上田城
真田・仙谷・松平家の家紋をあしらい、季節ごとに絵柄が変わる上田城の御城印。
上田城は真田昌幸が築城。1585(天正13)年と1600(慶長5)年、2度の上田合戦で徳川の大軍を撃退した難攻不落の名城として知られる。現在は公園として整備され、春は桜、秋は紅葉の名所として、見頃の時期にはまつりも開催。園内では博物館のほか、櫓門内部も見学がき、真田家や上田城にまつわる歴史を学べる。
また、敷地内では「信州上田おもてなし武将隊」に遭遇できることも。現代に蘇った真田幸村と十勇士の面々が、城の見どころを解説したり、記念撮影にも気軽に応じてくれる。事前に出陣スケジュールを要チェック。見かけたら声をかけてみよう。
DATA
【住所】 長野県上田市二の丸
【アクセス】 JR上田駅から徒歩12分
【時間・料金】 見学自由(櫓内部・博物館は8時30分~ 17時)/水休/300円(櫓内部)、500円(櫓・博物館共通)
【御城印配布場所】
眞田神社
長野県上田市二の丸1-12/ JR上田駅から徒歩12分/ 9 ~ 16時/無休/ 1枚300円
上田市観光会館2階
長野県上田市大手2-8-4 /JR上田駅から徒歩12分/9 ~ 18時/無休/ 1枚300円
熊本城
加藤家家紋「蛇の目紋」と、細川家家紋「九曜紋」があしらわれ、イベント時に登場する限定版(左)もある熊本城の御城印。
秀吉の時代に肥後に入った加藤清正が「隈本城」をもとに約17年かけて大改修。完成した際に名前を「熊本城」と改めた。尊敬を込めて「清正公(せいしょこ)さん」と呼ばれる清正は築城の名手で、後の西南戦争では西郷隆盛が「官軍ではなく清正公(せいしょうこう)に負けた」と語ったという。訪れたらその見事な高石垣、通称「武者返し」は見ておきたい。また本丸の西北にある宇土櫓は、築城当時の姿を唯一とどめており貴重だ。
別名「銀杏城」とも呼ばれ、秋には大きな銀杏が黄金色に輝く。「銀杏の木が天守と同じ高さになった時何か異変が起こる」と清正が予言したとされ、ちょうど西南戦争にあたる、という言い伝えも。
DATA
【住所】 熊本県熊本市中央区本丸1-1
【アクセス】 JR熊本駅より市電17分、熊本城・市役所前下車、徒歩12分
【時間・料金】9~ 17時/無休/ 500円
【御城印配布場所】
二の丸お休み処
熊本城内/ 9 ~ 17時/無休/ 1枚300円
熊本城本丸お休み処
熊本城内/ 9時~ 16時30分/無休/ 1枚300円
江戸城
御城印の文字は太田道灌の子孫の筆による。
この江戸城は全高60mの日本最大級の天守だったが「明暦の大火」により焼失。当時の江戸幕府により天守台は再建されたものの、4代家綱に仕えた保科正之が実用性の無い天守に費用を割くよりも、城下の復興を優先させようと再建を中止。
西の丸や山里丸などは、現在、皇居として使用され、本丸、二の丸、三の丸の一部が皇居東御苑として一般公開されている。
散策は大手門から入って3つの城門(大手三の門、中の門、御書 院門)を抜けて本丸へ向かい、富士見櫓、富士見多聞、天守台を見てから汐見坂経由で平川門へと抜けると、主要な見どころを押さえられる。
DATA
【住所】 東京都千代田区千代田
【 アクセス】 JR東京駅から徒歩10分。または東京メトロ大手町駅から徒歩5分
【時間・料金】 9時~ 16時30分(4月15日~ 8月末は~ 17時。11月1日~ 2月末は~16時/月・金休(皇居東御苑)/無料
【御城印配布場所】「江戸城天守を再建する会」主催のイベント開催場所(イベントにより異なる。詳しくはHPを要確認)/ 1枚500円
佐倉城
城のシルエットと堀田家の家紋に桜吹雪が舞うのが特長的な御城印は佐倉城のもの。
北に印旛沼、西と南に鹿島川と高崎川が流れる平山城。石垣が使われておらず、水堀、空堀、土塁で守りが固められた。現在も天守台跡などの遺構が残っており、千葉県で唯一、日本百名城に選定されている。
城跡は佐倉城址公園として整備され、東端の広場にある佐倉城址公園センターでは城の古写真や模型、城内で出土した遺物などを展示。城下町には雰囲気ある竹林の中をゆく「ひよどり坂」や、中を見学できる武家屋敷など、歴史を感じるスポットも満載だ。武家屋敷では不定期で甲冑試着体験が行われているので、親子でサムライになりきってみては?
