CAは知っている!「超一流」の人ほどまわりに謙虚になる理由

CAは知っている!「超一流」の人に共通する資質とは?

「誰もが認めるような地位や実績を手にしているのに、超一流の方に限って謙虚で、感動を覚えることすらある」と話すのは、元日本航空のキャビンアテンダント(CA)の清水裕美子氏。超一流の人ほど、「自分はすごい」とアピールするような態度を取らないと言います。VIPと日常的に接するCAならではの視点で、彼らが謙虚な理由について解き明かしてもらいました。

初対面では年下にも命令口調、友達口調を使わない

CAのあいだでは、お客様に「君は私がどんなにすごい人か知らないだろう」というような態度をとられたという話もよくあるのですが、超一流の方はまずこのような態度をとりません。

自分を大きく見せようとするどころか、「同じ人間ですよね」というスタンスで歩み寄ってきてくださいます。そのため、まずは言葉づかいがとても丁寧です。

どんなに年輩の方であっても、初対面では敬語、丁寧語で話されます。命令口調や友達口調で話しかけるようなことはありません。

もちろん、会話をするなかで打ち解けて言葉づかいがフランクになっていくことはありますが、それでもなれなれしすぎず、相手を尊重した話し方をされます。同行している部下や関係者にもえらそうな言葉づかいはされていません。

仕事で結果を出すのは「聞き上手」な上司のいるチーム

また、聞き上手な方が多いのも特徴です。

会話のなかで自分のことを話すよりも、「フライトでは何が大変ですか?」「○○でおすすめのお店はありますか?」など、CAの話を聞こうとしてくださる方が多いです。ニコニコ相槌あいづちを打ちながら聞いてくださるので、こちらもつい、いろいろとお話ししたくなってしまうほどです。

それはCAに対してだけでなく、同行されている秘書や関係者に対しても同様です。上層部の方であっても、独断で決めるのではなく、例えばワイン1本開けるときでも、ポジションに関係なく、皆の意見を取り入れようとする姿勢が感じられます。

何かトラブルが起こってしまった際も、「普通はこうでしょ」と自分の考えや主張を押しつけることはなく、「そういう考えもあるんですね!」「こういうケースもあるんですね!」と多様な意見を受け入れる姿勢を崩さず、物事を俯瞰してとらえていらっしゃるような印象を受けます。

理想的な職場をあらわす言葉として、「風通しのいい職場」という言葉が使われますが、このような上司がいる職場は、きっと部下も発言しやすく風通しがいいのだろうなと思わされます。

CA時代、よく「大きなトラブルに発展するのを防ぐために、少しでも気になることがあればすぐに報告しましょう」と言われていました。しかし、頭ではわかっていてもどうしても言いづらい先輩というのも存在します。

そのようなときは「気のせいかもしれない」「自力でなんとかしよう」などと思ってしまい、報告が遅れたり、トラブルにつながってしまった苦い経験もあります。

逆に、気軽に相談しやすい雰囲気の先輩には、少しでも気になることがあれば迷うことなく報告することができます。

私が勤務していた航空会社では、基本的に一緒にフライトをするグループというものがありました。振り返ってみると、聞き上手で話しやすい雰囲気のチーフのグループのときは、トラブルも最小限にとどめることができ、お客様からのお褒めのコメントも多く、機内販売の成績もいい傾向にありました。

上司が風通しのいい雰囲気をつくることで、部下は働きやすくなりパフォーマンスが上がるというのは、どの職場でも同じなのではないでしょうか。

自分を大きく見せようとすると、逆に小さく見えてしまう

機内でお会いする超一流のお客様はあまりに謙虚なので、「もしかしたら『今は自分がお客様の立場だけど、明日には目の前にいるCAが自分の会社の製品やサービスのお客様になるかもしれないから、好印象を与えておこう』という計算が働いているのではないか?」と思ったこともありました。

しかし、ふとしたときに出る言葉づかいや相手の意見を聞き入れる姿勢、話しやすい雰 囲気などは簡単につくれるものではありません。やはり利害を考えているのではなく、本質的に礼儀正しさが身についていらっしゃるのだと思います。

CAは退職後、大手企業の役員秘書、高級ホテルのコンシェルジュ、会員制のクリニックなど、VIPと日常的に接する仕事につくケースが少なくないのですが、やはり超一流の方は謙虚で腰が低いと皆口を揃えて言います。このことからも、機内だから礼儀正しくしているというわけではないことがわかります。

男性のなかには、謙虚な姿勢だと相手に見くびられてしまうのではないかと思っている人もいるかもしれませんが、それは逆です。謙虚な姿勢をとることができるということは、それだけ自分自身に自信があるということのあらわれです。

反対に、人から称賛を浴びようと自分を誇示したり、相手に負けを認めさせようとまく したてるように話したりする姿からは、自信のなさと余裕のなさが感じられませんか。自分を大きく見せようとする態度が、逆にみじめに映ってしまっているようなケースもあるようです。

内面に確固たる自信と信念を持っているからこそ、丁寧な物腰で相手の話に耳を傾け、 謙虚で柔らかく人と接することができる。超一流の方からは、このような共通点が感じられます。

 

PROFILE
清水裕美子

CAメディア代表取締役。元日本航空客室乗 務員。国内線を経て、国際線ビジネスクラス・ファーストクラスなどを担当。退職後は、CA 流美容コンサルタントとして独立。百貨店でのセミナー、All About ビューティーガイドとしての活動を通して、数多くのWebメディア、雑誌などでCAの美容法を体系化し紹介する。その後、日本初のキャビンアテンダントが発信する総合情報サイト「CAメディア」を設立。航空会社の枠を超えた1000人以上のCAネットワークから情報を発信している。また、好きなことを仕事にし、弾力性のあるサ スティナブルな働き方、ライフスタイルをクリエイトする現役CA・元CAのコミュニティ「CA Lifestyle Creations(CAライフスタイル クリエーションズ)」を主宰している。

ファーストクラスCAの心をつかんだ マナーを超えた「気くばり」

ファーストクラスCAの心をつかんだ マナーを超えた「気くばり」

  • 作者:清水 裕美子
  • 発売日: 2020/07/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)