断食で体を定期的にリブート―50歳からの食事は“引き算”で考える

野菜ジュースを飲む男性

食事は生活の基本であり、健康を支える土台です。食べたものが明日以降の体を作り、ちょっとした食習慣のケアの差が健康状態の大きな違いになっていきます。仕事と遊びをハイレベルで両立させている本田直之さんが、50代からの食事術についてヒントを与えてくれます。

“朝食抜き”が体に合っていた

若い頃はわたしも1日3食、食べたいものを食べたいだけ食べていました。しかも、1年365日中、ほぼ300日は外食するという日々。

30代は日本でもハワイでも朝は家でしっかり食べ、昼と夜は仕事絡みの会食。フルコースで楽しんでいたのです。

これでは完全に食べ過ぎだと危機感を抱き、真剣に食生活の改善に取り組んだのは40代後半になってから。健康を考えてサプリを摂るなど、足し算での食生活の改善ではなく、引き算でいろいろと実験していきました。

そのためにまずやめたのが、朝ごはんです。朝を食べないと不健康になるという説もありますが、野生の肉食獣で朝ごはんを食べる習慣のある生き物はいません。腹をすかせて、狩りをして、獲れたときに食べるのが何千年も続くスタイルです。

一方、1日3食の食生活が確立したのは、19世紀の頃のこと。まだ200年しか経っていません。大量生産と大量輸送が可能になったことで確立した食生活のスタイルです。

もちろん、食のスタイルに100%正しい答えはありませんから、「朝、食べないと力が出ない」という人は昼、夜で調整し、一日の食全体で量を整えてもいいでしょう。

自分の体、ライフスタイルに合った食生活とは

わたしの場合、朝ごはんを食べるのをやめた数日こそ、昼前までに強い空腹を感じていました。しかし、その後はむしろ朝食を摂っていた頃よりお腹がすかず、昼まで固形物を胃に入れたくない感覚が増していきました。

朝食に食べるメニューというのは基本的に炭水化物が中心で、その消化の過程で体がもっと糖質を求めます。それで、昼ごはんにパスタやカレーなどの炭水化物を入れると、また糖質が欲しくなり、デザートに甘いものを摂ってしのいだ後、晩ごはんをたっぷり……炭水化物中心の朝食を食べていると、そういうサイクルに陥りがちです。

逆に朝ごはんをやめてみたら、体が糖質を求めないので昼も食べ過ぎなくなりました。さらに、最近は昼ごはんに固形物を摂るのもやめています。

消化器に必要以上の負担をかけずに野菜や果物の良質な栄養素が吸収できると聞き、コールドプレスジュースを飲むようにし、その効果を実感。朝ごはんを抜き、昼ごはんをコールドプレスジュースに置き換え、その分、夜は好きなように食べるというメリハリをつけるスタイルを確立していきました。これが引き算で作ったわたしの食のスタイルです。

一般的なダイエットのシステムは「晩ごはんを減らしましょう」という仕組みになっています。寝る前の食事が一番太るからダメだ、と。たしかに理論上は正しい見解です。

しかし、わたしの生活に当てはめると、ディナーを我慢すると人生で一番楽しい時間を失うことになってしまいます。それでは何のための節制かわかりません。そこで、朝昼に無駄なものを食べない。1日1食に近い仕組みを作りました。

自分が最も重視している食事のタイミングを大事にし、それ以外の部分を引き算してトータルのバランスを整える。それが50代以降の健康を維持する食生活の基本になっていきます。

本田直之さん

3ヶ月に1度の軽い断食で、体を内側からリセット

わたしは、とにかく食べるのが好きです。1年の5ヶ月をハワイ、5ヶ月を日本、2ヶ月は世界中を旅するというライフスタイルを続けているのも、世界各地の食を楽しめるというのが大きな理由の1つになっています。

50歳になって晩ごはんに主軸を置くような食生活のスタイルを整えたとはいえ、お酒も人並み以上に飲みますから、定期的に体をリブート(再起動)する必要性を感じています。

そこで、実践しているのがジュースクレンズという一種の断食です。これは3日間、ジュースだけを飲み続けるというもの。最初にジュースクレンズを体験したとき、内臓が休息し、体が軽くなっていく感覚がありました。また、体内の毒素が便とともに外に出ていき、全身が内側から洗い流されていく感覚もあり、以来、3日間のジュースクレンズを3ヶ月に1回のペースで取り入れています。

1日目で体が反応し始めて、2日目で浄化され、3日目でリブートされる感覚。3日間なら、週末+1日で実践できるので忙しいビジネスパーソンでも取り入れやすいというメリットもあります。

ジュースクレンズの何がいいかと言えば、食生活や普段食べているものを見直す1つのトリガーになること。完全な断食ではないので、「終わったら好きなだけ食べてやる!」という飢餓感はなく、クレンズで1回体をキレイにした後は、自然と変なモノは食べたくないと体が感じます。

現代人の食生活は食べ過ぎで、栄養も必要以上に摂っています。その分、どこかで引き算する必要があるのです。一流のアスリートの中にもシーズンを終えると断食を実践し、内臓の疲労をリセットしている人が少なくありません。

わたしはジュースクレンズを行っていますが、あなたも自分に合った形での断食を生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

寿命が長くなっても、不健康な状態で長生きするのはつらいことです。生きているけれど、思うように体が動かないことの辛さは想像に難くありません。今できる努力はしておいて損はないはずです。内臓の機能を落とさないためにも、自分でコントロールできることはコントロールしていきましょう。

 

 

seishun.jp

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PROFILE
本田直之

レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役。シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQ上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資育成事業を行う。ハワイ、東京に拠点を構え、年の5ヶ月をハワイ、3ヶ月を東京、2ヶ月を日本の地域、2ヶ月をヨーロッパを中心にオセアニア・アジア等の国々を旅しながら、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送る。(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ。アカデミー・デュ・ヴァン講師。明治大学・上智大学非常勤講師。