中学受験は最初が肝心! 入塾テストで上位に入ることが重要な理由

勉強する子ども

「中学受験なんてまだまだ先のこと。最初はのんびりでいいんじゃない?」なんて考えていると、後で苦労することにもなりかねません。実は3年生の11月から始まる入塾テストで上位クラスに入っておくと、将来の志望校合格に向けての大きなアドバンテージになるからです。そのメリットと対策について、「塾ソムリエ」の西村則康先生に教えてもらいました。

入塾テストでの「備え」が、その後の学力の「伸び」を決める!

中学受験をして中堅以上の学校を目指すのであれば、どうしても受験対策として塾に通う必要があります。今どきの中学受験は、お父さんお母さんの時代に比べて問題が非常に難しくなっており、中学受験を突破するために必要な勉強量も年々増えています。内容だけでなく問題数も多いため、ムダなく速く解くための専門的なテクニックが必要となってくるのです。

そんな中学受験を突破するためのテクニックに精通し、毎年の出題傾向を分析して日々カリキュラムを更新しているのが進学塾です。そして、「入塾テストで上位クラスに入ること」が、その後の学力の「伸び」を決定づけるポイントになります。それはなぜでしょうか?

なぜ、入塾テストで上位に入ることが重要なのか

私は“塾ソムリエ”として多くの中学受験生にアドバイスしてきました。たびたび言っていることですが、「入塾テストで上位クラスに入ること」には、次のようなメリットがあります。

◉力量のある先生の授業を受けられる
たとえば5つの算数のクラスがある場合、一般的には教師3人で担当します。その割り振り方は、まず解説能力が高く、応用問題を教えることが得意な先生が上位クラスを受け持ちます。次に、生徒を楽しませる力がある、もしくはわかった気にさせることが得意な先生が下位クラスを受け持ち、残った先生が他のクラスを担当します。つまり、上位クラスに入ればより質の高い授業を受けられますが、下位クラスの子は塾にとって「お客さん」になってしまうことがあります。

◉授業の進度や内容に差がつく
塾の授業はクラスの学力の平均値を基準とした内容になります。上位クラスは難しい応用問題の解き方なども授業で教わりますが、下位クラスでは応用問題はやらず、簡単な解法だけしか教わらないこともあります。しかも、クラス分けテストは全クラス共通。応用問題が出されても、下位クラスの子は解き方を教わっていないので解けません。

◉授業時間なども優遇される
さらに、塾によっては上位クラスだけ授業時間が多かったり、特別テストを受けられたりと、日常的に優遇されることがよくあります。

このように、上位クラスと下位クラスでは扱いがかなり違います。入塾後の学力の「伸び」を考えたとき、その差が開きやすいのは明らか。「最初は下位クラスでも、だんだん実力を伸ばして上位クラスに上がればいい」と考える親御さんもいるかもしれません。

しかし、日常的な授業内容や時間数が違うため、実際には下位から上がっていくのはかなり難しいのです。絶対に無理とはいいませんが、それには並々ならぬ努力が必要になります。

入塾テストってどんなもの?

「入塾テストで上位に入ることが大事」ということの意味について、わかっていただけたかと思います。では、「入塾テスト」がどんなものなのかをあらためて説明しましょう。

いわゆる関東の四大塾(SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー)をはじめ、どの塾でも最初に入塾テストがあるのは同じです。入塾テストの結果によって「入塾そのものの可否」と「クラス分け」が決まります。中学受験を目指して塾に入る場合、入塾する時期は小学4年生内容の授業が開始される「小学3年生の2月から」というのが一般的。

多くの塾ではそのころに塾の新学期が始まるので、このタイミングで入塾するのがベストです。そのためには、3年生の11 月・12 月・1 月に行われる入塾テストを受ける必要があります。

もちろん3月以降も月1回程度は入塾テストがあるので、4年生になってから入塾することも可能です。しかし、4月からは塾の授業スピードがグンと速くなります。できれば3月までに入塾することをおすすめします。

私の考えでは、レベルが高いといわれる塾で一番下のクラスに入るより、ほかの塾で上位クラスに入れるのならそちらを選ぶ方がいいです。塾内での扱いが違いますから、結果的に学力を伸ばすことができるでしょう。いくつかの塾の入塾テストを受けて、一番上位クラスに入れる塾に決めるという方法もあります。

