「切符」と「きっぷ」は別モノ!? 恥をかかない言葉の使いわけ10選

いつもなんとなく使っているけど、いざ違いを聞かれると「?」となってしまう言葉たち。それぞれの意味を調べると、「へぇ~」「なるほど!」と驚くことがたくさんあります。正しく覚えて、ぜひ実際の会話で使ってみてください!

違いがわかりますか?

以下の言葉について、あなたは正しく使い分けできるでしょうか?
(それぞれの単語をクリックすると、解説が表示されます)

「昨年」と「去年」
解説

意味はまったく同じで、どちらも「今年の前の年」をあらわすが、

ていねいに話したり、書くときは「昨年」。

ざっくばらんに話したり、書くときは「去年」。

という使い分けが必要。つまり、ビジネスや目上の人とのやり取りなら「昨年」を、親しい人との日常会話やメールなら「去年」が適切だ。

特に気をつけたいのが年賀状や礼状の文面。

「昨年(または旧年中)は大変お世話になりました」はOKでも、「去年はお世話になりました」はNG。「去」は「去る」の意味。縁起がよくないと嫌う人もいるため、結婚式などおめでたい席のスピーチで使うのもタブーだ。

逆に、親しい人との会話なら「昨年の旅行、楽しかったね」は堅苦しく、「去年の旅行、楽しかったね」だと印象がやわらかくなる。TPOに合った使い分けを。

「ピクニック」と「ハイキング」
解説

ピクニックに絶対欠かせないものといえば「お弁当」。

「ピクニック(picnic)」の意味は、野や山で食事をしたり遊んだりすること」なので、サンドイッチでもおにぎりでも、ラクにつまめる軽食がないと始まらない。

一方の「ハイキング(hiking)」は、「hike=歩く」の言葉通り、自然を楽しみながら歩くこと。本格的な登山とは違い、軽装で行ける範囲の小旅行といった感じだ。

野外で気軽に楽しめる点は同じでも、ピクニックは食べる、ハイキングは歩く、という目的の違いがあるわけだ

もちろん、ピクニックをすれば移動で歩くこともあるし、ハイキングをすればおなかがすいて食事もするが、いちばんの目的に応じて使い分ければいい。

「天気」と「天候」
解説

「今日の天気」はニュースで刻々と配信されるし、「今日、天気いいね!」のような言葉を交わすことはよくある。「天気」は「今日」と常にリンクしているが、「今日の天候」や「今日、天候いいね」とは言わないものだ。

このことからわかる通り、「天気」と「天候」で異なるのは、どの期間の情報かということ。どちらも、晴や雨などの空模様や大気の変化をあらわす用語だが、

「天気」は数時間から数日程度の空の様子→短期間。

「天候」は数日から数カ月程度の空の様子→天気より少し長い期間。

という違いがある。そこで、「天候不順で野菜の生育が遅れた」のように、ここ数カ月の大気の影響を伝えるときは「天候」がよく使われる。さらに、天候よりもっと長いスケールで大気の状態をあらわす用語が「気候」だ。

「裸足」と「素足」
解説

「裸足で砂浜を走った」

「素足のままサンダルを履いた」

この二つの用例が違いを知るヒントだ。辞書を見ると「裸足」と「素足」を同義とする記述も多いが、異なる解釈もある。使い分けは、実は簡単。

「裸足」とは、文字通り〝裸〟の足。靴も靴下も履かずに行動するときはこちら。

「素足」とは、裸の足に靴を履く。「靴下なし+外履き」というスタイルならこちら。

どちらも靴下をつけない点は同じだが、足裏が直接地面に触れていたら「裸足」、足裏が靴の中なら「素足」。足裏がどこに接しているかが決め手だ。

冒頭の用例に戻ると「砂浜を走る」ときは、やはり素足より裸足、「サンダルを履く」ときは裸足より素足の方が臨場感を出しやすい。

「すいません」と「すみません」
解説

謝ったり、お礼をしたり、依頼したりと、いろいろな場面で応用の利く「すみません」と「すいません」。この一字の違いなど、普段はほとんど考えないだろう。

では、正しい言い方は?「すみません」が〇。

漢字で書くと「済みません」。ルーツは「済む」で、これを打ち消す「済まぬ」が丁寧な表現になって「済みませぬ」→「すみません」に。さらに口語に変化したのが「すいません」。しゃべりやすい発音に変わったわけで、こちらは会話で使うのはよくても、文書には適さない。つまり、

正確には「すみません」、口語なら「すいません」もOK、ということになる。

ただし、どちらもビジネスメールや目上の人に使うのはタブー。オールマイティなこの言葉は、裏を返せばあいまい表現。心から謝罪するような場面では「申し訳ありませんでした(ございませんでした)」と、気持ちを丁寧に伝えることが大事。

