任せるだけではダメ! 部下が自分から動くようになる3つの方法

「もっと優秀な人材がいれば成果が上がるのに……」 業績を見てはそんなため息をつく前に、成果を出せるように部下を動かすテクニックを身につけましょう。男性と女性とでは、仕事に対する姿勢や考え方が違いますし、上司から受ける言葉の解釈も違います。“デキる部下”は上司が育てるものです!

トリセツ①部下がはじめての仕事をするとき

男性部下へは「任せる」

よかれと思って手取り足取り面倒を見てあげていませんか?

実は、これを続けるといつまでたっても部下は自立することができません。甘やかされた息子のような社員になってしまっては、あとから苦労するのは上司である自分です。部下にしっかり指示して、信頼して「任せる」ことを意識することが大切です。

特に新入社員に有効なのは、失敗しても大問題にならないようなプロジェクトを任せてみること。最近の20代、30代は能力が高い人が多いですし、「企画の仕事のために入社(転職)したのだから、明日からでもやりたい!」という人も多いです。 そうであれば、明日からでもやらせてあげてください。そうは言っても、なかなか任せられる仕事はないよという場合、とにかく何か企画を考えさせればいいのです。もしかすると、思いもよらないホームランを打ってくれるかもしれませんよ。

女性部下とは「一緒にする」

女性部下は、「共感」と「納得感」で動くことが多いです。

上司の言っていることだからと、何でも指示に従うわけではありません。自分で納得できない場合は、上司に反論することもあります。ここが上下関係に従順な男性部下との違いです。

そのため「上司である」という権限で従わせるのではなく、言っていることの正しさや信頼関係でもって指導することが求められます。女性部下にとって大切なことは「共感」と「納得感」です。言葉を尽くしてアプローチすることが重要です。

女性部下のほうが、上司の説明やコミュニケーションによって仕事の成果が変わります。仕事の内容に共感して納得することで、仕事への責任感や力の入れようが男性部下よりも大きくなり、男性部下よりも成果を上げる傾向があるのです。

そのため、女性部下との効果的な接し方を把握し、うまくマネジメントすることができれば大きな成果を上げることができるでしょう。上司にとっては、異性である女性部下との適切な接し方を学ぶことはとても重要なことだということに一刻も早く気づくべきでしょう。

部下がはじめての仕事をするときの指示の出し方


トリセツ②部下のミスを叱るとき

男性部下の叱り方は「期待を込めて」

男性部下を叱る場合は、相手が納得できる答えを用意するのがポイント。叱る前にじっくり失敗の原因を見極め、防ぐ方法を具体的に伝えることが必要です。

さらに、男性部下を叱るときには、できるだけ人の目につかない、会話を聞かれない場所で落ち着いて話をしましょう。

プライドが高い男性に対して「恥ずかしい」という感情は、人から冷静さを奪います。上司の要望がどんなに正当なものであっても、「恥をかかされた」と感じた瞬間、部下は不当な扱いを受けたと感じ、心を固く閉ざしてしまいかねません。また、叱られている最中も他人の目が気になって会話に集中できず、上司の伝えたいことが全く部下の耳に入っていかない可能性も高くなります。

叱られた内容を理解できなければ、また同じミスにつながるかもしれません。叱るのは、部下に恥ずかしい思いをさせることが目的ではありませんから、できるだけ人目を気にせずに、部下と本音で話し合える場所を選びましょう。

男性の叱り方は注意しないと権威的になってしまいます。勝ち負けを意識して叱っていませんか? 男性部下を負かすことが目的ではないはずです。屈服させる叱り方は相手の自尊心や能力を壊しかねません。

次のようなフレーズはNGです。

「だからお前はダメなんだよ」

「キミにはがっかりだ」

「もう信用できないな」

「お前、大学で何勉強してきたんだ?」

「どういう育ちしてきたんだ?」

「だからイマドキの若いやつはダメなんだ」

叱る際に大切にすべきなのは、「相手の成長を促すこと」と「自信を持ってもらうこと」。相手の長所を評価しながら叱ることが大切です。

「ここでミスをする傾向があるようだけど、何か原因に思い当たる?」と質問したり、「2回チェックするようにしてみようか」と提案するのもおすすめ。「君なら一晩考えればわかるんじゃないかな」と宿題を出すのも効果的です。言われた側は期待されていると受け取るからです。

ただし「わからなかったら一緒に考えよう」というひと言を付け加えるのもお忘れなく。

女性部下の叱り方は「ミスの指摘のみ」

管理職研修でよくでる質問の一つが「どうやって女性の部下を叱ったらいいんですか?」というもの。女性をうまく叱れないというのは多くの男性上司の悩みのようです。そこでも私は「叱る必要はないですよ」と繰り返し伝えています。

つまり女性は叱ってはダメなのです。

つまり女性は叱ってはダメなのです。

「こんなこともできないの?」

「誰でもできる仕事なんだけど」

「難しいことなんて頼んでないけどな」

「この仕事向いてないんじゃない」

「うちの会社には合わない」

このようなフレーズは決して言ってはいけません。

特に声の大きい男性に言いたいのですが、絶対に女性に対して大きな声を出してはいけません。女性は男性より体が小さくてか弱い存在だと自覚してください。もちろん「コラァ〜!」のような恫喝など論外。一瞬で女性は怒鳴る男性を大嫌いになります。