入塾テストは何度かチャンスがあるので、最初から「11 月は予行演習」と考えて、12月や1月の入塾テストに照準を合わせて準備を進めるという手もあります。特に初めて入塾テストを受ける子は、1回目は会場の雰囲気にのまれて実力を発揮できないことがあります。本番前に別の塾で雰囲気をつかんでおくのもいいですね。

また、2回目以降の入塾テストでも成績が振るわなかった場合には、別の塾を検討してみるのも手です。別の塾で上位クラスに入れるようなら、そちらの塾に決めるほうが「お得」だといえます。

算数ではどんな問題が出題されるのか

入塾テストは「算数」と「国語」の2教科で、それぞれ40分程度の時間で行われます。算数で問われる力は大きく分けて次の3つです。

①正確でスピーディーな計算力 ⇒計算問題
②短い文を理解し、和差積商(+-×÷)を判断する力 ⇒一行問題
③長い文を筋道立てて理解し、試行錯誤することができる力 ⇒応用問題

入塾テストでは、単純そうに見える計算問題でもあちこちに「ひっかけ問題」が仕込まれていて、知らずに解くとつい間違えてしまうようにつくられています。問題数もB4 サイズの問題用紙7枚程度と非常に多く(SAPIX の場合)、解き方を知らない問題にぶつかった場合、ひとつの問題に時間をとられて最後まで解けないことも多いです。

入塾テストにどんな問題が出るか、どんな解き方をしたらいいかを知っていることは大きなアドバンテージになります。

では、「四大塾」と言われるSAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー(関西では浜、希、馬淵、日能研)の出題傾向を見ていきましょう。

①計算問題、②一行問題、③応用問題がそれぞれ出題される配分は塾によって多少違い、SAPIX は①40%、②30%、③30%となり、それ以外の塾は①50%、②40%、③10%となります。

SAPIX や関西の浜、希といった塾では、応用問題の配分がかなり大きいのが特徴です。日能研などのその他の塾では、①と②で90%を占め、基礎学力を重視する傾向があります。

小学校のテストと入塾テストの違い

小学校のテストと入塾テストの違い[算数]

国語ではどんな問題が出題されるのか

国語で問われる問題は大きく分けて次の3つです。

①小学3年生までの漢字(20点)
②語句の知識問題(20点)
③文章読解(110点)

一般的には、①漢字20点、②語句の知識20点、③文章読解110点という配点です(150点満点)。ただし、文章読解の中でも漢字知識が問われるため、全体の比率としては漢字知識40%、読解問題60%というところでしょう。

では、具体的に四大塾の出題傾向を見てみましょう。漢字知識では小学3年生までに習う漢字ができていればOKです。ただし、3年生の範囲の漢字であれば、上の学年で習う読み方なども出題されます。

また、同音異義語などがよく聞かれます。文章読解では、長めの物語(2500字程度)が1題(SAPIX)、または物語と説明文が1題ずつ計2題(四谷大塚)、という構成が多いです。関西の塾では物語の出題が多く、説明文はあっても抜き出し問題のみという場合が多いようです。

小学校のテストと入塾テストの違い[国語]

小学校のテストと入塾テストの違い[国語]

6年生の2月に行われる受験本番でいい結果を出せるよう、しっかり入塾テスト対策をしておき、スタートダッシュをかけましょう!

 

 
PROFILE
西村則康

30年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。日本初の「塾ソムリエ」としても活躍中。暗記や作業だけの無味乾燥な受験学習では効果が上がらないという信念から、「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。また、受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーション術もアドバイス。これまで開成中、麻布中、武蔵中、桜蔭中、女子学院中、雙葉中、灘中、洛南高附属中、東大寺学園中などの最難関校に2500人以上を合格させてきた実績を持つ。テレビや教育雑誌、新聞でも積極的に情報発信を行っており、保護者の悩みに誠実に回答する姿勢から熱い支持を集めている。また、中学受験情報サイト『かしこい塾の使い方』は16万人のお母さんが参考にしている。

中学受験 入塾テストで上位クラスに入るスタートダッシュ[算数]

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