中学受験は最初が肝心! 3歳からでも勉強習慣がつくすごい方法

勉強する子ども

3年生の3学期あたりから中学受験が始まると、「勉強をさせたい親」と「やりたくない子ども」のバトルも始まります。でも、中学受験指導の第一人者である小川大介先生によると、早いうちから子どもに「勉強するのは当たり前」という意識を持たせると、無用な争いを避けられるそうです。具体的な方法を教えてもらいましょう。

「ウチの子は勉強嫌い」は思い込みにすぎない

「小学生の子どもはのびのびと遊ばせるべきだ」
「小学生の子どもに夜遅くまで塾通いをさせるなんてかわいそう」

世間では、中学受験に対してこのように批判的な目を向ける人もいます。そんななかで中学受験をすると決めた親御さんも心のどこかに、「こんなに大変な思いをさせてごめんね」という後ろめたさを持つことがあるようです。

でも、勉強がつらいかどうかは本人が決めること。まわりがあれこれいったり、思ったりすることではありません。というのは、成績がいい子はみんな勉強が好きかといえばそうではないし、逆に成績が悪くても勉強は好きという子はたくさんいるからです。

勉強が好きという子は、学ぶこと自体の楽しさを味わっています。幼少期に自分が遊びで得た知識が、ある日の中学受験の勉強で出てきたとき、「そっか! あれはこういうことだったんだな」と腑に落ちたり、気になる問題が正解できれば、たとえその配点が2点だけだったとしても、「よーし!!」と喜んだり。そういう子の親御さんは、「テストのための勉強」という狭い見方はあまりしていません。

一方、毎回いい成績をとり続けているのに勉強がまったく楽しいと思わない子もいます。「点数がとれるかどうか」を目標に勉強している(させられている)子です。両者の違いは、勉強そのものの喜びを味わえているかどうか、点数だけを見て「意味がある・ない」と切り捨てていないか、という点にあります。

成績を見るより先に、本人がどんな様子で勉強しているのかに目を向けていきましょう。

“毎日勉強をするのは当たり前”と思わせる

自分から勉強する子に育てるにあたって、一つ重大なポイントがあります。それは、勉強を特別視しないということです。勉強をひと言でいうと新しい知識を得て考え学び、自分を高めていくこと。だから、本来の勉強はとても楽しいのです。

また、勉強は社会に出てからもずーっと続きます。ごはんを食べる、歯を磨く、寝るといった行動と同じぐらい、“当たり前”の行為なのです。

では、どうしたら子どもにその“当たり前”が伝わるのか。これはとても単純で、親自身が「勉強はするのは当たり前」と信じ切ればいいのです。

私はセミナーでいつもこんな話をします。子どもが「なんで勉強しなきゃいけないの?」という反応を見せたときをイメージしてください。

そのとき、親は「え? 朝ごはん食べるよね? お昼ごはんも食べる……よね? 夜ごはんもやっぱり食べる? 食べるね。勉強するよね」と、「食べる」と「勉強する」を同じトーンでしれっと話すのです。

怒ることも、あせることも、押しつけることもまったく不要。勉強するのは当たり前のことすぎて、「勉強しない」ということの意味がわからずキョトンとする。すると子どもは、「あれ? あれれ?」となります。

勉強するのは特別なこと、大変なことなんだと親が思うから、「イヤだ」というのです。親が肩に力を入れることなく、当たり前のことだという空気をつくってしまうと、「そんなものなのかな」という気分になるのです。

幼い子どもに遊びと勉強の区別はありません。ポケモンのキャラクターを覚えるのと歴史上の人物を覚えることには何の違いもないのです。電車好きの子が各地の地理に詳しいのは、頭の中で好きな電車がいろいろな風景の中を走る姿が浮かぶからであって、そういう時間は楽しいに決まっています。「勉強ってイヤだよね」と大人がわざわざ教えなければ、子どもは勉強を楽しめるのです。

勉強をはじめるベストなタイミングは?

さて、このように〝当たり前〟の勉強ですが、いつから始めるのがいいのでしょうか?

