ジャパンブルーと呼ばれる「藍」と徳島県の関係は?
徳島での藍の栽培は、県内を東西に流れる吉野川流域で行われてきた。吉野川は大雨が降るたびに氾濫を繰り返す暴れ川だったが、その洪水によって中・下流域に肥沃な土が運ばれ、藍の栽培に適した土壌をもたらした。
そもそも、朝鮮半島から日本に木綿が伝わったのは、中世後半から近世にかけてのこと。それで、庶民の衣料の素材が麻から木綿に変化し、木綿の染料に阿波藍が適していたことから、江戸時代、阿波藍の栽培が盛んになったのだ。
徳島県に電車が走っていないせつないワケ
徳島県は現在、全国で唯一、「電車」が走っていない県。徳島県にはJR四国の徳島線や鳴門線などが走っているのだが、それらはすべて軽油で走る気動車ディーゼルカー。電気で走る「電車」は、徳島県では1本も走っていない。だから、徳島県の線路には、架線はいっさいない。
徳島県に電車が存在しない理由の第一は、費用対効果が低いからといえる。香川県の高松駅から徳島駅方面を結ぶ徳島線は徳島県内の幹線だが、そのルートとて、徳島市以外に大きな都市はない。しかも、高松駅─徳島駅間は、距離が75キロほどしかない。ディーゼル特急でも1時間ちょっとで行ける距離だ。電化するには架線を張らねばならず、経費がかかるので、費用対効果が低いというわけだ。
さらに、徳島市には市電が走っていない。JRの電化路線がないのは高知県も同じだが、高知県はとさでん交通が路面電車を走らせている。そのため、徳島県が唯一、電車の走っていない県となるのだ。
なお、かつては沖縄県が電車どころか鉄道もない県だったが、平成15年、沖縄都市モノレール線(ゆいレール)が開業、電気によって動いている。
なだらかな山なのに「剣山」!?
徳島県の剣山(つるぎさん・標高1955メートル)は、なだらかな山。なぜ、穏やかな山容の山が「剣山」と名づけられたのだろうか?
この剣山の「剣」は、山の姿には由来していない。剣山はもとは石立山と呼ばれ、その山頂に安徳天皇の宝剣が奉納された。
安徳天皇は平家の滅亡とともに壇ノ浦で亡くなった幼帝。その剣を奉っているところから、「剣山」と名づけられたのだ。
「地理」の楽しみを知りつくしたメンバーのみによって構成されている研究グループ。日本各地、世界各国を歩き、地図をひろげ、文献にあたり…といった作業を通じて、「地理」に関する様々な謎と秘密を掘り起こすことを無上の喜びとしている。