筋トレは天然のドーピング!? 成長ホルモンで老化を防ぐ

動くことの根源には筋肉があります。つまり筋肉は命の源泉であり、筋肉を失うことは生命力を失うことにも等しいのです。筋トレをすることの効能と、家でも簡単にできる「自重筋トレ」の方法を、パーソナルトレーナーの比嘉一雄さんに教えてもらいます。

「成長ホルモン」が若さのカギを握る

私はパーソナルトレーナーとして多くの方の筋トレを指導してきましたが、多くの方から次のような喜びの声をいただきます。

「見た目が若返った、と家族に言われる」
「だんだん肌にツヤが出てきた」

若々しい身体と心を維持したいという願いはみなさん共通ですから、パッと見でアンチエイジング(抗加齢)効果がわかれば、うれしくて誰かに伝えたくなるでしょう。

実際、筋トレをすると、「若さ」のカギを握る「成長ホルモン」が活性化することがわかっています。

成長ホルモンは脳下垂体から分泌されるホルモンで、文字通り「細胞の成長」に深くかかわっています。

子どもの身長を伸ばしたり、骨格を大きくしたりする作用はよく知られていますが、大人にとっても必要不可欠なホルモンで、成長期をすぎてからも体内のさまざまな代謝にかかわっています。

特に注目すべきは、次のような美容やアンチエイジングにかかわる諸々の作用です。

・筋肉の合成を素早く行う
・骨を強化する
・細胞の分解を促す
・皮膚にハリや潤いを与える

その力を証明するように、筋トレを楽しむ女性モデルや芸能人たちは美貌を振りまいていますよね。また、前述した通り、運動後に出るアドレナリンなどのホルモンとともに脂肪細胞の分解や燃焼にかかわる働きも見逃せません。

天然の良薬がたっぷり出る筋トレは、若返りという点でも魅力的です。

ジムに行かなくても1日5分の「自重筋トレ」で十分

筋トレ初心者でも無理なく始められるのが、1日5分でできる自重筋トレ。道具や時間などを可能なかぎりそぎ落とした方法で、次のようなメリットがあります。

・身体一つでできる
・道具は必要なし
・ジムに行かなくても自宅や仕事場でできる
・動きが簡単
・負荷の調節が簡単
・短時間ででき、効率がいい

自重筋トレは、自分の体重を負荷にして行うので、身体一つで始められ、畳一枚分ほどのスペースさえあれば、どこでもできます。だから、シンプルなのです。

しかも動作が簡単。「スクワット、腕立て伏せ、腹筋」という基本の動きは、どなたでもご存じでしょう。なじみのある運動なので、手足の曲げ方や位置などのコツをつかめば、すぐ身につきます。

ジムに行くと往復や着替えやシャワーの時間などが必要ですが、自重なら隙間時間にできるので、「ジムに行けない」「時間がない」の言い訳もできなくなります。

[基本のスクワット]下半身の大きい筋肉を鍛え、 足腰からたくましく

では、自重筋トレの「BIG3(スクワット、腕立て伏せ、腹筋)のうち、筋トレの王様とも言われるスクワットを紹介していきましょう。

しゃがむときのヒザの角度や位置、おしりの方向に気をつけて行います。回数は多めにできる種目なので、自分のペースで増やしていきましょう。

 ・効く筋肉 大腿四頭筋、大殿筋、脊柱起立筋
・回数 20回→15回→10回と減らしながら3セット

 

(1)肩幅よりやや広めに脚を開き、足先は少し外側に向ける。左右が1時と11時の方向になるくらいまで。手をまっすぐ前に出すとバランスがとりやすい。  

 

(2)そのままゆっくりヒザを下ろしていく。足先とヒザの方向が同じになるように。ややガニ股ぎみになる。 

 

(3)太ももの裏側が床と平行になるまでしゃがみ、おしりをやや突き出すイメージで行う。ヒザはつま先より前に出ないよう、真下に重心を落としていく。この動作を繰り返す。

ポイント

・足先をやや外側に向ける
・太ももの裏側と床が平行になるようにおしりをやや突き出す
・重心を真下に落とす

[これはNG!]ヒザはつま先より前に出さない

曲げたヒザの位置をつま先の手前にすることは、初心者がヒザを守るための原則。前に出しすぎるとヒザにストレスがかかり、関節を痛める危険性があります。筋力がある人は、逆につま先よりヒザを前に出すことで負荷を大きくすることができます。ヒザを内側に入れすぎるのもNG。

スクワットについての質問

Q. おしりの筋肉に効かせたいときは?
スクワットでおしりに効かせ場合は、前傾姿勢になるのがコツ。やはり、ヒザがつま先より前に出ないように注意し、上半身を前傾させます。階段を上るときも、前傾姿勢を意識するとおしりから太ももの裏側まで引き締まります。

Q. しゃがみすぎるのはよくない?
筋力がある方なら、スクワットの沈み方に制限はありません。中上級者向けですが、床ギリギリまでおしりを下げる「フルスクワット」という種目もあります。

 

PROFILE
比嘉一雄

CALADA LAB.代表取締役。1983年、福岡県生まれ。早稲田大学スポーツ科学部卒業後、東京大学大学院に進学(現在博士課程)。石井直方研究室にて筋生理学を学ぶ。「研究」と「現場」のハイブリッドトレーナーとして活動。科学的エビデンスを基にした「えびすメソッド」で多くのクライアントをダイエットの成功に導いた。夢は世の中から10トンの脂肪を消滅させること。ミッションは世の中のボディメイクの考えをシンプルにしていくこと。月間200本以上のパーソナルセッションをこなしながら、さまざまな執筆活動やセミナー活動を行う。