会話の中にさりげなく慣用句や成句を入れられますか? 同じ意味でもより品のいい言葉が選べると、あえて会話に入れたいやらしい感じがなくなります。ぜひ、さらりと使いこなしてください。
言い換えられるかチェック!
以下の言葉をより品のいい言葉に言い換えられますか?
(それぞれの単語をクリックすると解説が表示されます)
豚に真珠
- 正解
- 猫に小判
- 解説
- ともに、価値がわからない者には、貴重なものも意味がないことのたとえ。いずれのことわざも、相手を動物にたとえるわけで、人に対して使うと失礼になる。それでも、豚にたとえるよりは、猫のほうが可愛い分、まだマシ。
猿も木から落ちる
- 正解
- 弘法にも筆の誤り
- 解説
- ともに、物の上手も、ときには失敗することのたとえ。人に対して使うときは、猿ではなく、弘法大師(空海)にたとえたい。なお、「弘法も筆の誤り」ともいうが正しくは「弘法にも」。
目糞鼻糞を笑う
- 正解
- 五十歩百歩
- 解説
- 「目糞鼻糞」というのは、いかにも下品である。同様の意味の「五十歩百歩」に言い換えたい。とりわけ「目糞鼻糞」は字面が汚いので、会話以上に文章では使わないようにしたい。
左うちわ
- 正解
- 悠々自適
- 解説
- 「左うちわ」は、安楽に暮らすという意味だが、多少の皮肉がまじる言葉。人に対して使うときは、「左うちわの生活らしいですよ」というよりも、「悠々自適の暮らしらしいですよ」と言い換えたほうがいい。
皮算用
- 正解
- 目算
- 解説
- 「皮算用」は、ことわざの「捕らぬ狸の皮算用」に由来し、まだ実現していないのに、計算を立てること。愚かしい行為という意を含むので、相手に対して使うのは失礼。自分の推量は「皮算用なのですが」などとへりくだり、相手の推量には「目算」を使うといい。「目算がおありなようで」など。
よく知っている
- 正解
造詣 が深い
- 解説
- 「造詣が深い」は、学問や芸術に精通していること。「博識」や「幅広い知識を持つ」も、「知っている」の言い換えとして使える言葉。
負けていない
- 正解
- 遜色ない
- 解説
- 「負けていない」を大人っぽく言い換えると、「遜色ない」。「遜色」は「劣っている」ことで、それが「ない」のだから、負けていないという意味になる。
準備する
- 正解
- 布石を打つ
- 解説
- 「布石を打つ」といえば、単に「準備しておく」というよりも、格調高く表現できる。「布石」は、囲碁の序盤戦で、要所に打つ石のこと。
心配しすぎかもしれませんが
- 正解
- 杞憂とは思いますが
- 解説
- 「杞憂」は、古代中国で、杞の国の人が天が落ちてこないかと心配したという話から生まれた言葉で、取り越し苦労を意味する。この言葉を使うと、「心配しすぎかもしれませんが」というよりも、知的に聞こえる。
重要な意見
- 正解
刮目 すべき意見
- 解説
- 重要であることを強調したいとき、「刮目すべき」を使うと、より強力に表現できる。「刮目」は、目をこすって注目するという意味。
面子に関わる
- 正解
沽券 に関わる
- 解説
- 「面子に関わる」というよりも、「沽券に関わる」といったほうが、大人度は高い。「沽券」は、もとは土地・家屋の売り渡し証文を意味した言葉。
ひどく
- 正解
- 完膚なきまでに
- 解説
- 「完膚なきまでに」というと、ひどい状況をより強調できる。「完膚」は傷のない肌のことで、そこから「完膚なき」は「無傷のところがないほどに、ひどく」という意味になった。
たくさんある
- 正解
- 枚挙にいとまがない
- 解説
- 「枚挙」は一枚一枚数え上げることで、「枚挙にいとまがない」は、たくさんありすぎて、数えきれないさま。「たくさんある」「ひじょうに多い」さまを強調できる言葉。なお、この「いとま」は本来は「遑」と書くので、「暇」ではなく、ひらがなで書いたほうがいい。
うまくいく
- 正解
- 功を奏する
- 解説
- 「うまくいく」を大人語で表現すると「功を奏する」。「奏功する」という同じ意味の言葉もある。
悪賢い
- 正解
老獪 な
- 解説
- 「老獪な」は、数多くの経験を積み、知恵があること。いい意味でも、悪い意味でも使い、「悪賢い」「得体が知れない」「えげつない」などのニュアンスを渾然一体化して表せる言葉。
確率が高い
- 正解
蓋然 性が高い
- 解説
- 「蓋然」は、ある程度、確実であること。「蓋然性」は「確率」と同じような意味で使われ、「蓋然性が高い」といったほうが、言葉に重みを加えることができる。
見かけ倒し
- 正解
- 羊頭狗肉
- 解説
- 「見かけ倒し」を四字熟語で表すと、「羊頭狗肉」となる。看板に羊の頭を掲げながら、実際には狗(犬)の肉を売っていたという話から、見かけと実質が違うという意味。
いうまでもない
- 正解
- 論をまたない
- 解説
- 「いうまでもない」を格調高く表現すると、「論をまたない」で、「〜であることは論をまたないところです」などと使う。なお、この「またない」は本来は「俟たない」と書くので、「待たない」ではなく、「またない」と書いたほうがいい。
嫌な予感がする
- 正解
- 寒心に堪えない
- 解説
- 「寒心に堪えない」は、将来を心配するときの常套表現。「嫌な予感がする」を言い換えると、こうなる。「わが社の将来を考えると、寒心に堪えない」など。