子どもが自分から勉強を始めるようになる朝食時の「魔法の質問」

「もう宿題はやったの?」からスタートして、なかなかやらない子どもに業を煮やし、「いいから早くやりなさい!」と怒鳴るのがいつものパターン……というご家庭も多いのではないでしょうか。でも、朝ごはんのときに今日の予定を問いかけるという習慣を続けるだけで、子どもはやがて自分から勉強するようになります。

自分がどうすごすかは自分で決めさせる

自分のことは自分で決められる子になってほしい。やるべきこと(勉強)は自発的にやれるようになってほしい――。多くの親はそう思っています。

子育ての最終ゴールは「自立」だからです。しかし、今は少子化で一つの家庭における子どもの数が減り、子どもは親の愛情を独占できます。

また、親も数少ない子育ての機会で失敗したくないため、必要以上に手をかけてしまいがちです。

さらに、わが子の力を伸ばしてあげたいと1週間にたくさんの習いごとを詰め込み、「今日はピアノ。明日は体操教室よ」とスケジュール管理をしてしまう。

すると、子どもは親にいわれるがままに行動し、自分のことを自分で決められなくなります。

勉強についても受身の姿勢になり、親が言わない限り自分からはやらないということになってしまいかねません。

自分から勉強するようになる第一歩は、子どもが今日の自分のすごし方を自分で決められるようになること。そのように導くために、おすすめな質問があります。

「朝ごはんのあと、何をする?」

これを幼いときから問いかけ続けていると、5分先のことを考えられるようになります。

3歳くらいの幼い子どもでも、「朝ごはんのあと、今日は公園に行きたい」「朝ごはんのあと、今日はおうちにいたいな」などと、ちゃんと自分の希望を口にします。つまり、自分の行動を自分で決めて人に伝えることができる。大人が子どもの力に気づいていないだけなのです。

この質問をくり返し投げてあげると、「○○のあとは△△をする」「□□より××をしたい」というように、自分の行動を自分で決められるようになります。

まずは今日一日という単位からはじまり、次に一週間、その次に一カ月というように、徐々に徐々にでかまいませんから、予定を考える幅を広げていきます。

自分がどうすごすかを決める力を育てれば、中学受験の勉強が計画的に進められるだけでなく、「私はこういう学校に行きたい」「この学校でこんな経験をしてみたい」「将来、こんな職業につきたい」と未来の自分について考えることにもつながっていきます。

「見通しを立てる力」が学力につながる

私の息子は2019年2月、中学受験に挑み、第一志望だった灘中に進学しました。そう聞くと、かなり気合の入った受験家庭だったのではないかとイメージされることが多いですが、実はそれほど特別なことはしていません。

幼児のころから、「朝ごはんのあと、何をする?」と問いかけてきただけ。小学校に上がるころには朝30分の学習を自分ではじめて、自分で終えられるようになっていました。

小学3年生のときには、一週間のスケジュールを自分で決めるのが習慣になっていました。親の私がすることは、本人の予定を聞きながら、見やすいようにエクセルで予定表にしてあげることだけです。

たとえば、4年生のある日曜日のすごし方として、「6時から朝ごはん」「6時半から計算ドリル」「7時15分から言葉の学習」「8時は『ぼの〜んとタイム』」(アニメ『ぼのぼの』ファンの息子は、まったりとすごす時間をこう呼んでいました)「8時30分から社会の学習」「9時45分に実験教室に出発。12時45分ごろ家に帰ってくる」といった感じです。

ずいぶん細かく決めているなと思った方もいると思いますが、子どもの予定は「いつ何をするか」が具体的に決まっているほうがうまくいくものです(時間設定が細かいのは単に数字好きの表れで、あまり重要ではありません)。

子どもの1日は子ども自身のもので、誰かに管理されるのはできるだけ避けたい。そのためには、今日やらなければいけない勉強を終えるには、各教科にどれくらいの時間が必要かといった、「見通しを立てる力」を育てたいのです。

また、子どもが勉強に集中できるのは気分が乗っているとき。親がスケジュールを決めてしまうと、「今はやりたくない……」となりがちですが、どんな順番でいつやれるかを子ども自身が決めていれば、やらされ感なく進められます。

「子どもが自分で予定を立てるなんて、イメージがわかない……」という方もいると思いますが、幼いころから小さな予定を決めさせることを順に練習をしていけば、どんな子でもできるようになります。

ですから、まずは「この子はまだ幼いからムリ」「私がついていないとダメ」という自分の思い込みをちょっと外してみてください。意外にやれるものですよ。

 

PROFILE
小川大介

教育専門家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、中学受験専門のプロ個別指導塾SS-1を設立。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。同時期に中学受験情報局「かしこい塾の使い方」の創設にも参画し、情報発信を開始。受験学習はもとより、幼児期からの子どもの能力の伸ばし方や親子関係の築き方に関するアドバイスに定評があり、各メディアで活躍中。そのノウハウは自らの子育てにも活かされ、一人息子は中学受験で灘、開成、筑駒すべてに合格。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など著書多数。

5歳から始める最高の中学受験

5歳から始める最高の中学受験

  • 作者:小川 大介
  • 発売日: 2019/09/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)