おいしいものを食べたほうがやせる!? 食欲の秋を満喫する裏ワザ 

芋、栗、ぶどうなど豊富な旬の食材に加えて、ちょっとこっくりした味わいのものがおいしい季節ですが、食べ過ぎて体重が気になるという人も多いのでは? だからといって、苦手でもヘルシーなものを食べる必要はありません。そのような間違った思い込みに翻弄されてはいけません。おいしい秋を満喫する食習慣をご紹介します!

【大間違い1】 おいしいものは食べ過ぎるから避ける

おいしいもの

おなかの肉が気になるのでダイエット。食事の量を抑えるために、好きなものはできるだけ我慢し、あまりおいしいと感じないものばかりを食べている……。こういったダイエットの仕方は、残念ながらさほど効果が上がらないかもしれない。

じつは、おいしいと感じるものと、そうでないものを食べたあとでは、食後数10分間のエネルギー消費量が格段に違うのだ。おいしさが脳に伝わると交感神経の働きが高まり、代謝が活発になるからだと考えられている。

摂取カロリーを減らそうと、おいしくないものを食べるのは、エネルギー消費の面からは効率が悪い。あくまでも食べ過ぎないことが前提だが、ある程度は好きなものを食べるほうがダイエットが成功する可能性は高そうだ。

【大間違い2】伝統的な和食はとてもヘルシー

和食
世界でもトップクラスの平均寿命を誇る日本。その大きな要因は伝統的な和食にあると信じて、脂肪分たっぷりの洋食はできるだけ食べない。こうした食習慣を続けると、じつは狙いとは逆に、だんだん不健康になっていく可能性が高いことを知っているだろうか。

国立国際医療研究センターと国立がん研究センターによる興味深い研究を紹介しよう。約8万人を15年間にわたって追跡調査。普段の食事の仕方を3つのパターンに分けて、さまざまな病気が発症するリスクを調べたものだ。

ひとつは「健康型」で、野菜や果物、イモ、大豆製品、キノコ、魚、緑茶などを食べているグループ。次は「欧米型」で、肉やパン、乳製品、コーヒー、果物ジュースなどを日常的な食事とする。もうひとつが「伝統型」。ご飯や味噌汁、漬物、魚などをよく食べる、昔ながらのいわゆる和食のグループだ。

これら3グループで、追跡調査中に発生した生活習慣病について調査したところ、最も死亡リスクが低かったのは「健康型」だった。この点は誰もが想像する通りだろうが、気になるのは次の順位。一般的に不健康な食事と思われている「欧米型」が、ヘルシーなイメージのある「伝統型」よりも死亡リスクが低かったのだ。これはかなりショッキングな結果ではないか。

専門家の分析では、「欧米型」といっても日本人は欧米人ほど肉や乳製品を大量に取ることはなく、その分、悪い方向にはあまり進まなかったのではないかと見られている。一方、「伝統型」は塩分が多く、たんぱく質が少ないといったことから、高血圧のリスクが高まり、脳や心臓の病気につながりやすいのだろうという。

この研究で明らかになったように、じつは昔ながらの和食はNGなのだ。とはいえ全否定はしないで、魚や野菜たっぷりのメニューは維持しつつ、塩分を控えて、肉やキノコ類などを適度に食べる。こうすれば自然と「健康型」の食事に近づくはずだ。

【大間違い3】果物は果糖が多いので太りやすい

果物
果物にたっぷり含まれている果糖は、体内で脂肪に変わるので太りやすい。だから、果物はあまり食べてはいけない。こういわれることがあるが、本当に果物は肥満の原因になるのだろうか。

そもそも肥満の主な原因はご飯やパン、麺類などに多く含まれている糖質の取り過ぎにある。糖質が吸収されると、体内でブドウ糖に変化。糖質を大量に摂取すると、余ったブドウ糖が脂肪細胞に取り込まれ、太る原因になるというメカニズムだ。

しかし、果糖は吸収されたあと、体内でほとんどブドウ糖に変わらない。このため、果物を食べても直接的な肥満にはつながらないのだ。ただし、果糖には別の気になる点がある。肝臓に取り込まれて、一部が中性脂肪に変換されて貯蔵されることだ。果糖はブドウ糖に変換されないので、食べても血糖値が上がらず満腹感を覚えない。この性質から、つい摂取し過ぎてしまうことがある。

