少量の消毒液では効果なし!? 9割が間違えている感染症予防の常識

新型コロナウイルスに加えて、インフルエンザの感染にも注意が必要となる時期が近づいてきています。まずはかからないための予防が第一ですが、正しい方法を行っていないと感染リスクが上がるだけです。あなたの感染症予防法は正しいか、いま一度確認してみましょう!

【大間違い1】出すぎないように消毒液のレバーは最後まで押さない

アルコール消毒液
新型コロナウイルスの感染防止には、石けんを使って手を念入りに洗うか、アルコールで消毒するのが効果的だ。どちらかといえば、消毒液を手につけてもむだけのアルコール消毒のほうが簡単。そこで、自宅にプッシュ式のボトルをかまえて、仕事や外出から帰宅したときなど、真っ先に消毒に努めている人は多いだろう。

問題はその使い方だ。レバーをしっかり最後まで押した場合、相当な量の消毒液が出てくる。これではもったいないと、倹約の意味から、レバーを途中まで押しただけで済ます人がかなりいるようだ。このやり方では十分な消毒はできないので、正しい方法に改めるようにしよう。

アルコール消毒液が入ったプッシュ式の商品は通常、レバーを最後まで押して使うことを前提に設計されている。しっかり押すと3㎖程度の消毒液が出てくることが多いが、実際、なかなかの量だ。しかし、これが適正量なのですべて使おう。手の指や手のひら全体はもちろん、手に消毒液をためて片方の指先を浸け、爪の間を消毒することも欠かせない。

適正量を正しく使えば、アルコール消毒液の効果は非常に高い。だが、0.5㎖に満たないような少ない量で行うと、消毒効果は格段に低くなることがわかっている。

アルコール消毒液をケチるのは禁物。もちろん、店舗や施設の出入り口に用意されているアルコール消毒液を使う際も、レバーを最後まで押すことが大切だ。

【大間違い2】固形石けんはウイルスが付着していそうなので使わない

固形石けん
新型コロナウイルスの感染防止には、もちろん石けんによる手洗いも有効だ。しかし、店舗や施設のトイレにハンドソープではなく、固形石けんが備えられていた場合、使うのを躊躇する人もいるのではないか。もし、直前に使った人が感染していた場合、石けんにウイルスが付着しているのではないかと……。

「ウイズコロナ」といわれる状況下、神経質になるのは当然かもしれないが、気にすることはない。これまでの研究によって、細菌がついている石けんを使っても、洗った手から細菌は検出されないことがわかっている。ウイルスも同様だろう。

固形石けんも、しっかり泡立てて使えば、高い感染防止効果が期待できる。安心して利用するようにしよう。

【大間違い3】酸っぱそうなみかんの方がかぜの予防になりそう!

みかん
「かぜの予防にはビタミンCが効果的。酸っぱいものほど豊富に含まれていそうなので、ミカンを買うときは完熟手前のものを選ぶ」。

あえてこう心がけている人がいるかもしれないが、これは二つの意味で間違えている。次からはいかにも甘そうなミカンを選ぶようにしよう。

まず、甘いミカンには、βークリプトキサンチンという生活習慣病の発症リスクを低下させる有効成分が含まれている。この成分は甘ければ甘いほど多く含まれているので、熟していない酸っぱそうなミカンを買う意味はない。

また、かぜの予防という点において、ビタミンCに効果はないことを知っておこう。常時、大量に摂取すれば、わずかにかぜをひく期間を短くできたという研究もあるが、残念ながら、ミカンを食べる程度ではまったく期待できない。

【大間違い4】予防接種を受けた日は入浴しない

予防接種
インフルエンザなどの予防接種を受けたら、その日は風呂に入ってはいけない。子どものころから、当たり前のようにこう信じている人は多いだろう。しかし、じつはそれは昔の常識だ。何10年にもわたって誤解し続けていた人には、衝撃の事実かもしれない。

入浴してはいけないのは、予防接種を受けてから1時間経過するまでの間で、これを過ぎればOKだ。通常のように石けんを使って体を洗ってもかまわないが、注射した部位は強くこすらず、さっと洗い流す程度にとどめておこう。また、熱が出た場合には入浴しないほうがいいだろう。

子どもがインフルエンザ以外の予防接種を受けた場合も、当日に入浴しても問題はない。ただし、体に“異物”を入れたことには違いないので、若干、疲れやすくなっている可能性もある。あまり長湯はさせないようにしよう。

では、なぜ予防接種を受けた日の入浴はNGだと信じられてきたのか。これは家に風呂がないのが当たり前で、多くの人が銭湯を利用していた時代に作られたルールではないかと考えられている。

昔の銭湯の環境は、いまよりも衛生的ではなかった。そこで、注射した傷から病原菌に感染するのを防ぐために、当日は銭湯には行かないほうがいい、ということになったのだろう。家に風呂がある現在なら、そうした心配はないわけだ。

【大間違い5】水道水には塩素が入っているから加湿器に使わない

加湿器
感染症の予防には、部屋の空気を乾燥しないように保ち、ウイルスが活動しにくい環境にすることが大切。そのための強い味方になるのが加湿器だ。

加湿器は水を入れて使うが、水道水には塩素が加えられているので、蒸気にして吸うのは抵抗がある人がいるかもしれない。そういう場合、浄水器を通した水かミネラルウォーターを利用するのはどうだろうか。

塩素を気にしなくてもいいので、何となく安心できる。しかし、やってはいけない浄水器の使い方の代表のようなものだ。塩素が入っていないことから、浄水器の中でカビや細菌が繁殖しやすくなってしまう。塩素をとかく毛嫌いする人は少なくないが、その働きは非常に大きい。浄水器には必ず水道水を使用しよう。

 

PROFILE
ホームライフ取材班

「暮らしをもっと楽しく! もっと便利に!」をモットーに、日々取材を重ねているエキスパート集団。取材の対象は、料理、そうじ、片づけ、防犯など多岐にわたる。その取材力、情報網の広さには定評があり、インターネットではわからない、独自に集めたテクニックや話題を発信し続けている。