ネイティブを激しく困惑させる日本人の“直訳”英会話④

困っている男性

外国人を前にすると、つい頭に浮かんだ日本語を”直訳”してしまう人は多いものです。でも、相手には妙なニュアンスで伝わり、困らせているとしたら…? 使い勝手が抜群にいいフレーズを3つ、“日米ネイティブ”のセイン先生が教えてくれます。

気を使ったつもりが残念すぎるニュアンスに

日本人がうっかり“残念な直訳”をしてしまいがちな表現を3つご紹介します。どのように英訳すればネイティブにも自然に伝わるか、実例を挙げながら紹介していくので、参考にしてみてください!

 

[Lesson1]

【こう伝えたい!】

 

天にも昇る気持ちです

 

   

 【残念な直訳】

 

 

I feel like going to heaven.

 

 

 (ネイティブには「私は死にそうです」と聞こえる)

  

 【ネイティブならこう言う】

 

 

I feel like I've died and gone to heaven.

 

 

 (死んで天国に行ったような気持ちだ) 

幸福感で満たされ、まるで天国にでもいるような気持ちの時に使う言葉。英語にも同様の決まり文句があり、それが I feel like I've died and gone to heaven. です。「feel like S+V」で「SがVするように感じる」なので、「死んで天国に行ったようだ」→「天国に行ったように幸せだ」「極楽だ」となります。
しかし feel like の後に ing形が続くと、「…しそうだ」という意味になるため、I feel like going to heaven. だと「私は天国へ行きそうだ」→「私は死にそうだ」となり、まったく違う意味になってしまうので要注意です。

 

[Lesson2]

【こう伝えたい!】

 

今となっては笑い話ですが。

 

  

 【残念な直訳】

 

 

Now it's a joke.

 

 

 (ネイティブには「今じゃ、それは物笑いのタネだ」と聞こえる)

 

 【ネイティブならこう言う】

 

 

Now we can laugh about it.

 

 

 (今ならそれを笑うことができる)

かつては大変な状況だったのが、時が経ち、今となっては笑って話せるまでになったことをいう表現です。過去の思い出話をする際によく使うフレーズで、偶然にも、英語に似たような言い回しがあります。Now we can laugh about it. で、「今では私たちもそれを笑うことができる」→「今となっては笑い話ですが」となります。
Now it's a joke. だと、a joke には「話にならないもの、物笑いの種」という意味もあるため、「今じゃ、それは物笑いのタネ だ」なんて意味に取られる可能性があります。

 

[Lesson3]

【こう伝えたい!】

 

足を向けて眠れません。

 

 

 【残念な直訳】

 

 

I can't sleep with my feet toward him.

 

 

 (ネイティブには「足を彼に向けて眠れない」と聞こえる)

 

 【ネイティブならこう言う】

 

 

I'll never forget what he did for me.

 

 

 (彼が私にしてくれたことを決して忘れない)

「足を向けて眠れません」とは、恩人などに対する感謝の気持ちを表す慣用表現。「足の裏を人に見せることは失礼に当たる」ことからきた言い回しですが、日本語独特の表現のため、そのまま英訳しても意味不明です。「彼がしてくれたこと(what he did for me)」を「決して忘れない(I'II never forget)」と意訳するといいでしょう。I owe him a lot.(彼にとても恩恵を受けて いる)などと言い換えることも可能です。
「残念な直訳」は、ただ英語に言い換えただけですので、このままでは恩人への感謝の気持ちが伝わりません。

 

PROFILE
デイビッド・セイン

米国生まれ。証券会社勤務後に来日。日本での35年を越える英語指導の実績をいかし、AtoZ GUILDと共同で英語学習書、教材、Webコンテンツの制作を手掛ける。累計400万部を超える著書を刊行、多くがベストセラーとなっている。AtoZ English(www.atozenglish.jp)主宰。