「ダイエット中でもおいしいものは我慢したくない!」そんな時におすすめなのが「スパイスカレー」です。スパイス料理研究家の印度カリー子さんに、ダイエットにいい食べ方のコツを聞きました。
スパイスカレーは脳が「新しい」と感じる食べ物
ダイエット中はできるだけ五感を刺激する食べ物がおすすめです。それは、スパイスの香りや刺激によって食事の満足度が高まるからです。また、食べる前に味の想像がつきにくい食べ物のほ うが、食べたあとに満足度が高い傾向にあります。
たとえば、ごはんやみそ汁、煮物、パスタなどの食べ慣れた食事だと、食べる前にだいたいの味の想像ができますよね。もう知っている食べ物の場合、脳はその食べ物を「おいしい」と認識はしますが、「新しい」とは感じません。
つまり、脳が「はじめて食べる味だ!」と感じるかどうかがダイエットには重要なのです。 スパイスは、私たち日本人にとって、なじみのない香りや刺激をもっています。
その点、スパイスカレーは、そのスパイスと具材、ベースとなる水分(牛乳やヨーグルトなど)の組み合わせ次第で、簡単に新しい味を発見できるのです!
同じスパイスを使っていても、ヨーグルトで作るカレーと、ココナッツミルクで作るカレーでは、まったく違ったカレーに仕上がります。 また、レシピの分量内で肉や野菜の種類を変えたりするだけでも、違う味が生まれます。
カレーは包容力があるのが良いところ。自分なりにアレンジしてみても、きっとおいしい カレーができます。もし飽きても大丈夫。ホールスパイスを加えるだけで、また新しい香りと味わいが広がります。
食べ方を少し変えるだけで、いつも以上の満足度!
さらにダイエット中にスパイスカレーを食べるなら、食べたいと思うカレーを、 五感をフルに使って食べるようにしましょう。
いま目の前にある食事はどんな色? どんな香り? どんな食感――?
感覚をフルに使い、さまざまな刺激を感じながら食べることが大切です。人とおしゃべりしながら、テレビやスマホを見ながらダラダラと食事をすることは、ダイエット中には禁物です。
「私は本当にその食事を食べたいと思ってる?」 「その食事に満足してる?」 こんな風に、食べるまえに自分に聞いてみるのもおすすめです。
満足していない食事が続くと、ある時バランスが崩れ、ついつい食べ過ぎてしまうということがあります。ストレスが溜まったとき暴飲暴食をしてしまう人は、特にこの傾向にあるといえるでしょう。
そういう人は、いま目の前にあるカレーに全力で向き合う、ということを試してみてください。
五感をフルに使って食事をしたあとは、いつもより満足度が高まっていることに気がつくでしょう。 この食べ方に慣れてくると、次第に食べ過ぎることがなくなり、1日3食、毎回ちゃんとお腹が減る、自分にとってちょうどいい食事の量がわかるようになります。
ダイエット中は、食べたいと思うものを食べて、幸せを感じながら取り組むことが成功の秘訣です。 そしてそれが、食事への感謝の気持ちや、今と将来の自分の身体を愛することにもつながります。
いつものキッチンで生まれる、スパイスカレーの魅力的な世界を、ぜひお楽しみください!
- 冷凍シーフードミックス
- 100g
- 水
- 50ml
- 生クリーム
- 50ml
- グレイビー
- 1/4量(つくり方はこちら)
作り方
1. フライパンにグレイビーと水を入れて火にかける。
2. 沸騰したらシーフードミックスを加え、フタをして弱火で5分ほど煮込む。
3.生クリームを加えて混ぜ合わせる。味をみて、必要なら塩(分量外)で 味をととのえる。
さらにひと手間
ホールスパイス(原型のままのスパイス)を入れると香りがアップします。次の材料をあらかじめフライパンで1分ほど軽く炒っておいて、2の工程で加えましょう。
- クローブ
- 1粒
- カルダモン
- 1粒
- 強力粉
- 200g
- バター
- 10g
- ドライイースト
- 1g
- サラダ油
- 10g
- 塩
- 1g
- 砂糖
- 2g
- 水
- 110ml
作り方
1. ボウルに、強力粉、ドライイースト、塩、砂糖、電子レンジで10秒ほど加熱して溶かしたバター、サラダ油を入れてよく混ぜ合わせる。
2. 水を少しずつ加えてよくこねる。均一にやわらかくなったら、4等分にして濡れ布巾をかけ、1時間ほど常温(25度くらい)で寝かせる。
3. 生地が2倍くらいにふくらんだら、気泡をつぶさないようにやさしくつかみ、そのまま手で涙型に伸ばす。
4. フライパンにフタをして、温める。温まったら、3.の生地を入れ、すぐにフタをして中火で約20秒焼く。
5. 生地をひっくり返してすぐにフタをし、弱火で2分ほど焼く。
- キャベツ
- 1/4玉 (400g)
- にんにく
- 2かけ (12g)
- しょうが
- 1かけ(15g)
- サラダ油
- 小さじ1
- 塩
- 小さじ1/4
- ターメリック
- 小さじ1/4
- チリペッパー
- 小さじ1/4
作り方
1. にんにくとしょうがはみじん切り、キャベツは食べやすい大きさに切る。
2. フライパンにサラダ油を熱し、にんにくとしょうがを加えて中火で炒める。
3. 香りが立ってきたら、キャベツと塩を加えてしんなりするまで炒める。
弱火にしてターメリック、チリペッパーを加えて2分ほど炒める。 味をみて、必要なら塩(分量外)で味をととのえる。
さらにひと手間
ホールスパイス(原型のままのスパイス)を入れると香りがアップします。次の材料をあらかじめフライパンで1分ほど軽く炒っておいて、2の工程で加えましょう。
- クミンシード
- 小さじ1
- 鷹の爪
- 3本 (2.でにんにくなどを炒める前に、スパイスを香りが立つまで弱火で炒めても良い)
1996年生まれ、宮城県育ち。スパイス料理研究家。スパイス初心者のための専門店 香林館(株)代表取締役。「スパイスカレーをおうちでもっと手軽に」をモットーに、オリジナルスパイスセットの開発・販売やコンサルティ ング、料理教室運営など幅広く活躍。 現在は、東京大学大学院で食品化学の観点から香辛料の研究を行っている。著書に『おもくない!ふとらない! スパイスとカレー入門』(standards)、『ひとりぶんのスパイスカレー』(山と渓谷社)、『私でもスパイスカレー作れました!』(サンクチュアリ出版)など。

- 作者:印度 カリー子
- 発売日: 2020/01/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)