むしろ逆効果!? 子どものやる気を削いでいる親の“残念なほめ方”

悩む子ども

いま、世の中は「ほめて育てる」が主流です。ほめることは子育てにおいて大きな力になることは間違いありませんが、効果的な場合とむしろ逆効果になってしまう場合があること、ご存じですか? より子どもの力になるほめ方を中学受験指導の第一人者である小川大介先生に教えてもらいましょう。

「取り組み方」に着目する

子どもを気持ちよく勉強させるために、親御さんはぜひお子さんをたくさんほめてあげてください。

「あら、100点! すごいじゃない!」
「リレーで1位がとれてよかったね。お母さん、あなたを誇りに思うわ」

子どもがいい成績をとったりすると、親はうれしいものです。そこで、ついこのような言葉をかけてしまいますが、これはほめ方としてはちょっと惜しいところがあります。
自己管理ができていて、いつもぶっちぎりでトップを走っているような子であれば、こうしたほめ方でいいかもしれません。でも、どんな子にも調子がいいときもあれば、悪いときもある。いつも望ましい結果が出るわけではありません。

だから、「100点」や「1位」などのいい結果に対してほめるばかりでは、そうでなかったときにマイナスの効果が起きてしまうのです。
敏感な子だと「お母さんはがっかりしてる」「こんな点数では、お母さんから嫌われてしまうかも……」と、親の顔色ばかりうかがうようになることもあります。
ほめているつもりなのに、かえってストレスを与えてしまっている。これは惜しいですよね。

わが子を伸ばす“ほめポイント”は、結果ではなくプロセスです。たとえば、同じいい成績をとったとしても、点数や偏差値の高さをほめるのではなく、その結果を出すまでのがんばりに目を向けてあげてください。

「あれ? 今回は計算ミスが一つもない。毎朝ドリルをがんばった成果が出たね!」
「今までならあきらめていた問題も、よく最後まで粘って解いたね。たいしたもんだわ」
「今回は絶対にがんばるって決めて、しっかり計画を立てて進めてたよね。疲れている日も音を上げずにがんばって、お母さんは本当にすごいと思ったよ」 

 こんなふうに、わが子の努力の足跡や、その結果を生み出す前に取り組んでいたことに目を向け、そこをほめてあげるのです。
これを日々続けると、お子さんは自分からどんどんかしこくなっていきます。努力したことは結果につながることを学ぶからです。

ほめられたことに対して、
「そうか、あれががんばるということなんだな」
「間違えた問題をもう一度解くことは、別に大事なことだと思っていなかったけれど、そんなにほめてもらえることだったんだな」
「頭の中で考えるのがしんどくなったから、ノートに書き出してみただけなのに、それをほめてもらえたんなら、これからもやってみようかな」と気づく。

結果につながる行動やがんばりをほめられることで、それをもう一度やってみようとする。すると必然的にいい結果が出る――。このくり返しで、子どものやる気がアップし、さらに成績も上がっていくという好循環になるのです。

上手にほめることは一朝一夕にはできない

ただし、ここで一つ気をつけてほしいのは、思うような結果が出なかったときに、結果はもちろんのこと、プロセスを否定しないことです。

「先週のあのやる気のなさでは、この結果は当然だわ」などと、いい結果がとれなかったことを当然だと親が決めつけてしまうのはよくありません。
親御さんがそういう言葉を投げると、「ふん、どうせボクなんて……」と投げやりになってしまいます。

そういうときには、結果は結果として受け止めたうえで、プロセスを親子で一緒に考えるようにしてください。
「今回50点しかとれなかったのは残念だけど、何で50点だったんだろうね? 悪かったということには何かしらの理由があると思うから、ちょっと一緒に考えてみようか」と、どうしてこうなってしまったのか、本当はどうすれば上手くいったのかを一緒に考えるのです。

そうすると、「上手くいかなかったのはやり方の問題で、あなたの能力の問題ではないんだよ」という言外のメッセージが子どもに伝わります。そして、「じゃあ、次はがんばろうね」と笑顔でつなげてあげると、子どもは前を向くようになります。

中学受験の勉強がはじまると、テストや偏差値などで常に数字を突きつけられます。どんなにおおらかな人でも、穏やかな気分ではいられなくなるのも事実です。だからこそ、親は意識的に「プロセス」に目を向けるように心がけましょう。

ただ、このように言葉で説明するのは簡単ですが、実行するのは「とっても!」難しいです。私も妻も、それなりにできるようになるのに3年はかかっています。

できれば受験がはじまる前から練習していくのがいいですね。勉強に限らず、遊び、お手伝い、習いごとなど、お子さんのがんばりに目を向けます。そして「すごいな」「がんばっているな」と感じたら、言葉にしてほめてあげましょう。それが子どもにとっては何よりの励みになります。

 

seishun.jp

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PROFILE
小川大介

教育専門家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、中学受験専門のプロ個別指導塾SS-1を設立。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。同時期に中学受験情報局「かしこい塾の使い方」の創設にも参画し、情報発信を開始。受験学習はもとより、幼児期からの子どもの能力の伸ばし方や親子関係の築き方に関するアドバイスに定評があり、各メディアで活躍中。そのノウハウは自らの子育てにも活かされ、一人息子は中学受験で灘、開成、筑駒すべてに合格。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など著書多数。

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