「頭がいい」は要注意! どんな相手にも通用するほめ方6つのツボ

ほめ方のツボ

ほめ上手な人がほめると、相手は心から喜んで時に顔を赤らめながら満更でもなさそうな表情をする。一方、ほめるのが下手な人がたまにほめると要領を得ず、おかしなことを言い出す。人間はほめられるのを好む。上手に人をほめるだけで、人生に大きな違いがもたらされる。ほめ上手の自然なテクニック、ぜひお試しを!

頭がいい人の「ツボをおさえたほめ方」

ほめる内容にもいくつもの種類がある。人によって、どれをほめればよいのか違いはあ るが、それぞれに効き目があるといって間違いない。自分の得意技、相手の求めるジャン ルを知っておいて意識的にテクニックを用いるのがいいだろう。ここではほめるべき6つのツボを紹介する。

ほめ方のツボ①功績

多くの人に効き目があるのは、その人の功績に対してほめることだ。「あなたのした行 為は素晴らしい」「あなたの仕事ぶりは、ほかの人にはまねできない」という方向でほめる。

誰もが自分の仕事に誇りを抱いている。たとえ外での仕事を持っていない専業主婦でも退職した高齢者でも、家事や庭掃除などの仕事をほめられるだけでも悪い気はしない。自分のした仕事こそが、その人そのものの価値だと思っている人が多いからだ。

功績に重きを置いている人は、他者をほめるときにはその仕事ぶりをほめ、けなすときには、仕事ができないことを引き合いに出す。このタイプの人に対しては、このようなおだてがきく。したがって、その人に何らかの功績がある場合、この点をおだての対象にするのが最も好ましい。

ほめ方のツボ②能力

能力をほめるのも一つの方法だ。たとえば、その人の知的能力や芸術、スポーツ、調理、手先の器用さなどの能力をほめる。

もっとも広く説得力を持つのは、知的能力をほめることだ。「頭いいなあ~」「すごい能力だねえ」「いったい、どうしてそんなに頭の回転が速いの」などとおだてる。

ただし、人によっては「頭がいい」という言葉を、「ずるがしこい」「利にさとい」という意味にとる人がいる。それについては注意しておく必要がある。

そのほか、料理の腕をほめたり、歌のうまさ、楽器演奏のうまさをほめたり、料理や運転などの技術をほめたりすることができる。

なお、人柄をほめることについては、常に効き目があるとは限らない。「あなたは、なんていい人だ」というほめ言葉は、しばしば「おまえはお人よしだ」「世知辛い世の中についていけないような人間だ」という意味を含むことがある。

あるいは、「悪いやつだと思っていたけれど、実はいいやつだったんだ」というようなニュアンスをもつ。不用意に使わないほうがよい。

ほめ方のツボ③容姿

容姿をほめるのも一つの方法だが、これは危険性が伴うので、注意が必要だ。とりわけ、美人に対してほめるとき、どうしても下心が見え透いてしまう。場合によってはセクハラじみる。

しかも、たとえ絶世の美人であっても、知的な仕事に誇りを持っている人の場合、容姿をほめられると仕事面を評価されていないように感じて怒り出すことがある。「女性を外見だけで評価しないでほしい」と強く考えている女性は少なくない。それを見極めておく必要がある。

男性の場合も、「いい男」だと男性にほめられるのは、少し同性愛的な雰囲気があって、言うほうも言われたほうもバツが悪くなる。

それを除けば、もちろん容姿をほめられるのは悪い気はしないものだ。「相変わらずきれいだね」「あなたみたいに美人だといいでしょうね」などという言葉は、言われた人間をうれしい気持ちにさせる。上手に使う必要がある。

ほめ方のツボ④持ち物

持ち物をほめる人が多い。「そのジャケット素敵ね」「いい車だね」「それ、ロレックス?」などだ。もちろん、これは使いやすくてそれなりの効果のあるほめ方だ。

話題がなくて困っているときなど、天気とともに持ち物を話題にするのは、その場を和ませ、話題を作り出すよい方法だ。

ただしあまりに安易に使いすぎるべきではない。こだわりを持って高級品を持っているときには、自分のセンスをほめられたようでとてもうれしくなるが、とりわけ男性の中には持ち物に無頓着な人も少なくない。

たまたま最初に目について選んだだけのものや、値段が安いから買っただけのものをほめられても戸惑うだけだ。お世辞であることが見え見えになってしまったり、皮肉に思われてしまったりする。

ただし、そう思われたにしても、相手はだからといって悪い気がするわけではないので、その場の雰囲気を和らげるのには役立つ。しかし、あまり多用すると、白々しくなることは理解しておく必要がある。

ほめ方のツボ⑤センス

「センスがいい」というのも、大事なほめる要素だ。センスのよさを最も自慢に思い、センスが悪いと言われることを何よりも恐れている人々がいる。その人たちのこのほめ言葉はかなり効き目がある。

もちろん、センスというのは、ファッションセンスのみを意味するわけではない。もっと広く、「才能」などと同じような意味で使われる。「デザインのセンスがある」「仕事のセンスがある」などという言い方をすることができる。まだ明確な功績として表れていないが、これから発揮されそうな潜在能力をさすこともある。

とくに証拠が必要ではないので、さまざまな場合に使えるほめ言葉だ。ほめられるほうはあいまいなほめられ方でも決して悪い気はしない。

ほめ方のツボ⑥生き方

使われることは多くないが、生き方をほめるのもうまい方法だ。「一匹狼でかっこいいですね」「ひょうひょうとしていて、いいですね」「凛(りん)とした生き方、常々見習いたいと思っています」「元気いっぱいの生き方、素敵ですね」などと言う。

これといって具体的な成果を出しているわけではなく、生き方そのものに共感できるときに用いる。もっと簡単に「上品さがにじみ出ていますね」などと言うのでもいい。人間の全体的な品格を表すので、決して言われたほうは悪い気はしない。

 

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PROFILE
樋口裕一

1951年大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士課程満期退学。フランス文学、アフリカ文学の翻訳家として活動するかたわら、受験小論文指導の第一人者として活躍。現在、多摩大学名誉教授、東進ハイスクール客員講師(小論文)。通信添削による作文・小論文の専門塾「白藍塾」塾長。MJ日本語教育学院学院長。250万部の大ベストセラーとなった『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP研究所)のほか、『バカに見える日本語』『この一冊で芸術通になる大人の教養力』(以上、小社刊)、『頭の整理がヘタな人、うまい人』(大和書房)、『「頭がいい」の正体は読解力』(幻冬舎)など著書多数。