虫がいいってなんの「虫」? 知らずに使っている語源の話

「虫がいい」の「虫」、「管を巻く」の「管」、それぞれ一体なんのこと?日常、何気なく使っている言葉も、よくよく考えてみると謎に満ちた言葉が多数潜んでいます。こんな疑問を解決するには言葉の語源をたどるのが一番。知れば納得!思わず人に話したくなること間違いなし!

いざ聞かれると説明できない言葉たち

以下の言葉の語源を知っていますか?

(それぞれの単語をクリックすると解説が表示されます)

虫がいい 「虫」ってどんな虫?
解説
中国の道教で、人間の体内にはさまざまな病気や本能的な欲望を引き起こす虫がいる、という考え方に由来している。「虫がいい」は「その病気や欲望のおもむくままがいい」ことであり「自分勝手である」という意味に使われる。

「虫」とはどんな「虫」?


ミーハー もとは相撲界に由来する?
解説
相撲界の隠語である「ハーチャン」。これは頭の悪い人をさす言葉だが、それに語呂のよい「ミーチャン」をつけて下世話なことに夢中になっている様子を揶揄した。やがて2つの「チャン」 が取れ、今の「ミーハー」という形に落ち着いた。

相撲業界由来の言葉だった


几帳面 「几帳面」の「面」は何の面?
解説
「几帳(きちょう)」とは奈良時代から使われるようになったカーテンのこと。 台の上に2本の柱を立て、そこに横木を通して帳(とばり)を垂らす。柱の角に精巧な細工が施されていたことから、その面を「几帳面」と 呼び、人の性格を表す意味に転じていった。

精巧細工が施されたな几帳が転じた言葉

赤の他人 なぜ青ではなく赤なのか?
解説
「他人」はわかるが「赤」とは何か? もとは仏教用語の「閼伽(あか)」に由来する。「閼伽」は仏前に備える浄水のことで、さらに サンスクリット語の「アルガ」に遡り、「水のように冷たい人」 という意味に転じていったわけである。

仏教用語に由来

せっぱつまる  つまった「せっぱ」とは何?
解説
漢字で書くと「切羽」。いわゆる日本刀のつばのことだが、それが詰まると力が抜けない。武士にとってはまさに危機的状況を表している。また、太刀をつばで受け止めるとき、失敗すると死んでしまう、そこから危機を表す意味に転じたという説もある。

「せっぱ」とは日本刀のつばのこと

どさくさ  「どさ」とは意外にもあの地名
解説
「どさ」とは「佐渡」をひっくり返したもの。慶長時代、佐渡に金山が発見され、たくさんの罪人が坑夫として送り込まれた。そのような、人があふれて混雑する様子から「どさくさ」という表現が生まれたとされている。

「どさ」は地名からきていた

かったるい  「何が」かったるいのか?
解説
「面倒くさい」「だるい」などを表す言葉だが、「だるい」はもとからあったとされている。以前は腕のことを「かいな」と呼んだので、腕が上がらないほどだるいことを、「かいなだるい」といい、それが転じて「かったるい」になったとする説が有力だ。

かったるいの語源

ちょっかい  最初に「ちょっかい」を出したのは猫だった?
解説
「いらぬおせっかいを焼くこと」という意味だが、その由来は猫が前足をちょこちょこと出して物をかき寄せようとする、その様子を表したものだといわれている。たしかに、そんな動作でおせっかいを焼かれたら面倒なことは必至だ。

由来は猫

サバを読む  アジでもタイでもなくなぜ「サバ」なのか?
解説
「サバ」はもちろん魚の鯖で、「読む」とはその数を数えること。 鯖は腐りやすく鮮度が命であることから、ゆっくり数える暇はなくどうしてもいいかげんになってしまった。それが転じて今の用法へと至っているわけである。

「サバ」である理由

 

はなむけ  誰の鼻をどこに向けたのか?
解説
漢字で書くと「餞」。その由来は「馬の鼻を向ける」という昔の習慣にあった。旅に出る仲間を見送るとき、餞別などをひととおり渡した後に、馬の鼻を前方に向けて正式に見送ったとのこと。 それが転じて今の用法へと至っている。

「馬が鼻を向ける」という風習から


とんちんかん  音から考えると納得の語源
解説
もとになっているのは鍛冶屋が相槌を打つ音のことだ。普通は何人かで代わるがわる打つのだが、人によって打つ際の音が異なる。それが順番に響くと「トンチンカン」になる。一貫性がなくて揃わない、まさに現代に通じる意味を表している。

由来は音

くだを巻く  巻いた「管」とは何か?
解説
「くだ」とは「管」のこと。よって織物用の原糸を管芯に巻きつける「管巻き」に由来している。単調な作業を延々と続ける、そんなところが飲み過ぎて同じことを何度も繰り返したり、わけのわからないことをいったりする様子に通じているのである。

くだとは「管」だった

 

斜に構える  縦でも横でもなくなぜ「斜め」?
解説
剣道の「中段の構え」は相手に刀を斜めに伸ばすため、「斜に構える」といい、もとは「隙のない改まった態度」という意味だった。後に「斜」の字から「斜めに見る」の同義語に使われること が多くなり、現在の意味に転じたと考えられる。

「斜め」であったワケ

 

目からウロコ  誰の目からウロコが落ちたのか?
解説
『新約聖書』の一節に、「たちまち彼の目より鱗の如きもの落ちて再び見ることを得」という表現がある。神の御導きによって悟りを得ることができた、迷いの状態から覚めて真実を見ることが できるようになった、まさに文字どおり意味が記されている。

聖書の一節に書かれていた

 

ひけをとる  「ひけ」って何のこと?
解説
「ひけ」は戦場で退却を指示する「退け」が語源といわれる。戦場からの退却は負けを意味するため、勝負に負ける、人に劣ることを「ひけをとる」というようになった。現在は、否定形にして 「ひけをとらない」という使われ方のほうが多い。

語源は「退け」から




 

PROFILE
語源の謎研究会

古くから伝わる語源に詳しい者、最新ワードや流行語に詳しい者、外来語に詳しい者が集まり、語源の研究、発表を行っている「語源のプロフェッショナル集団」。イラストで語源を表現することにも長けており、既存の枠にとらわれないユニークな表現活動を行うことを信条にしている。