DATA
【住所】 千葉県佐倉市城内町官有無番地
【 アクセス】 京成電鉄佐倉駅から徒歩20分
【時間・料金】見学自由
【御城印配布場所】
京成佐倉駅前観光案内所
千葉県佐倉市栄町8-7 /京成電鉄佐倉駅から徒歩1分/ 8時30分~ 17時/無休/ 1枚300円
松江城
松江城の御城印はオリジナルメッセージがはいった、世界にひとつだけのもの。
現存する天守は国宝に、城跡は国の史跡に指定されている。天守内部は五層になっており、最上階の「天狗の間」は松江市内を360度見渡せる見事な望楼。屋根のシャチホコは高さ2.08mで、現存天守の中では最大の大きさだ。
城下では、堀を小舟で巡る「堀川めぐり」もおすすめ。昔の姿を残した風景を楽しみ、城の撮影スポットもある歴史区、現在の松江の姿を見る市街地区、咲き誇る梅や桜など動植物が迎える自然区に分けられ、50分ほどで1周する。近隣の着物レンタル店では忍者衣装体験ができるので、歴史ある松江の街や城を忍者になりきって観光してみるのもいいだろう。
DATA
【住所】 島根県松江市殿町1-5
【アクセス】 JR松江駅からバス10分、国宝松江城・県庁前下車、徒歩2分
【時間・料金】 8時30分~ 17時(夏期は~ 18時30分)/無休/ 680円(天守)
【御城印配布場所】
ぶらっと松江観光案内所
島根県松江市殿町428 /8時30分~ 17時/無休/1枚350円~
彦根城
赤い台紙は井伊の赤備えをイメージしているという彦根城の御城印。
現存天守12城のうちのひとつであり、さらにその中でも国宝に指定されている5天守のうちのひとつ。井伊家の拠点として築かれた平山城で、建てられた彦根山の別名「金亀山」から「金亀城」とも呼ばれる。もちろん、見どころは天守や太鼓門櫓などの城の遺構だが、敷地内には彦根城博物館や開国記念館といった施設もある。そのほか、約400本の梅が咲き誇る梅林や、いろは松と呼ばれる松並木など、歩くだけでも自然の景観を楽しめる。
城内には彦根市のキャラクター・ひこにゃんが毎日登場。スケジュールは日によって変わるので、公式HPをチェックしよう。
DATA
【住所】滋賀県彦根市金亀町1-1
【 アクセス】JR彦根駅から徒歩15分
【 時間・料金】8時30分~ 17時/無休/ 800円(天守)
【御城印配布場所】
国宝・彦根城運営管理センター
彦根城内/ 8 ~ 17時/無休/ 1枚300円
高遠城
(写真:環屋)
通年販売されているものと高遠城址公園もみじ祭りの期間限定販売のものがあり、コレクター心をくすぐるのは高遠城の御城印。
武田信玄によって、多くの空堀で城内を区切るようにした。明治時代に一部が埋め立てられたが、今も良好な状態で残っている。
高遠城は、四男・勝頼や五男の仁科盛信など、信玄の子たちが城主を歴任したことからも武田家の中で重視されたことがわかる。信玄死後、織田信長との戦いに敗れ、江戸時代には保科家、鳥居家、内藤家が城主についた。
御城印には桜と紅葉が描かれる。春には約1500本のタカトオコヒガンザクラが咲き、秋には見事な紅葉に彩られる。御城印が配布される高遠町歴史博物館や、高遠なつかし館に寄れば、高遠の歴史をもっと深く学べる。
【住所】長野県伊那市高遠町東高遠
【アクセス】 JR伊那市駅からバス25分、高遠下車、徒歩15分
【時間・料金】見学自由(※桜の開花時期は入城500円)
【御城印配布場所】
高遠町歴史博物館
長野県伊那市高遠町東高遠457 / JR伊那市駅からバス25分、高遠下車、徒歩20分/ 9 ~ 17時/月休(祝日の場合は翌日、ほか臨時休館あり)/ 1枚300円
環屋(旧中村屋住宅)
長野県伊那市高遠町西高遠町184 /伊那市駅からバス20分、鉾持桟道下車すぐ/10 ~ 17時/月休(ほか臨時休業あり)/ 1枚300円
大多喜城
神仏を一字で表す梵字を配した珍しいデザインが特長的な御城印は大多喜城のもの。
この城は、いつ頃の築城か定かではないが、江戸時代末期まで大多喜藩の拠点として重要な役割を果たした。本多忠勝以降、本多家は三代に渡り藩主を務めている。1609(慶長14)年、大多喜に漂着したスペイン人のドン・ロドリゴは、その堅城ぶりや美しさを見聞録に記している。
本丸跡には天守を模した城郭様式の建物が建設され、県立の歴史博物館となっている。房総の武器、武具や城郭に関する資料を常設展示するほか、城の歴史に限らないテーマの展示も行う。
また、二の丸跡に建つ大多喜高校には、本多忠勝が掘らせたという大井戸や、薬医門が移築保存されている。
DATA
【住所】千葉県大多喜町大多喜481
【アクセス】いすみ鉄道大多喜駅から徒歩15分
【時間・料金】 9 ~ 16時30分/200円(天守)
【御城印配布場所】
大多喜町観光本陣
千葉県大多喜町大多喜270-1 /いすみ鉄道大多喜駅から徒歩すぐ/ 9 ~ 17時/無休/ 1枚300円県立中央博物館大多喜
城分館売店大多喜城内/ 11時30分~15時(土・日曜、祝日は~ 16時)/月休/ 1枚300円
“歴史ジャンルの著者、編書多数。
“お城に詳しくなくても楽しめるオモシロ知識”をモットーに日々研究するお城のスペシャリスト集団。