女性部下が、重要な書類の数字を間違えて提出してきたとします。

「コラッ! 間違っているぞ。やり直せ!」など大きな声で恫喝された場合、「そんなふうに言わなくてもいいじゃない…。ただ間違えただけなのに!」と書類を間違えたことより恫喝されたことにフォーカスしてしまいます。

そして、その上司のことを「怖い」から「嫌い」になるのです。女性は一度叱られた相手に心を開くことはありませんから、その後のコミュニケーションは非常に難しくなります。

大きな声を出さなくてもミスを指摘することはできるはずですよね。「○○さん、ここの数字が間違っているよ。大事な書類だからすぐに直してくれないかな?」と、真剣な顔と落ち着いた声で伝えれば、女性は純粋に「間違いを指摘された」と受け止めて「申し訳ありません、すぐに直します!」と即行動するでしょう。

さらに大切なのは、「叱った後」です。

女性は「嫌いな人」と接するのが男性より苦手なので、自分を叱った人と一緒に仕事をするときに、緊張するようになってしまいます。そして「また失敗したらどうしよう」「叱られたらどうしよう」といった気持ちが、さらなるミスを生んでしまうのです。こうして失敗してまた怒られる……という悪循環にはまりがちです。

こうなると仕事そのものの質が下がってしまいます。嫌いで叱っているわけではない、ということを伝えるようにしましょう。

部下のミスへの叱り方

トリセツ③部下の仕事ぶりを褒めるとき

男性部下へは「結果」を重視する

男性は、「結果」を褒められると、「褒められた!」と感じます。

一般的に男性は、良い結果が得られたとき、とにかくその良い結果が得られたことを褒められると、褒められた(認められた)と感じやすい傾向があります。話しが極端かもしれませんが、良い結果を得られるまでの過程がどうであれ、男性は結果が良ければうれしいのです。

しかし、一生懸命がんばった結果が悪かったとき、その過程や努力を褒めても受け取りにくい傾向があります。みじめさを感じたり、バカにされているようにも感じてしまうかもしれません。いずれにしても、男性部下を褒める際には、結果を褒めればいいことを知っておきましょう。

また、これ以外で男性に効果的な褒め方のコツは、「頼りにしている」または「頼りになる」ことをストレートに伝えることでしょう。男性は女性と比べ、社会で認められたいという社会的欲求が強いので、それを刺激するような褒め方として言ってみるといいですよ。

男性部下が喜ぶ褒め言葉

「仕事のクオリティが高いね」

「さすが、仕事が早い!」

「発想力がズバ抜けている」

「よくこれに気がついたなぁ」

「さすが〇〇さん、やっぱりプロだなぁ」

「〇〇さんにとても期待しています」

女性部下へは「プロセス」を重視する

女性は、「過程(努力・プロセス)」を褒められると「褒められた!」と感じます。一生懸命働く女性にとって、おやつの差し入れやランチのご馳走もうれしいけれど、一番うれしいのは上司からのねぎらいの言葉です。しかしその言葉が足りないばかりに、女性部下の協力を得られていない職場も少なくありません。

女性社員のやる気をアップさせることができれば、強力な即戦力となることはもちろん、上司としての評価も上がっていきます。そこで女性部下のやる気をアップさせるなら、「褒める」ではなく「ねぎらう」の言葉かけを選ぶようにするといいですね。

女性は、棚ぼた的に良い結果が得られても納得がいきません。ましてや結果のみを褒められてもうれしいとは感じません。結果に行き着くまでの過程や努力を見てほしいのです。

男性上司の立場からすれば、「結果が出ていないのに褒めようがない」と思うかもしれませんが、そこに行き着くまでに一生懸命努力した過程や努力を認められると、女性は仕事へのエネルギーに変えることができます。

結果を褒めただけだったり、その結果に至るまでの過程や努力を上司が認めないと、女性の部下は「この上司はわかってくれない」と感じてモチベーションが下がってしまうでしょう。

女性部下が喜ぶ褒め言葉

「いつもがんばっているね」

「すごく助かったよ、ありがとう!」

「〇〇さんのおかげでうまくいったよ」

「他部署の人が○○さんを褒めていたよ」

「〇〇さんの笑顔はみんなを明るくするね」

「遅くまでお疲れさまです」

部下の褒め方

PROFILE
佐藤律子

一般社団法人異性間コミュニケーション協会代表理事。株式会社アートセレモニー代表取締役社長。 ブライダル業界で1000組以上の男女を結婚に導いた経験と生物学、環境学、社会学、心理学など、男女間におけるありとあらゆる学問を通じて、男女の違いを体系化した「異性間コミュニケーション」を考案。年間100回を超えるセミナーや講演、研修、企業でのコンサルティングを行っている。異性間コミュニケーション講座の受講者は、全国でのべ3万人を超える。著書に『理屈で動く男と感情で動く女のもっとわかり合える会話術』(かんき出版)、『7日間で運命の人に出会う! 頭脳派女子の婚活力』(小社刊)がある。