人気沸騰中の戦国武将光秀が築いた「福知山城」(京都府)
<ゆかりの武将>
明智光秀
戦国~安土桃山時代に活躍した武将。本能寺の変を起こしたことで有名だが、その出生などは諸説あり、いまだに明らかになっていない。
明智光秀が丹波統治の拠点として築いた城で、現在の天守は江戸時代の絵図資料をもとに復元したもの。天守内部は展示室になっていて、城や福知山市にゆかりのある品々を観覧できる。福知山市街を一望できる天守からの眺めも抜群。
2018(平成30)年には、将棋のタイトル戦「竜王戦」の舞台となった。天守入り口前の「 豊磐の井」も一見の価値あり。深さはなんと50mもあるというから驚きだ。この井戸は、城外への抜け穴になっているとの言い伝えも残っている。
DATA
【住所】京都府福知山市内記5
【 アクセス】JR福知山駅から徒歩15分
【 時間・料金】 9 ~17時/無休/ 330円(天守)
【御城印配布場所】
福知山城天守
福知山城内/ 9 ~ 17時/無休/ 1枚300円
天下人・家康が晩年を過ごした『駿府城』(静岡県)
<ゆかりの武将>
徳川家康
1542~1616( 天文11~ 元和2)年三河(現在の愛知県東部)の小大名の子として誕生。今川家の人質として、駿府で少年時代を過ごした。後に駿河を領有し、駿府城を築城した。江戸幕府の将軍職を引退してからは、亡くなるまで駿府で政治を行った。
築城前は、駿河の戦国大名・今川家の本拠地があったと推定される。その後、駿河は武田家の支配下に置かれるが、武田家滅亡後は徳川家康の領土となり、 天守を持つ近世の城である駿府城が築かれた。家康が豊臣秀吉の命令で江戸に移ると、豊臣家臣の中村一氏が城主となる。
天下人となった家康は、将軍職を息子の秀忠に譲り、駿府を居城とし、史上最大級といわれる天守が築かれた(江戸時代初期に焼失)。江戸時代を通して幕府の城だった。明治になると、城内の建物や石垣の一部は壊された。現在、城跡は、公園や学校などに整備され、巽櫓(たつみやぐら)などの建造物が復元されている。
DATA
【住所】静岡県静岡市葵区駿府城公園1-1
【アクセス】JR静岡駅から徒歩15分
【時間・料金】9時~ 16時30分/月休(祝日の場合は翌日)/ 200円(御東門・巽櫓)、100円(坤櫓)
【御城印配布場所】
駿府城公園(東御門・巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園)の各施設入場券販売窓口。駿府城内/9 ~ 16時/月休(祝日の場合は翌日)/ 1枚300円(突板は500円)
下剋上を成し遂げた者が本拠地とした「岐阜城」(岐阜県)
ゆかりの武将
斎藤道三
美濃の戦国大名で「マムシ」の異名をとる。低い身分から実力でのし上がり、美濃の国主だった土岐家を追放した。本拠地の稲葉山城(岐阜城)を大改築し、城下町を整備する。最期は息子の義龍と対立し、敗死した。
もとは稲葉山城といい、始まりは鎌倉時代にまで遡る。この城が守る美濃は「美濃を制する者は天下を制する」と言われるほど重要な土地だった。戦国時代には、美濃で「下剋上」をなし遂げた斎藤道三の居城となった。彼は稲葉山城を大規模改修し、難攻不落の城を造り上げた。
道三の死後、織田信長が調略を活用して城を落とす。信長は本拠地をここに移し、名前を「岐阜城」と改める。信長が安土城に本拠地を移すと、嫡男の信忠が城主になり、関ヶ原の戦い後に廃城となる。現在の天守は1956(昭和31)年に再建されたもの。金華山一帯は「岐阜城跡」として国史跡に指定されている。
DATA
【住所】岐阜県岐阜市金華山天守閣18
【アクセス】 JR・名古屋鉄道岐阜駅からバス15分、岐阜公園・歴史博物館前下車、徒歩3分、ロープウェー4分、山頂駅から徒歩8分
【 時間・料金】9時30分~17時30分/無休/ 200円(天守)
【御城印配布場所】
ぎふ金華山ロープウェー山麓駅売店
岐阜県岐阜市千畳敷下257/JR岐阜駅からバス15分、岐阜公園・歴史博物館前下車、徒歩4分/ 9 ~ 18時(10 ~ 3月は17時まで)/無休/ 1枚300円
400年の時を超えて、バーチャル世界で再建した「名護屋城」(佐賀県)
ゆかりの武将
豊臣秀吉
天下統一をなし遂げ戦国を終わらせた人物。朝鮮半島・中国大陸への進出を目指した文 禄・慶長の役を起こし、その出兵拠点とするために築かせたのがこの城だ。戦火は朝鮮半島全土におよび、戦いは前後7年にわたった。
1591(天正19)年に築かれた平山城。城の面積は17万㎡にもおよび、当時としては大坂城に次ぐ規模を誇ったという。城に隣接して県立名護屋城博物館があり、日本と朝鮮半島との交流史に関する展示を行っている。
この博物館ではVRによって往時の姿を見られる「バーチャル名護屋城」のサービスが行われており、スマートフォン、タブレット端末用アプリが配信されている。これを使って城内を歩けば、位置情報に合わせてCGで再現された構造物が画面に表示される。いろいろな場所に端末をかざし、400年以上前の城の姿と現在の姿を重ね合わせてみよう。
DATA
【住所】佐賀県唐津市鎮西町名護屋1931-3
【 アクセス】JR西唐津駅からバス40分、名護屋城博物館入口下車、徒歩5分
【時間・料金】見学自由/ 100円(任意の歴史遺産維持協力金)
【御城印配布場所】
名護屋城博物館
佐賀県唐津市鎮西町名護屋1931-3 / 9 ~ 17時/月休(祝日の場合は翌日)/ 1枚300円
“歴史ジャンルの著者、編書多数。
“お城に詳しくなくても楽しめるオモシロ知識”をモットーに日々研究するお城のスペシャリスト集団。