私は、物心がついてくる3歳、4歳あたりから始めることをおすすめしています。といっても、何を勉強させるかにこだわる必要はありません。ここでは勉強を習慣化することが目的だからです。

中学受験をするとなると小3の2月から塾通いがはじまります。大手進学塾では、スタートラインである4年生からいきなり3時間(サピックスの場合1コマ60分×3科目)の授業がはじまります。

小学校の授業は1限45分、2限目のあとには20分の中休みもあるゆったりした時間割になっていますが、塾は違います。そのため、学校の感覚で中学受験をはじめると入塾後に大変な思いをすることになります。

「まだ勉強はいいよ」と学校の宿題以外は特に手をつけず、低学年までは思いっきり遊ばせてきたとしましょう。さて、4年生になったら急に自分から勉強をするでしょうか? 9歳まで「勉強をしない習慣」をつけてきた子が、「塾に入ったんだから、さぁ勉強をしなさい!」といわれても、かなり困るはずです。

繰り返しになりますが、幼児期の子どもには遊びも勉強も区別はありません。ですから、物心がついたら勉強メニューも始めてしまえばいいのです。

“毎日少し”が習慣化のコツ

忍者伝説の一つに、麻の苗木を毎日飛び越える修行をしていたという話があります。1日に約3センチも成長する麻の苗木を地面に植えて、毎日それを飛び越える。1カ月で90センチ、2カ月で1・8メートルとハードルはどんどん上がっていきますが、毎日飛び続けていれば、「昨日より3センチ伸びただけ!」と挑戦することができます。ついには、3メートルの高さまでジャンプできるようになる、という話です。

実際にこんなことがあったかどうかは別として、幼児期から育む勉強習慣もこのようなイメージです。勉強も毎日無理を感じない程度に少しずつ増やしていくようにすると、続けてできる時間が延びていきます。

最初は1日5分からスタートしてみましょう。慣れてきたら1日6分、まだ余裕なら1日10分というように、子どもの様子を見ながら少しずつ時間を増やしていきます。半年、一年といった単位で、ゆっくりとです。そうやって、机に向かって勉強することに慣らしていくのです。

そのときに何をするかですが、たとえばまだ幼い子どもなら線遊びや迷路、ひらがなやカタカナのドリルをやらせてもみてもいいし、小学生だったら漢字や計算ドリルでもいいでしょう。何か調べ学習を促すのもいいですが、ここではできるだけ一人で取り組む勉強をさせます。

ポイントはムリをさせすぎないこと。途中で子どもが「疲れた〜」といったり、しんどそうな表情を見せたりしていたら、それは少し負荷がかかりすぎているかもしれません。理想は8割くらいは余裕で取り組めていて、最後の少しで「ちょっと大変だな。でも、あと少しだからやってみよう」と思えるぐらい。

筋トレと同じです。「もう限界!」と思ってから、最後の力をしぼってあと2、3回がんばると筋肉がつくように、「疲れたなぁ〜。でも、あと3問だからがんばろう!」という状態での踏ん張りが一番効きます。

また、毎日腹筋を20回やっているとして、急に50回に増やしたりはしませんよね。つらすぎてやめてしまうかもしれません。1日25回を1カ月、30回を2カ月という具合に少しずつ増やすようにして、続けていけるようにするはずです。それと同じことです。

勉強に取り組む時間帯は、幼児から低学年は朝がおすすめ。というのも、夕方や夜はその日の日中のすごし方によって疲れ具合も変わってくるので、安定的に習慣化するのが難しいからです。その点、朝なら決まった時間に起きて、決まった時間に勉強をするという習慣がつきやすいでしょう。

わが子も、4歳のときから幼稚園に行く前に朝学習をしていました。そして少しずつ時間を増やし、小学校に上がるころには自然に毎朝30分の朝学習ができるようになっていたのです。低学年のうちは、基本的に本人がやりたいことをやらせていました。

ここでは「算数15分+国語15分」というようにバランスよく勉強させることより、毎日勉強を続けることで「自分はこのくらい勉強をやることができるんだ」と自信を持たせることが大事です。自分を信じられる気持ちを持たせることが習慣化への秘訣です。

 

 

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PROFILE
小川大介

教育専門家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、中学受験専門のプロ個別指導塾SS-1を設立。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。同時期に中学受験情報局「かしこい塾の使い方」の創設にも参画し、情報発信を開始。受験学習はもとより、幼児期からの子どもの能力の伸ばし方や親子関係の築き方に関するアドバイスに定評があり、各メディアで活躍中。そのノウハウは自らの子育てにも活かされ、一人息子は中学受験で灘、開成、筑駒すべてに合格。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など著書多数。

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