、筋肉量を増やして基礎代謝を上げればいいのです。他の臓器を自分でコントロールすることはできないので、筋肉の増強は自分の意思で基礎代謝を増やす唯一の方法。それができれば、じっとしていてもヤセやすい身体になれます

大きな筋肉を鍛える3つのメリット

筋肉には大小さまざまなサイズがありますが、筋トレを新たに始めるなら、まず「大きな筋肉」を鍛えるトレーニングを集中的に行うのが効果的です。
大きな筋肉を鍛えるメリットは次のようなことです。

  • 効率よく基礎代謝を上げられるので、短期間でヤセやすい身体に変わる
  • 成長ホルモンがたっぷり分泌される
  • 見た目にも筋肉の成長が目立ち、モチベーションが上がる

大きい筋肉も小さい筋肉も筋トレ後の筋肉の成長率は変わりませんが、大きい筋肉をトレーニングすると大きな負荷をかけられるため、消費カロリーが大きくなります。

さらに、筋肉量が同じ10%増えるとしたら、大きい筋肉の方が効率よく増量でき、そのぶん基礎代謝も上がり、体型の変化が目に見えるのでモチベーションも上がるということです。
違いがわかるほど意欲的になれる、という精神面のプラス効果も見逃せません。

[基本の腕立て伏せ]ベーシックだけどしっかり効く

では、自重筋トレの「BIG3(スクワット、腕立て伏せ、腹筋)のうち、おなじみの腕立て伏せを紹介していきましょう。

腕立て伏せを続けていると胸板が厚くなり、がっしりしたたくましい印象になります。深く大きく動かすと、肩や上腕まで刺激できます。

・効く筋肉 大胸筋、上腕三頭筋、三角筋の前部
・回数   12回→10回→8回と減らしながら3セット

 

(1)
床に両手とつま先をつき、腕をまっすぐ伸ばしてスタンバイ。肩幅の1.5倍の位置に手を置き、手先は内側に向ける。

 

(2)
ヒジを外側にたたむようにゆっくり曲げていく。おしりを上げたり落としたりせず、肩、腰、ヒザ、かかとが一直線になるように。

 

(3)
胸が床につくギリギリまでヒジを曲げ切ると、負荷が大きくなる。そのままゆっくり持ち上げていく。この動作を 繰り返す。

ポイント
  • 肩幅の1.5倍よりやや広めに手を開く
  • 胸が床につく手前までヒジを曲げる
  • 胸、腰、ヒザのラインは一直線に
  • 手先を内側に向け大胸筋に効かせる
[これはNG!]背中のそらしすぎ、 おしりの浮かせすぎに注意

背中をそらしすぎると腰に負担がかって痛めやすく、しかも大胸筋全体に効きづらくなってしまいます。おしりを浮かせるのもNG。おしりを浮かせたり反らせたりした反動で上げれば回数はこなせるかもしれませんが、効果は下がります。

腕立て伏せについての質問

Q. 手の幅や手先の向きで効き目が変わりますか?

A. 胸なのか肩なのか、筋肉をつけたい部位に応じて手の幅と向きをアレンジしてください。「胸」を厚くしたい人は手の幅を広くし、手先を内側に向けると大胸筋を効率よく鍛えられます。「肩」「腕」をたくましくしたい人は、逆に手の幅を狭くして手先を外側に向けると、胸より腕(上腕三頭筋)に効きます。手の幅が狭ければ狭いほど、手先を外側に向けた方が曲げやすくなります。ヒジを後ろ側にたたんでいくイメージで。

 

PROFILE
比嘉一雄

CALADA LAB.代表取締役。1983年、福岡県生まれ。早稲田大学スポーツ科学部卒業後、東京大学大学院に進学(現在博士課程)。石井直方研究室にて筋生理学を学ぶ。「研究」と「現場」のハイブリッドトレーナーとして活動。科学的エビデンスを基にした「えびすメソッド」で多くのクライアントをダイエットの成功に導いた。夢は世の中から10トンの脂肪を消滅させること。ミッションは世の中のボディメイクの考えをシンプルにしていくこと。月間200本以上のパーソナルセッションをこなしながら、さまざまな執筆活動やセミナー活動を行う。