50代から元気になる人、しょぼくれてしまう人はどこが違うのか?

50代になると、多くの人は元気がなくなってしまいます。人生を、20歳から60歳の基準で考えて、もう残りわずかという気持ちになるからです。現代は、その先にも人生は続いています。実際は、人生の上がりにはまったくなっていません。「本当の勝負は50代から」という中谷彰宏さんに人生を好転させるヒントを教えてもらいました。

ヒント1 年下から、憧れられる50代になろう

50代からは、

①尊敬される人

②尊敬されない人

の2通りに分かれます。

どんなにお金持ちになっても、尊敬されるとは限りません。

どんなに仕事ができても、尊敬されない人がいます。

そうなると、その人の幸福感はいつまでも満たされません。

ちょっと前までは、近所にカッコいいオジサンがいました。

飲み屋にいたり、仕事場でも決して上の役職でなく、どんな職業かはわからないオ ジサンが着物をビシッと着ていました。

自分も、その年齢になった時に、カッコいい、年下から憧れられる人を目指せばいいのです。

自分自身が、年上の憧れる人を持っていることです。

自分の年下にライバル心を燃やす女性は、年齢コンプレックスを持っています。

「早くあんなふうになりたい」と、年上の憧れの目標を持っていれば、歳をとることは怖くありません。

憧れられる50代、60代になるという目標値を持つことです。

若く見らることを目標にしたり、若者たちと競争したりする必要はありません。

競争する相手は、自分よりもっと年上の人です。

そのためには、カッコいい50代以上のお手本を持つことが大切なのです。

ヒント2 自分の宝物に気づこう

私自身、50歳を過ぎてからの仕事のやり方は、どんどん原点に戻っています。

たとえば、私は今、美術の仕事をしています。

私の実家の本家は骨董屋です。

私は、本家のおじさんに「おまえ、骨董屋をやらないか」と誘われた時、断りました。

それなのに、実際はどんどん美術に近づいています。

私の家は、染物屋でした。

染物屋の仕事場が私の遊び場でした。

今、私はどんどん職人に近づいています。

実家は、夜はスナックで客商売をしていました。

その関係で、私は30代からホテルの仕事をしています。

今、中谷塾の生徒をホテルやレストランに連れていき、マナーを教えているのは、昔、自分が親から教わったことを、次に伝えているのです。

神社やお寺に行くのも同じです。

両親が信心深く、子どもの時から神仏の話を聞かされていました。

母方の先祖は神社の仕事をしていた人でした。

今、神社に行って神道を説明しているのも、どんどん原点回帰しています。

50歳までは、原点から離れることをずっとしていました。

50歳から折り返して、いつの間にか原点の仕事を始めていくと、仕事感がありません。

自分の中にすでにあった鉱脈をもう一度、「こんな宝物があった」と気づけるかどうかです。

50代は、「今までほったらかしにしていた宝物の蔵を開けた」という気持ちが湧いてくれば、ごく自然にいろいろなことができるのです。

ヒント3 20代のつもりでフットワークをきかそう

「50代は、第2の20代」という意識を持つことです。

最初のファースト20代と2回目のセカンド20代は、どちらも20代であることは共通です。

ファースト20代を思い出してみると、ひたすら走りまわっていました。

ただ必死に仕事を覚え、上司にもお客様にも怒鳴られ、失敗を繰り返していました。

それほどしんどさを感じないのは、初めての20代だからです。

2回目の20代である50代は、そこそこの役職についた後、もう1回叱られるとしんどいのです。

「これだけの経験があるのに、なんで20代みたいなことをしなくちゃいけないんだ」 と考える人は、うまくいきません。

「また20代ができるんだ」と考えることです。

口では「若くなりたい」と言いながら、20 代のフットワークがなければ、ただよぼよぼの経験のない20代にすぎません。

それならファースト20代の勝ちです。

会社は給料の安い20代を採ります。

もう1回、経験を持ってフットワークを生かす20代のような仕事をするのが50代の生き方です。

50代をただの50代と思わないことです。

50代がしょぼくれている感じなのは、ラスト10年の感覚を持つからです。

50代でリセットして、2回目の20代としてやり直せばいいのです。

ビートたけしさんとお会いした時に、「何歳に戻りたいか」という話を伺ったのを印象的に覚えています。

戻る時の条件は、

① 今の意識を持ったまま戻る

② 今の意識が消えて戻る

という2通りがあります。

50代は、今の記憶と意識を持って20代に戻ります。

そのほうが理想の50代になれます。

20代は、経験が少なくて知らないからできないことが多いのです。

今の意識を持って20代を生きると、いろいろなことができます。

それなのに、余命10年のような感覚で生きるのはもったいないです。

50代から成功するかどうかの分かれ目がフットワークなのです。

ヒント4 「異動はオーディションだ」と考えよう

異動を左遷と感じる人は、「終わった」と感じるのです。

会社は常に次のリーダーを求めています。

リーダーになれるかのテストが、異動です。

「この人を異動させた時にどうなるか」と、様子を見ているのです。

リストラを潔く前向きに受けとめた人間は、呼び戻されます。

それなのに、異動で「もう終わった」と捨てゼリフを吐く人がいます。

異動を結果だと思っているのです。

異動は、結果ではありません。

「この異動をあなたはどう受けとめますか?」というテストです。

オーディションです。

異動を前向きに受けとめた人間を本社に呼び戻すという形でテストしているのです。

この構造がわかってしまえば、異動を楽しめます。

異動はプロセスで、怖いものではありません。

出来事すべてをプロセスに解釈する人と、ゴールに解釈する人とに分かれます。

人生にゴールはありません。

たとえ80歳、90歳になってもゴールはありません。

異動になった時は、「出た、テストだよ。ここで感じよくするためにはどうしたら いいかな」と考えればいいのです。

ヒント5 入り方より、出方に全エネルギーを注ごう

異動は、急に告げられます。

内示が出るのが長くても2週間前なのです。

たった2週間で片づけて、次のところへ動かなければなりません。

その時、今の職場の出方と、次の職場への入り方という2つの作業を並行してすることになります。

転職の相談で一番多いのが、「出方と入り方で気をつけることを教えてください」です。

私は、「入り方はどうでもいいから、100%出方をしっかりしよう」とアドバイスします。

ほとんどの人が「エッ、100%、入り方が大切だと思っていました」と言います。

「次の会社や次の部署に行ったらどうしよう」ということしか考えていないからです。

たとえば、出版社の編集者は転職が多いです。

Aさんが前の会社から次の会社に移りました。

私には、「今度○○の会社に移りましたので、またぜひ一緒にお仕事をお願いします」 と連絡が来ました。

これで、Aさんはチャンスを失います。

信用を落としているのです。

これでは、前の会社の担当が誰になったのかわかりません。

成功する人は、「今度転職することになりまして、後任はこの人なので、よろしくお願いします」と、出方をきちんとします。

そうすれば、次の会社に移った後も一緒に仕事ができます。

自分中心に考える人は、「新しい会社に入ったので、ぜひ仕事をお願いします」と連絡をします。

それだけでは、私と前の出版社との関係性は切れてしまいます。

次のところでどう成功するかだけを考えていると、前の会社で大混乱が起こります。

今までおつきあいのあった協力機関の人、お客様、お得意様が全部ここで切れてしまうからです。

五分五分でなく、残り2週間は全力で引き継ぎに100%力を入れることが大切なのです。

 

PROFILE
中谷彰宏
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、(株)中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのベストセラー、ロングセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
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  • 作者:中谷 彰宏
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