あなたを守ってくれる神様はどこにいるのか?
祖神様(そしんさま)は、「あなたの家筋の神様」。つまり、あなたの家のルーツをたどっていくとつながる神様です。
ご皇室が天照大御神(あまてらすおおみかみ)様の子孫とされるのと同じように、あらゆる家筋の方も神々の子孫であるとされます。もし自分の家のルーツ、それにつながる神様がわかる人は、その神様を祀る神社にお参りするとよいでしょう。
ですが、自分の家がどの神様と深い縁を持っているかをわかる人は少ないはずです。それにこだわるよりも、むしろ春秋のお彼岸などにお墓参りをして先祖に手を合わせることをしてください。
「えっ? 神様の話をしているのに、突然仏様の話ですか?」
と言われそうですが、日本人は、もともと神様も仏様もともに大事にしてきました。 神道では、人は亡くなったあとに「遠津御祖神(とおつみおやがみ)」になり、「その家の守り神様」になるとされています。
あの世の先祖は、まだまだ子孫を守るというよりも、子孫からの供養が必要な方が多いと思いますが、だからこそ心を込めてお参りして差し上げるのです。
損得で考えてはいけませんが、先祖で「その家の守り神」になれる力を持った方が多ければ多いほど、あなたやご家族への守りは強くなります。
「自分が今あることも、ご先祖様のおかげ」
そう思ってお参りをしてください。とても心がさわやかになるはずです。
願いを神々につないでくれる「担当者」を知っていますか?
あなたが住んでいる土地を守る神様を産土(うぶすな)の神様と言います。
私は、師より、次のように教わりました。
「産土の神様は、そこに住んでいる人を守ってくれるだけでなく、その人たちの願いの窓口になってくださる神様だ」
日本には、「八百万(やおよろず)の神様」というように、数多くの神様がいらっしゃいます。そしてそれぞれ担当される専門分野があります。ここがおひとりの神様がすべての権限を持つ一神教と違う点です。
では質問です。
あなたの今の願いを叶えてくれる神様は、八百万の神様のどなたでしょうか?
案外わかりにくいですよね。だから産土の神様を通じて、あなたの願いを神様の世界につないでいただくのです。
問題は、あなたが産土の神様とつながっているかどうかです。
生まれてから一度も引っ越しをしたことがない人は、産土神社が変わりませんのであまり問題ないかもしれませんが、現代は一カ所に住み続ける人のほうが少ないでしょう。
ほとんどの人は、引っ越し先の神社とは無縁なのです。
だから引っ越しと同時に、神様とのご縁が薄れてしまっている可能性があります。
本当は、役所への転入転出届と同じように、産土の神様に対しての転入転出のご挨拶をするとよいのですが、ほとんどの人はしていないと思います。
私も師と出会うまで、全然それに気がつきませんでした。だから引っ越しした先の産土神社を知らないまま通り過ごしてしまったこともあります。
そこに住んでいる時は、なじみのない土地だから居心地が悪いのかなと思っていましたが、いつまでたってもよそ者感が拭い去れないし、その土地に対する愛着も持てない。それでも「一時の仮住まいだから仕方がない」と思っていました。
その土地の神様に挨拶をしていないと、その神様のエリアには入っていない。まさに当時の私は、その土地ではよそ者だったのです。
もしお参りがまだでしたら、今からでも産土神社を神社庁で調べて、お参りしてきてください。
きっとその土地に住んでいる居心地の悪さは、解消するはずです。
転勤の多い方などは面倒に感じるかもしれませんが、新しい土地にいち早くなじむためにも効果大です。それは自分だけでなく、家族のためにも。
今住んでいる土地の神様である産土神社へのお参りは、ふるさとから離れている人にも大きな安心感をいただけるはずです。親にすぐ近くで見守ってもらえなくても、産土の神様があなたを見守ってくださるからです。
それをせずに、ひとりで頑張りすぎていませんか?
あなたは、もっと神様に守られていい。そしてもっと人生を充実させることができるのです。
「ふるさとの神様」はいつだってあなたの味方です
普段は自分の実家や田舎のことを忘れて過ごしていても、たまに帰ると、「ああ、やっぱり『ふるさと』って、いいなぁ」と思うのではないでしょうか。
私は何代も続く生粋の江戸っ子なので、ふるさとのありがたさをあまり知りませんが、皆さんの郷土愛に触れるたびに、うらやましくなります。
ふるさとに帰った時には、地元の神社にお参りしてみてください。そこはご家族の産土神社だったり、初宮参(はつみやまい)りの神社だったりするかもしれません。ならばなおのことです。
懐かしさがこみ上げてきて、「あー、神様に守られているな」と感じるはずです。
ふるさとの神様は、あなたの味方です。都会で傷だらけになった心も温かく包んでくれるはず。ふるさとのお祭りの時などに、帰ってみてください。
なぜかうまくいく人は、「初宮参りの神社」を大切にする
あなたは、赤ちゃんの時に初宮参りをしてもらっていますか。
もし初宮参りをしていたら、ぜひ機会を見てその神社にお参りして来てください。
初宮参りの神様は、あなたが最初にご縁を持った神様です。
ですから、まずその神様にご挨拶に行って、「今、何歳になりました。ありがとうございました」とお礼を言ってこられるとよいと思います。
あなたにとっても、最初にご縁を持った大事な神様。初宮参りをした神様は、あなたの成長をずっと見守ってくれています。
きっと、ずいぶんご無沙汰していますよね。ですから、きちんとご挨拶とお礼をして来てください。
ところであなたは、その初宮参りの神様を、覚えていますか?
「えっ? 覚えているも何も、最初から知らないよ」
と言われるかもしれません。
昔から日本では、「赤ちゃんは神の懐(ふところ)にいる」とも言われます。赤子の心は、神(かん)ながら。たとえあなたに記憶がなくても、あなたの魂は知っています。
だからその神様のところにお参りすると、あなたの魂が動き出す可能性があります。
赤ちゃんの時に持っていた、神様にそのままつながれる力が動き出すのです。
日本古来の運勢強化による30年の開運実績で、のべ5000人以上の魂を清め、思考と運勢を軌道修正してきた著者。開運コンサル、祈祷、神事サポートを行っている神道研究家でもある。

- 作者:藤原 美津子
- 発売日: 2020/09/10
- メディア: 文庫