こうしたことから、果糖が多く含まれている果物はあまり食べないのが正解、と考える人がいるのかもしれない。だが、これは誤解だ。果物には食物繊維が豊富に含まれており、ゆっくり吸収されていくので体の負担が小さい。加えて、ビタミン類や各種ミネラルなどの栄養成分も多く、普段から意識して食べたい食品なのだ。よっぽど食べ過ぎない限り、健康面で問題が生じる心配はない。

果物そのものではなく、果糖に関係するもののなかでは、異性化液糖と呼ばれる液体甘味料に注意しなければいけない。食品表示欄には「ぶどう糖果糖液糖」といった名前で表示されている。安価に製造できるうえに、低温でも甘みを強く感じられるので、清涼飲料水やお菓子類、加工食品などに幅広く使用されている。

この異性化液糖は摂り過ぎにつながりやすく、糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病を引き起こす恐れがある。とくに液体で摂取すると吸収が早いので要注意。清涼飲料水の飲み過ぎは禁物だ。

【大間違い4】痛風予防にプリン体が多いものは食べない

あん肝
風が吹くだけで痛むとされる痛風。この怖い病気を引き起こす尿酸値を抑えるため、プリン体を多く含むレバーや白子、あん肝などは食べず、ビールも飲まないようにする。この痛風予防策は正しそうだが、残念ながら無駄骨に終わってしまうだろう。

じつは近年、食品で摂取するプリン体は、尿酸ができる原因の2割程度でしかなく、残りは肝臓で作られることがわかってきた。いまではこのメカニズムから、摂取する量を抑えるよりも、いかにスムーズに排せつするかが重要だとされている。

尿酸の排せつを促し、尿酸値を下げるには、痛風の大きな原因である肥満を解消することが第一だ。加えて、水をたっぷり飲む、野菜を多く食べるといったことも有効なので、尿酸値が気になる人は心がけるようにしよう。

【大間違い5】ビールは太りやすいからほかの酒を飲む

ビール

「ビール腹」という言葉が象徴するように、ビールは太りやすいアルコール類の代表だと広く信じられている。ここから、酒は好きだけれど、体重を増やしたくないのでビール以外のものを飲む、という人も少なくない。しかし、ビールを飲むと太りやすいというのは明らかな誤解だ。悪者扱いをして、ことさら避ける必要はない。

ビールが太りやすいと思われている理由のひとつは、糖質が含まれているからだろう。確かに、ウイスキーや焼酎などの蒸留酒は糖質ゼロだが、醸造酒であるビールには糖質が含まれている。とはいえ、その量はわずかなものだ。

100gのビールに含まれている糖質は、ラガーなどの一般的なタイプで3.1g、ややカロリー多めの黒ビールでも3.6gでしかない。350㎖入りの缶ビール1本を飲んでも、摂取する糖質はたった10g余りなのだ。

一方、ご飯をお茶碗1杯食べるだけで約55gもの糖質を摂取する。これと同じ程度の糖質量をビールから摂るには、缶ビールを5本ほど飲まなければいけない。ビールに含まれている糖質は、どうしても避けなければいけないレベルの量ではないことがわかるだろう。

では、カロリーの面ではどうか。じつはアルコールは吸収が早くて、含まれるカロリーは熱となってすぐに放出され、脂肪となって残りにくいという特徴がある。ちなみに、100g中に含まれているカロリーを比較すると、ビールが40㎉なのに対して、ワインは73㎉、純米酒は103㎉、焼酎(乙類)は146㎉。ビールはアルコール度数が低いので、ほかのアルコール類のほうがずっと高カロリーだ。

しかし、実際、ビールを飲むと太るんだけど……。こう思う人は、つまみに問題があるのだろう。ビールに合うつまみには、ソーセージや揚げ物、ピザなど、カロリーが高くて太りやすい料理が多い。しかも、炭酸が胃を刺激して食欲が増し、ほかの酒を飲むとき以上につまみを食べがちだ。

この点に注意をして、つまみの種類と量に注意すれば、好きなビールをやめて、ほかのアルコール類に替える必要はない。

 

PROFILE
ホームライフ取材班

「暮らしをもっと楽しく! もっと便利に!」をモットーに、日々取材を重ねているエキスパート集団。取材の対象は、料理、そうじ、片づけ、防犯など多岐にわたる。その取材力、情報網の広さには定評があり、インターネットではわからない、独自に集めたテクニックや話題を発信し続けている。