どんな意味でしょうか?
以下の言葉の意味をあなたは知っていますか?(それぞれの単語をクリックすると、読みと解説が表示されます)
- 解説
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「柱」とは、一般には、屋根を支えている木材のこと。大黒柱など。どっしりしっかり安定していて、建築物になくてはならない重要な存在です。
一方、印刷・出版用語の「柱」とは、雑誌や書籍などで、誌面の余白に書名や章タイトルなどを記した部分。いわば索引で、読者が「第○章を読みたい」と本をパラパラめくって探すときのガイドになります。あってもなくてもいい、という点が建築物の柱とは大いに異なります。
- 解説
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一般に「桃太郎」といえば、日本のおとぎ話で、鬼退治を果たしたヒーロー。道で出会った犬や猿、キジにキビ団子を配って、仲間にします。
一方、政治の世界にもじつは「桃太郎」がいるのです。選挙用語の「桃太郎」とは選挙活動で、候補者と運動員(スタッフ)たちが、のぼりを掲げて練り歩くことを言います。 選挙期間中におなじみのあの光景は、とても有効なアピール手段なのだとか。
しかし「桃太郎」だからといって、有権者にキビ団子を配ると、公職選挙法違反に問われかねないので、要注意。
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毒薬、毒きのこ、毒草……。「毒」と聞くと、アブない香りを感じる方も多いかも。なかでも「毒薬」は、ちょっとでも飲んだら死んじゃう!? 危険なクスリといったイメージです。
ところが、お医者さんや薬剤師さんが言う「毒薬」って、ちょっと意味合いが違います。
薬学用語の「毒薬」とは薬機法にもとづき、厚生労働大臣が指定する毒薬とは、「注射や内服によって体内に吸収された際、人もしくは動物に副作用など危害を起こしやすい医薬品」のこと。
非合法なものではなく、ちゃんとした医薬品。一部の抗がん剤や抗ウイルス薬などが指定されていて、治療のためのお薬なんです。
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すでに日本の国民食! おいしい中華そば。……それが「ラーメン」という言葉への一般認識ではないでしょうか。
ところが、建築現場には、食べられない「ラーメン」があるといいます。
建築・設計用語の「ラーメン」とは建築物の鉄骨構造の名称。マンションなどの接合部を溶接などでくっつけて一体化させる、強靭な構造のこと。ドイツ語の「Rahmen(額縁)」が語源。
建築現場では、「次の新築マンションはラーメン(構造)でいこう」などと使います。新米社員だと「は? ラーメン?」と聞き直すこともあるのだとか。
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「耳毛」とは、その名のとおり、耳の中からあふれるように生え出た毛のこと。耳毛が出ているのは「長寿の証」とされ、縁起を担ぐために生えっぱなしにしている人もいます。
ところが、そんな貴重な「耳毛」を、畳屋さんはカットしてしまうというのです。
畳の表面のゴザは「畳表 (たたみおもて)」といい、植物のイグサと麻糸を1本1本織り込んだもの。畳表をつくるとき、端ギリギリまでは織らずにいくらか余らせておきます。畳屋さんは、その端に残ったイグサを「耳毛」と呼ぶのです。
耳毛は、畳表を畳床(芯材)と合体させる過程で、きれいにカットされます。
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一般に「キオスク」といえば、あると便利!新聞だけでなく弔事のネクタイも売っていたりする、JRの売店です。JRの「キオスク」は、「清く」と「気安く」をかけた造語。覚えておくと、クイズ王になれそうなネタです。
そして、もうひとネタ知っておきたいのが、造園用語の「キオスク」です。
造園用語の「キオスク」とは主にイランやトルコなどで見られる庭にある小さな建物(小屋)のこと。トルコ語の「kiushk」に由来する、四阿(あずまや)を意味する言葉です。ここにはネクタイもなければ、新聞もありませんのであしからず。
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アニメーション(動画)は、日本が誇る文化。今や「クールジャパン」の代名詞でもあります。映画にテレビ、コマーシャルなどなど、目にしない日がないほど、暮らしに浸透していますね。
そんな「アニメ」という言葉も、音楽の世界では、別の意味があります。
音楽用語の「アニメ」とは速度を表す標語のひとつで、意味は「生き生きと速く!」。 語源はラテン語で「生命」を意味する「アニマ」と言われています。
音楽界の「アニメ」が存在するのは、楽譜の中。ですから、たとえ絵が下手だろうと関係ないのです。
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皇居のお堀端で、公園で……。日本全国で、健康志向の市民ランナーは黙々とトレーニングしています。走る距離を「延ばす」ために日々、汗を流しているランナーも多々。
一方、園芸界の「ランナー」も、日々、成長しています。こちらは「延ばす」というより「伸びる」。さて、何が伸びているのでしょう?
園芸・農業用語の「ランナー」とはイチゴやオリヅルランなどの植物の親株から伸びる「ツル」のこと。園芸界の「ランナー」は、伸びた先に子株を形成して増えていきます。思いのほか長く伸びることはありますが、さすがにフルマラソンには及びません。
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悲しいことがあると、誰しも泣きたくなるもの。とはいえ、さすがに職場で泣きたいとは思いません。「泣くまい」とぐっとこらえます。
もちろんお菓子作りの職人さんもそんな一人。「泣くまい」、さらには「決して泣かせまい」と、肝に銘じているのだとか。
製菓用語の「泣く」とはお菓子の表面にふった粉末が、水分を吸ってべたつく状態。もしくは、糖液が菓子の表面に染み出る状態。
お菓子が「泣く」と、ベタベタになって、もう売り物になりません。そこで職人さんは「決して(菓子を)泣かせまい」とします。
- 解説
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一般に、レモンが取引される場といえば、青果市場です。そんな青果市場を活用するのは八百屋さん……のはず。
でも、「レモン市場」が気になるのは、株を扱うトレーダーだというのです。
株の取引は情報が命! しかし売り手と買い手に情報格差があると、買い手の情報不足で粗悪品ばかりが市場にあふれ、高品質な商品が流通しにくくなる。この現象が「レモン市場」。
レモンは皮が分厚く、中身が確認できないことから、アメリカの俗語で「低品質の中古車」。そこから株取引においても粗悪品を「レモン」、高品質品を「ピーチ」とよぶように。
よく耳にする気になる言葉や表現をとことん追究している日本語研究グループ。