初対面にもかかわらず「なんだかわからないけれど、この人できる!」。仕事でそう感じたことはありませんか? 実は、言葉の使い方が仕事のできるビジネスマンを演出しているのかもしれません。商談の挨拶、電話、メールなど、言葉は自分を印象付けるアイテム。ここで紹介する言い方をぜひ使ってみてください。
言い換えられるかチェック!
以下の言葉をビジネス仕様に言い換えられますか?
(それぞれの単語をクリックすると解説が表示されます)
もらいました
- 正解
- 拝受いたしました
- 解説
- 「メール、拝受いたしました」は、メール時代になってからの定番表現。「拝受」は受け取ることの謙譲語であり、むろん紙の資料など、メール以外のものを受け取るときにも使える。
連絡してください
- 正解
- ご一報賜りたく存じます
- 解説
- 「賜る」「存ずる」はともに謙譲語で、相手への敬意を表す。これらの語を使うと、「連絡してください」や「ご連絡ください」よりも、格段に丁重になる。「ご一報賜れば幸いです」という言い方もある。
トラブル
- 正解
- ご難
- 解説
- 普通、ネガティブなことには「ご」や「お」をつけないことが多いが、相手にふりかかった災難には「ご」をつける。「ここのところ、ご難続きでございましたね」など。
足代
- 正解
- 交通費、車代
- 解説
- 「足代」は交通費を意味し、「足代がかかる」などと使う。ただし、品のいい言葉ではないので、自分の足代は「交通費」、人に交通費を渡すときは「お車代」と言い換えるとよい。
口出し
- 正解
- 口添え
- 解説
- 「口添え」は脇から言葉を添えること。色々口出ししてくる相手に「余計な口出しは無用」と言いたいときでも、「お口添えの必要はありませんので」くらいに止めるのが大人。
妥協
- 正解
- 落としどころ
- 解説
- 妥協というと、「不本意ながら」というネガティブなニュアンスが生じる。「落としどころ」に言い換えると、ネガティブさが消えるうえ、大人の知恵で協調するという意味になる。「歩み寄り」「譲り合い」と言い換えても同様の効果がある。
計画
- 正解
- 腹づもり
- 解説
- 「腹づもり」は、心中でおおよそのところを見積もること。仕事関係では、「計画」や「予定」の意味で使われている。「当方の腹づもりとしては〜」「どういう腹づもりなんですか」など。「心づもり」ともいう。
野暮用
- 正解
- はずせない用
- 解説
- 飲み会や会合への誘いを断るときには、親しい間柄なら「その日は野暮用があってね」と断ってもいい。一方、さほど親しくない相手や目上に対しては、「その日は、はずせない用がありまして」を使うといい。
責任の一部
- 正解
- 責任の一端
- 解説
- 「責任の一端」は、謝罪用の言葉。「責任の一部を感じています」といえば無責任に聞こえるが、「責任の一端は私にもあると感じています」といえば、むしろ責任感があるように聞こえる。なお、このフレーズで認めているのは、あくまで「責任の一端」であり、全面的な責任を認めるわけではないという意を含ませることもできる。
うっかり
- 正解
- 心得違いで
- 解説
- 謝るとき、「うっかり」は禁句。〝うっかり〟を使うと、たちまち無責任な言い訳に聞こえ、相手をさらに怒らせることにもなりかねない。本当にうっかりミスであっても、「心得違いで」「不手際で」「私の至らなさ」などと言い換えながら、責任回避に聞こえないように謝るのが、大人の頭の下げ方。
プライベート
- 正解
- 私事
- 解説
- 「プライベートの話なんですが」は「私事で恐縮ですが」と言い換えると、大人度が高くなる。プライベートに関する話を始めるときの大人の常套句。
〜のようです
- 正解
- 〜とのことです
- 解説
- 仕事で報告・連絡するとき、「〜のようです」と伝えると、伝聞情報にも、報告者の推量のようにも聞こえてしまう。相手の言葉、つまりは伝言であることを正確に伝えるためには、「〜とのことです」を使うとよい。「先方としては、少々、時間をいただきたいとのことです」など。
よくわからない状況
- 正解
- 流動的な状況
- 解説
- 「よくわからない状況」というと、自分の能力が低いため、よくわからないという意味にも聞こえるが、「流動的な状況」というと、先行きが見通しにくい状況という意味になる。「なにぶんにも、情勢が流動的でして」など。
先延ばしにする
- 正解
- 寝かせておく
- 解説
- 「先延ばしにする」というと、結論を出す決断力や実行力がないようにも聞こえる。そんなときは「寝かせておく」を使うといい。「その企画、しばらく寝かせておきましょう」など。また、「温めておく」という言い方もある。これも、すぐには手をつけないという意味。
抜かりがないように
- 正解
遺漏 のなきよう
- 解説
- 「遺漏」は、注意が足りなくて漏れること。「遺漏のなきよう」は、それがないようにということで、抜かりがないように、という意味になる。「遺漏のなきよう、お願いいたします」など。
進行状況
- 正解
進捗 状況
- 解説
- 「進行」も「進捗」も同じ意味ではあるが、「進捗」といったほうがビジネスによりふさわしい響きになる。「業務の進捗状況について報告を求める」など。
反対
- 正解
- 見解の分かれるところ
- 解説
- 相手の意見に異を唱えるときは、「そのあたりが見解の分かれるところですね」と切り出せばいい。ストレートに「反対」というよりも、冷静に考えているように聞こえるもの。
チップ
- 正解
- 心づけ
- 解説
- チップというと、日本人にとっては欧米の習慣に従い、義務的に払うもののように思えるもの。一方、「心づけ」は相手の心づかいに感謝の気持ちとともに渡すものというイメージになる。
手紙
- 正解
- 封書
- 解説
- 封筒入りの郵便物は、プライベートでは「手紙」、ビジネスでは「封書」と表現する。「封書にて、ご応募ください」など。