家事の運動強度は歩行より上! 9割が間違えている「運動」の常識

健康のために体を動かそうとするのに、「ひざが痛いからスクワットはNG」「骨密度が低いから運動は控える」など、間違った常識を信じている人が多くいます。目からウロコの"運動新常識”で、いつまでも健康な体をつくりましょう!

【大間違い1】家事はいくらやっても運動にはならない

家事
忙しくて運動をする時間がなく、1日のなかで体を動かすのは家事程度。これでは体重が増えそうだし、体力も落ちてしまう……。こういった人は多いかもしれないが、じつはたくさんの家事をこなすと意外に運動になる。

運動強度を示す「メッツ」という単位で見ると、ごく普通の時速4㎞での歩行はメッツが3.0。これに対して、掃除機がけは3.3、モップがけや床磨き、風呂掃除、荷作り、庭の草むしりは3.5と、もっと運動強度が高い。

午前中は掃除機がけと床磨き、午後は風呂掃除、夕方は庭の草むしりといった具合にこなせば、それなりの運動になる。ただ、やはり十分ではないので、ウォーキングなどの習慣づけは必要だ。

【大間違い2】骨密度が低いと骨折が怖いので運動は控える

骨密度
女性は40代以降、骨の代謝を調節する女性ホルモンが減少することによって、骨密度が下がっていく。こうした年齢になると、転んで骨折でもしたら大変だと、運動を避ける人もいるようだ。しかし、その心がけは逆効果で、骨はさらに弱くなっていく。

骨密度が低いからこそ、運動が大切なのだ。

運動や日光浴を習慣に取り入れ、食事も改善すると、半年で骨密度が6%以上も向上したという研究がある。運動におけるポイントは骨に刺激を与えることで、大股による早足ウォーキングがおすすめだ。かかとが着地するたびに骨に衝撃が加わり、強い負荷に耐えられるようにと骨の合成がはじまる。外を歩くと日光を浴び、骨の定着に欠かせないビタミンDも合成されるので、骨を強くする運動としてぴったりだ。

【大間違い3】スクワットはひざが痛くなるからやらないほうがいい

スクワット
近年、筋トレに励む中高年が増えてきた。たくましい大胸筋やシックスパックを目指すのもいいが、最も鍛えるべきところは文句なしに足腰だ。下半身には全身の筋肉の約70%が集中しており、筋トレによってさらに大きくすることにより、基礎代謝の向上が期待できる。

足腰を鍛えるためのエクササイズといえば、ひざを曲げてしゃがんだり立ったりするスクワット。非常に高い効果があるが、ひざが痛くなるからやらない……という人がいるようだ。こうした場合、ひざが老化で弱っているのではなく、スクワットのフォームが間違っている可能性があるので見直してみよう。

最もよく見られる間違いは、しゃがむときにひざがつま先よりも前に出てしまうことだ。広く知られているこの誤ったスクワットを繰り返すと、ひざの関節に大きな負荷がかかって傷めやすくなる。

加えて、見逃されがちなNGポイントはつま先の角度。ひざよりもつま先が外側に開いていると、ひざの内側に大きな負荷がかかってしまう。その逆につま先が内側を向き過ぎている場合も修正が必要で、ひざの外側を傷めやすくなる。

以上のポイントをチェックしながらスクワットをしてみよう。フォームが改善されると、痛みがなくなるかもしれない。それでもやはり痛いという人は、一度、整形外科を受診して原因を調べたほうがいいだろう。

スクワットのやり方

正しいフォームなら痛くならない

【大間違い4】ラジオ体操はたいした運動にはならない

ラジオ体操
あの慣れ親しんだ曲に乗せて、誰でも体を動かせるラジオ体操。とはいえ運動としては簡単過ぎて、小さな子どもや高齢者以外は積極的にやる必要はない、と思ってはいないだろうか。ラジオ体操を軽く見る人は多いが、大きな誤りだ。ストレッチや筋トレ、有酸素運動が効果的に組み合わされ、約400種類以上ある筋肉をまんべんなく使う全身運動なのだ。

決められた動きを本気でしっかり行うと、普段運動をしない人なら相当な汗をかき、翌日は筋肉痛になるかもしれない。運動強度でいえば、やや速足のウォーキングに相当するほどなのだ。特別な道具はいらず、体が覚えているのですぐに取り組める。とても身近な運動であるラジオ体操を見直してみてはどうだろう。

【大間違い5】太っていないので運動はしなくていい

運動しない
メタボなら運動で体重を減らさなくてはならないが、やせているのでとくに運動はしなくていい。こう考えていると、想像以上に早く衰えてしまう可能性がある。

6年間にわたってBMI値(肥満や低体重を判定する数値)と体力の変化を計測した研究では、体重の増減に関係なく、体力が低下すると明確に死亡率が高くなることがわかった。また、日ごろの活動量と死亡率の関連を調べた研究を見ると、活動量が最も多いグループでは男性の死亡率は0.73倍、女性は0.61倍に低下した。

これらの相関関係は単純で、運動をすると長生きし、運動をしないと死ぬのが早いというわけだ。やせていれば安心ということは決してない。体重を減らす必要がなくても、健康のために運動を心がけるようにしよう。

【大間違い6】運動オンチな親の子は運動ができなくても仕方がない

運動オンチ
親がスポーツ嫌いで運動オンチだった場合、子どもは運動ができなくても仕方がない。こうあきらめて、ちょっと残念に思っている人はいないだろうか。

有名なアスリートの親もまた一流の競技者だった、などというニュースを見ると、いわゆる運動神経はやはり遺伝するものだと思いがちだ。確かに、ある研究では握力や立ち幅跳び、前屈では遺伝的な影響があるのではないかとされた。だが、その一方で腹筋や50m走、反復横跳びでは明確な相関関係はなかったという。運動のできる・できないは、必ずしも遺伝するわけではないのだ。

親が運動オンチでも、子どもがかけっこで一番になれる可能性はある。いろいろなスポーツに親しませて、体を動かすのが好きな子どもにするのがいいだろう。

 

PROFILE
ホームライフ取材班

「暮らしをもっと楽しく! もっと便利に!」をモットーに、日々取材を重ねているエキスパート集団。取材の対象は、料理、そうじ、片づけ、防犯など多岐にわたる。その取材力、情報網の広さには定評があり、インターネットではわからない、独自に集めたテクニックや話題を発信し続けている。