「終日」と「全日」
解説

職場で「終日不在」といえば、「今日はずっと会社の外」の意味。

この「終日」という言葉、もともと「日の終わるまで=日が昇ってから沈むまで(夜間を除く一日中ずっと)」という意味だったが、今は「活動時間や営業時間はずっと」の意味で使われている。「何時から何時」という定義はないので、個々の仕事や活動状況で「一日中」の時間帯が微妙に変わるのだ。

「全日」も似た言葉だが、「一日中」の他に「毎日・すべての日」の意味でよく使われる。たとえば、「年末年始は全日セールを開催」なら「年末年始の期間中は毎日セールです」という意味になる。

「終日」は一日中ずっと。

「全日」は一日中+毎日ずっと。

と覚えれば簡単。

「パンケーキ」と「ホットケーキ」
解説

「パンケーキ」専門店に行くと、甘いスイーツ系から食事系までメニューも生地の厚さや食感もさまざま。他国では小麦粉の生地をフライパンで焼いたものは、すべてパンケーキと呼び、実はホットケーキもパンケーキの一種だ。

そもそも、この国に初登場したときの名が「ハットケーキ(熱いケーキ)」。転じて「ホットケーキ」という日本独自の名が生まれ、蜂蜜やバターで楽しむスイーツとして定着したため、別物に見られがちなのだ。

市販の材料で比較すると、「ホットケーキミックス」は甘みがあるスイーツ系で生地はふんわり、「パンケーキミックス」は甘さを抑えた食事系、といった傾向がみられ、ベーキングパウダーの量や甘みの差で違いを出している。厳密な定義はないのでメーカーや店によって異なるが、「すべてパンケーキ」が結論だ。

「カフェ」と「喫茶店」
解説

何となくのイメージで区別されがちだが、この2タイプの店は、開店時に取得する「営業許可」の種類が違う。法的な線引きがあるわけで、「カフェ」なら「飲食店営業」、「喫茶店」なら「喫茶店営業」の許可を取る必要があるのだ。違いは、

飲食店営業の「カフェ」は、食事やアルコールが提供できる。

喫茶店営業の「喫茶店」は、アルコール以外の飲み物、茶菓の提供ができる。

分かれ目はお酒があるかないか。「でも、アルコールが飲める喫茶店や、アルコールなしのカフェもあるような……?」。実はそれ、珍しいケースではない。

なぜなら、上記の業務内容さえ守れば、店名は自由につけることができ、喫茶店営業の店が「カフェ〇〇〇」と名乗ったり、飲食店営業の店が「喫茶×××」と名乗っていいからだ。そんなややこしい事情から、店名だけ見ても「カフェ(飲食店)」か「喫茶店」かの判別はしづらい。客としては、味と居心地さえよければどちらでもいいのだが。

「焼き鳥」と「やきとり」
解説

日本人の大好物の一つ、「焼き鳥」。その歴史は長く、古代からスズメなどの小鳥を焼いて食べる習慣があり、江戸時代にはキジの肉もよく使われたという。

今、「焼き鳥」で使う肉は鶏肉が主だが、牛や豚など鳥以外の動物の肉も使われるし、調理法も実に多彩。そのため、表記も「焼き鳥」の他、平仮名の「やきとり」もある。違いを簡単に言うと、

「焼き鳥」は鳥肉にタレや塩をつけてあぶり焼いたもの。

「やきとり」は鳥、牛、豚などの肉や臓物を串焼きにしたもの。

これはあくまで大まかな分類で、地域や店でも異なるため、明確な線引きはしづらい。「やきとり」の世界は発想も自由で、豚肉のカシラ肉(こめかみや頬)にみそだれをつけたもの、豚肉と玉ねぎをあわせて洋がらしをつけたものなどもある。鶏が高級品で使えなかった頃、豚で代用したのが豚でも〝やきとり〟と呼ぶ起源とか。

「切符」と「きっぷ」
解説

私たちは普段、乗車券を「きっぷ」と呼び、あたりまえに「切符」と書いている。ところが、JRでは、「切符」と「きっぷ」を〝別物〟として扱い、よく利用する乗車券は「きっぷ」に分類される。「えっ!」と思ったら、「みどりの窓口」へ。確かに案内板の表記は「きっぷうりば」だ。種明かしをすると、

「きっぷ」は正式には「乗車券類」と呼ばれ、普通乗車券や急行券の他、定期券、回数券、グリーン券、寝台券なども含まれる。

「切符」は乗車券類以外のチケットのこと。大きな荷物を持ち込んだり、ペット同伴のときに必要な「手回り品切符」や「一時預かり品切符」などを指す。

そのため、「きっぷ」の売り場は本来なら「乗車券類売り場」が適切だが、この表記だとわかりづらいため、やさしく読める「きっぷうりば」になったというわけだ。もちろん、一般の文書ならどちらの表記でも問題ないが、駅で買うチケットには「きっぷ」と「切符」の二通りあることは、身近な生活の知識として覚えておきたい。

 

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