子どもが突然の不登校! 親にできること、絶対してはいけないこと

突然、学校に行かなくなってしまった我が子。こんな時、親は心配のあまりあれこれ理由を問いただしたり、無理に学校へ行かせようとしてしまうかもしれません。10年以上、不登校支援をしてきた菜花俊さんによると、それではますます子どもは心を閉ざしてしまうそうです。親がやりがちな間違った対応、子どもの心に寄りそう方法について教えてもらいました。 

子どもが親に悩みごとを話さない3つの理由

子どもが学校へ行けなくなったとき、親は友人関係の悩み、勉強がわからないなどの不安、いじめ、体罰などなど、自分の目の届かないところで、子どもが出合うさまざまな問題を想像して不安になることと思います。

「学校でいったい何があったのか?」

「なぜ、学校に行かないのか? 理由はなんなのか?」

親がいちばん気になることですが、

「子どもに聞いても理由を言いません。行きたくないの一点張りで……」

ということがよくあります。

また、話してくれたとしても、ずいぶん前からトラブルに悩んでいたことが初めてわかって驚くことも。

「こんなにこじれる前に話してくれたらよかったのに……」

と親は子どものSOSのサインに気づけなかったことを後悔しつつも、悩みを話してくれない子どもを恨めしく思うこともあるでしょう。

お子さんが何も話してくれない理由は、この3つしかありません。

① 心配かけたくない(親が動揺したり、余計悩んでしまったりする)

② 批判される(聴いてもらえない、説教される)

③ 自分でもよくわからない(つらくて苦しいけど言葉でうまく表現できない)

お気づきですか? 話さない、のではなく、「心配をかけたくないから」「批判されてしまうから」「自分でもよくわからないから」話せないのです。

学校へ行けない理由を聞き出すより大切なこと

「なぜ学校に行けないの?」

子どもが学校に行かなくなったとき、多くの親御さんがまず抱く疑問です。

学校は楽しいところ、という認識しかない方なら子どもの行動は理解できないでしょう。

「学校に行けば友達だっているし、いろんなことが学べるのに!」

「以前は部活も勉強もがんばってたじゃない!」

そんなふうに思うかもしれません。

学校に行けない理由は単純です。

・つらいから

・苦しいから

・怖いから

つらいこと、苦しいこと、怖いことが何なのかは、子どもによってさまざまです。友達関係で悩みがある、いじめられている、先生が怖い、部活の練習がつらい、クラスの雰囲気が合わず居場所がない……など。

子どもが「学校へ行きたくない」と言うと、親は原因を知ることが不登校解決のいちばん大事なこと、と考えることが多いものです。そのため、「なぜ行けないのか」、「原因は何なのか」を子どもから聞き出そうとしてしまいます。

でも、実は、その前にするべき、もっと大事なことがあります。

それは、

「つらいこと、苦しいこと、怖いことがあったのに、がんばって学校に行っていたんだね! よくがんばったね!」

そう言ってこれまでのお子さんのがんばりを認めてあげることです。

学校に行けなくなるというのは、どれくらいつらくて苦しくて怖いかというと、「耐えられないほど」です。

それでもおそらくお子さんは、がんばって、がんばって、がんばって、学校へ行っていました。行こうとしてきました。

そして力尽きたのです。

「もう、心も身体も動かない……」というのが、いまの状況です。

それでもまだ「学校へ行って欲しい」と言えるでしょうか?

お子さんだって本当は学校へ行きたいのです。

将来のために学校が大切なことはお子さんだって十分すぎるくらいわかっています。お母さん、お父さんに笑顔でいてほしいから、自分ではどうにもならなくなるまでがんばったのです。そして動けなくなってしまった……。それが「学校へ行けない」という現象となって表れたのです。

そんなお子さんに必要なものは何でしょうか?

