生きがいと更年期の意外な関係
更年期の研究は年々進んでいるのですが、日本母性衛生学会が行った興味深い調査結果があります。それは、「生きがいを持っている女性は、更年期症状が軽い」というもの。
また、アメリカのマウントサイナイ医科大学の行った研究では、「生きがいを持つ人は、心血管疾患の発症リスクが低く、健康寿命が長い」という報告もあります。つまり、生きがいのある人ほど健康で長生きだということ。
生きがいのある人生を送っていたら、やりがいに満ちたハツラツとした日々を活動的に送っているのは想像に難くないですね。心身ともに健康的なのはうなずけます。医学的エビデンス、お墨付きもあるんですね。
では、質問です。あなたの生きがいは何ですか?
……と突然聞かれて、「私の生きがいは〜です!」と自信をもって即答できる人は、少ないですよね。かくいう私だってその一人でした。今でこそ、「更年期女性のサポートは私のミッション!」と思っていますが、そもそも、生きがいってなんぞや? って思いません?
なので、まずは「生きがいが見つかる4つの質問」に答えてみてください。
「あなたの好きなことは何ですか?」
「あなたの得意なことは何ですか?」
「あなたが感謝されることは何ですか?」
「あなたが死ぬまでにやりたいことは何ですか?」
小さなこと、ささやかなことでOK。心に浮かんだことを書き出してみます。だれかに見せる必要はないので、「あなた」の答えを存分にどうぞ!
ちぇぶら流「生きがいマップ」
そして、書き出したことを次の円の中に入れて整理してみましょう。

「生きがいマップ」の例

「生きがい」を読み解くヒント――円が重なる部分に注目
①はあなたの天職や使命!一念発起して、新しい仕事をスタートするのもいいかも
②は活動することで充実感が得られます。意識することでより豊かな人生に
③をすれば心が満たされます。今日から実現に向けて一歩スタートしましょう
④は情熱をもって取り組めます。深めれば、その分野の専門家になれるチャンス!
「人のことは大事。自分のことはもっと大事」にしていい
どうですか? あなたの生きがいが見えてきたでしょうか?
「好きなことを改めて確信した」「やりたかったことを思い出した」という人は、ワクワクしてきますよね。
「なかなか答えが浮かばない……」という人も焦る必要はありませんよ!
生きがい探しはライフワークみたいなもの。あなた自身が「気持ちいいな」「うれしいな」「楽しいな」「面白いな」ということを日々感じながら生きていけば、自然と見つかるはずです。
そして、「やってみたいな」ということがあれば、どんどんトライしてみてください。 そこで覚えておいてほしいのは、「あなたの満足がいちばん大事」だということ。
自分を優先することに罪悪感を抱いたり、周りの評価が気になってしまったりすることもあるかもしれませんが、それ、必要ありませんよ!
そうはいっても、会社や仕事の都合もあるし、夫や子ども、親の介護もあるから好き勝手はできない……ですか? もちろん、会社や仕事、家族を投げ出してというわけじゃないです。でも、どれもあなた一人で支えているわけじゃないですよね?
同僚に仕事を頼む、部下にゆだねる、家族に家事をやってもらう、介護サービスを利用する、施設への入所を検討するなど、周りにはどんどん助けてもらってください。だれかに頼んだりゆだねたりすることは大切なスキル。慣れていないと勇気と手間のいることですが、ワンオペ地獄にはまらないためにも欠かせません。
人のために何かをするのはすばらしいことですが、そこで無理をして体調を崩してしまったり、不満がたまってしまったりしたら本末転倒です。
あなたの人生の主役はあなたです。更年期症状は、「そろそろ自分を優先して生きたらどう?」という心と体の声かもしれません。
周りの人に心からやさしくなれる秘訣は、まず自分が満たされること。更年期からは、自分ファーストでみんなが幸せになるってこと、忘れないでくださいね!
更年期を迎える女性の健康 サポートを目的とした、NPO法人ちぇぶら代表理事。 1000名を超える女性たちや医師の調査協力を経て“更年期対策メソッド”を研究・ 開発・普及している。企業や官公庁、医 療機関など、日本のみならず、海外などでも講演を行っている。 著書に『女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操』(三笠書房)。