あずきバーはアイスクリームではなかった!?
夏になるといろいろなアイスバーが出回るが、あずきバーはなぜあれほどまでにかたいのでしょうか?
その科学的な理由は、あずきバーが空気をほとんど含んでいないことによります。アイスクリームは通常、冷蔵庫で固めたものをミキサーなどで撹拌してから、再び冷凍庫で冷やして固めます。こうして空気を含ませることで、口どけのよいアイスクリームが出来上がるのです。
ところが、あずきバーは空気をほとんど含んでいません。つまり、あずきバーはアイスクリームというよりも、ゆであずきを冷凍させたものといえ、普通のアイスバーとは別物といってもいいかたい食べ物に仕上がるわけなのです。
トウモロコシの粒の数が必ず偶数になるカラクリ
トウモロコシは、高さ2~3メートルにまで背を伸ばすイネ科の植物。収穫期の夏、とれたての焼きトウモロコシにかぶりつくのは格別のおいしさですが、粒をつぶしてコトコト煮込んだポタージュスープも甘くて美味。収穫期以外にも、缶詰や冷凍品として販売され、サラダに炒め物にと、1年を通して活躍してくれる野菜です。
さて、そのトウモロコシにはあまり知られていない不思議な特徴があります。それは、トウモロコシの粒の数がかならず偶数になっていることです。
どこが偶数になるのかというと、トウモロコシを輪切りにしたとき、ぐるりと一周にならんだ粒の数。もし、手元にトウモロコシがあれば、トウモロコシの一周の粒の数を一つひとつ数えてみてほしい。偶数になっているはずです。
むろん、トウモロコシの大きさ(太さ)によっては、一周は18粒だったり、20粒だったり異なるのですが、その数は偶数なのです。じつはそうなる理由にはトウモロコシの成長過程に秘密があります。
トウモロコシは、茎にできるメス穂が成長したもの。まだ成長していない段階で穂を拡大すると、小穂と呼ばれる赤ちゃんトウモロコシがあります。
その時点では、品種によって小穂のトウモロコシの粒は、奇数であったり偶数であったりバラバラなのですが、小穂の粒は成長する過程で2つに分裂します。だから最初の粒が奇数であっても、最終的には必ず偶数になるのです。
サバンナでダチョウのタマゴはなぜいたまない?
ダチョウのメスは、交尾後、2日に1個程度のペースで、1ダースほどのタマゴを産みますが、その生息地域は、日中の気温が40度を超えるような場所。普通ならタマゴがいたんでしまうほどの高温地域です。
そこでダチョウのメスはタマゴを温めるのではなく、体で日陰を作って、むしろタマゴを熱気から守り、温度を下げようとします。こうやって、タマゴが暑さでいたんでしまうのを防いでいるのです。
旅客機には「エアコン」がない
旅客機は、エアコンとは違う方法で温度調整をしています。じつはジェットエンジンの仕組みを利用しているのです。
ジェットエンジンは燃料を燃やすために空気を必要とし、外部から吸い込んだ空気を圧縮して燃料と混ぜています。その圧縮空気の一部を機内に送り込むことで温度調整をしているのです。
ただし、気体は圧縮すると温度が急上昇するので、圧縮空気の温度は850度にも上がっているため、そのままでは機内へ送り込めません。そこで、今度は膨張させて、温度を0度近くまで下げたうえで、それにエンジンから取り出した高温の空気を混ぜて送り込むことで、機内温度を25度前後に保っているのです。
台風の進路予測ができるワケ
台風は熱帯の海で発生すると、時速15キロメートルから50キロメートルの速さで、いったんは北西に進みます。しかし、そこから先の進路は夏と秋で変わります。
夏から秋にかけては、北緯30度付近で時計回りにカーブを描き、その後、偏西風に流されて、進路を北東に変えて進みます。この時期、台風がたびたび日本にやってくるのは、日本列島がこの針路上に位置しているからです。
ところが、10月頃になると、台風は日本列島の東側を通過することが多くなります。夏と秋で台風のコースにズレが生じるのは、太平洋高気圧の影響です。台風は太平洋高気圧の縁を回るようにカーブするので、太平洋高気圧の位置によって進むコースの予測がつくのです。
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