もうおわかりですね。

いま、お子さんに必要なのは、安心できる場所で“心の休息と充電”をすることです。 学校へ行けない理由を子どもが話してくれてもくれなくても、

「そうか、学校に行けなくなるくらい大変なことがあったんだね。よくがんばっていままで学校に行っていたね。えらかった!」

そういって、子どものこれまでの努力とがんばりを、いちばん身近な存在であるあなたが認めてあげてください。

そして、家の中を“安心して元気になれる場所”にしてあげること。

まずは、ここからはじめてください。

「放っておけない症候群」の親たち

実は、不登校のお子さんをもつご両親に多いのが、「放っておけない症候群」です。

「子どもが私を避けるようになってしまって話もできないんです……」

「つい余計なことを言って子どもを怒らせてしまうんです……」

そんなふうに感じているあなたも、もしかすると「放っておけない症候群」かもしれません。

不登校に関するご相談に対して、私が差し上げるアドバイスの第1位は、

「そんなときは放っておきましょう!」です。

こう言うと、誤解する人がいるのですが、

「放っておく=何もしない=無関心」ではありません。

放っておくというのは、次のことを指します。

① 子どもの言動に一喜一憂するのはやめて、

② 親自身がいつも笑顔でいられるように心身を健全に保ち、

③ 子どもを批判するのではなく、

④ 全力で応援し(応援とは、成功しても失敗しても努力をたたえること)、

⑤ 子どもに幸せの手本を示すこと(あるいは、成長の手本を示すこと)

この5つを忘れずに日々努力し続けることです。

大変なことですが、これが親子で笑顔になるための近道であり、王道です。

この5つを読んで、特にはじめの①、②について疑問に思う方が多いようです。「なぜ、助けが必要な子どもを放っておいて、親の心身の状態について言うのだろう?」と。 確かに、お子さんには助けが必要です。しかし、それはお子さん自身が助けを求めているときの話。

お子さんには、助けが欲しいときもあれば、そっとしておいて欲しいときもあるのです。お子さんがそっとしておいて欲しいとき、あなたが「助け」を押しつけても、お子さんとの信頼関係が失われるだけです。

また、お子さんが助けを求めても、あなた自身が不安でいっぱいでお子さんの悩みを落ち着いて聴ける心の状態でなければ、逆にもっとお子さんを不安にさせてしまうことにもなります。

さらには、あなたに心配をかけた責任を感じ、お子さんが自分を責めてしまうことにもなります。お子さんはあなたを愛していますから、大切な人を悲しませてしまう自分に非があると思ってしまうのです。

同じ理由で、お子さんがあなたの助けが必要なときでも、あなたに元気がないと、愛するあなたに遠慮して助けを求めるのをためらうことになります。

ですから、

“余計なことはせず、我慢して見守ること”

“助けが必要になったら、すぐ手を差し伸べられるよう心身を健全に保つこと”

これが大切なのです。

「放っておく」というのは、そういうことです。

心の扉を開く、きっかけのつくり方

「放っておくこと」と無関心は違いますから、子どもが話さないからといってこちらも話しかけてはいけないというわけでは、もちろんありません。

むしろ、「応援しているよ」、「何かあったらいつでも相談に乗るよ」という親の気持ちを伝えることは積極的にしたほうがいいでしょう。

コツは、子どもの負担にならないように関わりながら、話しやすいきっかけはこちらでつくってあげること。

おすすめの方法をご紹介しましょう。

◎「今日も天気がいいね!」などの他愛のない話題で話しかける

「おはよう」「おやすみ」などのあいさつと一緒に、季節や楽しいニュースなど、ちょっとした話題をつけ加えてみてください。言葉によるスキンシップになります。

◎「最近◯◯はどう?」などお子さんが興味のある話題で話しかける

好きな漫画やアイドル、ゲームの話でもかまいません。

子どもがあなたと話したいと思うようになるには、あなたの心に聴く余裕があること、それを伝えることが大切なので、話題はなんでもいいのです。

◎「つらそうに見えるけど何かあったの?」などお子さんの「心」を気遣う

子どもの変化に気づいて声をかけることで、「ちゃんと見てくれているんだな」という信頼感が子どもに芽生えます。

◎「お母さんもむかし~でね」など、自分の失敗談を話題にする

親自身の経験を話すことで、「お父さん、お母さんも同じような失敗を経験してきて、それでも大人になって幸せになれるんだな」と、子どもは安心することができます。

ちょっとしたことですが、子どもと話さない期間が長く続いた人には、難しく感じるかもしれません。そんなときは、あいさつなど、できることからはじめてください。

 

PROFILE
菜花 俊

心理カウンセラー/不登校解決コンサルタント。特定非営利活動法人 親心支援協会理事長。 大学卒業後、建設会社の経営に携わるも倒産、1億円の借金を背負い自己破産。失意で1年間記憶喪失になるも、自身の不登校に母親が毎日泣いていた記憶を思い出し「不登校で悩んでいる親子を支えたい!」と一念発起。不登校で悩む全国の親子を精力的に支援している。 これまでに18000組以上の親子を支援し、多くが不登校から脱出している。即効性のあるノウハウと継続的なサポートが高く評価され入会希望者が後を絶たない。初の著書『不登校から脱け出すたった1つの方法』がロングセラーとなり、読者からの感謝、感動の声が続々と届いている。

 

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