更年期3大トラブルを乗り切る「○○しない」法則

食事や睡眠など、生活習慣が若いころよりますます大事になってくるのが更年期。「わかっちゃいるけどイライラする」「情緒不安定で家族にあたってしまう」など、自分をコントロールできずに日常生活に支障をきたしている人もいるのでは? どうしたら心地よく暮らしていけるか、更年期トータルケアインストラクターの永田京子先生に聞きました。

急に大汗! ホットフラッシュで焦らない

更年期症状の代表格といえば、ホットフラッシュ! 急に顔がカーッと熱くなったり、汗が吹き出したりする症状です。時と場所を選ばずに起こり、「汗を拭きながら仕事をした」「心配されて気まずくなった」など悩みの種になる厄介者です。

ホットフラッシュが起こったら、焦らずにまずはゆっくり深呼吸。大丈夫、大丈夫。少ししたら落ち着きますよ。

経験者たちが、あってよかったというホットフラッシュに備えるグッズを紹介しましょう。まずは、手持ちミニ扇風機。とにかく暑いので、顔に風を当てて乗り切ったという方は多数! 肩にかけるタイプや、卓上に置いて自立して風を送ってくれるものもあるので、家事や仕事中でも、手が塞ふさがらず使えるので便利です。

続いては、首に巻けるタイプの冷却剤や、水に濡らすと冷える冷感マフラーなど、首の後ろを冷やすもの。意外とかさ張らないので、鞄に入れて持ち歩くのもラクです。

また、体温調節ができるよう、すぐに脱ぎ着ができるカーディガンなどの前開きの上着、汗をかいたあとの冷えを防ぐために、簡単に着替えられる肌着を準備しておくと安心です。もし、脇の下の汗じみが気になるなら、衣服の脇の部分に貼る使い捨ての汗取りシートを使うのもいいでしょう。

これらはみんな、ホットフラッシュの症状が落ちついても、夏場の熱中症対策にも使えますよ!

眠れない悩みは「眠らない」で解消!

自律神経が乱れやすくなる更年期は、睡眠のトラブルを抱えやすいときです。眠れない日々が続くと、布団に入ると「今日もまた眠れないのでは……」と緊張して、ますます眠れない、なんてこともありますよね。

そんなときは、いっそ眠ることを諦めてみましょう! 布団から出て、起きていられるだけ起きているのです。え? トンデモなアドバイスじゃないかって?

いえいえ、これは「刺激制御法」という睡眠障害の治療でも行われる方法。布団は眠るときにだけ使います。読書や食事や心配事は布団の上ではしない。眠れないなら布団の上では過ごさない。

そして、たとえ眠る時間が遅くて、朝どんなに眠たくっても、同じ時間に起きる。朝を起点にすることで、体内時計がうまく働き、「メラトニン」という体全体を眠りモードにするホルモンが、ちょうどいい時間に分泌! 夜ぐっすり眠れるようになるんです。

それに、諦めがつくと、寝なきゃいけない……というプレッシャーから解放されますし、寝るときだけ布団を使うことが習慣づけば、今度は布団に横になると、ついつい眠ってしまう……というように、体が慣れてきます。

また、人は体温が下がるときに眠りやすくなるのですが、この特性をうまく活用する方法もあります。夕方に運動をして体温を上げておいたり、寝る1時間半前くらいにぬるめのお風呂に入って体を温めると、良質な睡眠が得られやすくなるんですよ。

眠っているのに、ホットフラッシュや頻尿で何度も目覚めて睡眠が中断されることもあるでしょう。睡眠不足じゃないかと不安になりますが、翌日、「よく眠れた」「疲れが取れた」と感じられていれば大丈夫。

必要な睡眠時間は人それぞれ。毎日連続で7時間眠らなくちゃいけない、なんてことはないのです。数字よりも自分の体の声を信じてみましょう。

イライラしてたまらない! こんなときは……

「イライラがとまらない! ついに性格まで変わってしまったのかしら?」

そう疑いたくなるほど、感情のコントロールが思い通りにいかなくなる更年期。特にイライラすることが増えると、ストレスも溜まるし、ツラいですよね。

「スーパーのレジ袋が指が滑って開かなくて、イラッ!」「テレビを見る夫の笑い声で、イライラッ!」というような、突発的なイライラには、すぐにできる深呼吸がオススメ

鼻から大きく息を吸って、空気をためた状態で4秒キープ! そして口からゆっくり息を吐き出します。副交感神経が刺激されて、気持ちが落ち着きます。

一方で、「なんだか理由もないのにイライラがとまらない」という、慢性的なイライラには、頭のマッサージを試してみてください。手の指の腹で頭皮マッサージをするように、頭全体をまんべんなくほぐします。血流が良くなりスッキリと頭が軽くなります。

怒りの感情やイライラを昔から、「頭に血が上る」と言いますが、頭の血流をいい状態に保っておくと、イライラの頻度が下がります。

そのほかにも、大声で歌う! ヘンテコでもいいから好きな音楽をかけて自由に踊りまくる! 思いきり泣く! というように、イライラの感情をエネルギーに変えて発散する方法もいいです。エンドルフィンという幸せを感じさせる脳内ホルモンが分泌されて、気持ちを切り替えられます。

余裕があれば、イライラの原因は、自分にとって重要なことか、そうでもないか。自分でこの状況を変えられるのか、変えられないものなのかを、紙に書き出して心の整理。客観視できると、「なーんだ、大したことないじゃん!」と思えたり、「自分がイライラするほどのことじゃなかった」と冷静になれます。

また、イライラの原因は、体調がすぐれていないからということもあります。よく寝て、ちゃんと食べて、よく動く。好きなことをして笑う。まずは自分を満たすこと。更年期からは、心の健康のためにも、「自分ファースト」でいきましょう!

今まで、家事に仕事に育児にとフル稼働でがんばってきたからこそ、これからは「もう、がんばらない」「無理しない」習慣を身につけて、無理せず、自分のペースで過ごしてくださいね。

 

seishun.jp

PROFILE
永田京子

更年期を迎える女性の健康 サポートを目的とした、NPO法人ちぇぶら代表理事。 1000名を超える女性たちや医師の調査協力を経て“更年期対策メソッド”を研究・ 開発・普及している。企業や官公庁、医 療機関など、日本のみならず、海外などでも講演を行っている。 著書に『女40代の体にミラクルが起こ る!ちぇぶら体操』(三笠書房)。

はじめまして更年期

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  • 作者:永田 京子
  • 発売日: 2020/07/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)