Go To トリビア旅行! 知ってる? 岩手名物ができるまで 

日本各地にたくさんの名所がありますが、ただ”観光地”をおとずれるだけではもったいない。産業や名産品、地名や境界線などの「地理力」があれば、これまでとは違う視点で旅をすることができます。それでは「岩手県」の見方が変わる旅へLet’s Go!

極上のウニが岩手でよくとれる理由

岩手のウニ

岩手県で取れるウニの多くはキタムラサキウニ。トゲが長く、身は黄色。コクのある甘みでありながらさっぱりとした味わいが特徴だ。


岩手県の三陸沖は、寒流(親潮)と暖流(黒潮)が交差する好漁場。マグロ、カツオ、サバ、サンマ、タラなど、多様な魚が水揚げされている。また、ワカメやコンブ、アワビ、ナマコなどの生育にも適した環境で、ウニも豊富にとれる。全国のウニ漁獲量を都道府県別に比較すると、トップの北海道に次いで、岩手県は2位。年間1094トン(平成28年)の水揚げを誇る。

ウニがよくとれる理由の一つは、岩手の海底は岩礁が多いため、ウニがよく育つうえ、エサとなるワカメやコンブの生育にも適しているということ。加えて、親潮がワカメやコンブにたっぷりの栄養をもたらし、ウニのエサはきわめて豊富。ウニは雑食性で何でも食べるため、エサがマズいと味が落ちるが、岩手のウニはおいしいワカメやコンブを食べて育つため、味も極上になるというわけだ。

「南部鉄瓶」が‟全国区”になったのはなぜ?

南部鉄瓶

南部鉄瓶で沸かしたお湯は味がまろやか。鉄分補給にも最適だという。

岩手県の名物の一つ、南部鉄瓶。南部は、もともと良質の砂鉄がとれる土地で、江戸時代、南部藩は、京都から職人を呼んで、茶釜をつくらせていた。その後、江戸中期になると、藩のお抱え釜師が、湯釜に口と把手(とって)を付けて、南部鉄瓶のルーツとなるものをつくった。質のよい鉄を使っていたので、湯を沸かしてもカナ気(鉄っぽい味やにおい)が混じらないと人気を呼び、今に至る名産品になった。

南部鉄器の作成

伝統工芸品のほか、実用的な調理器具としても南部鉄器は見直されてきている。

岩手に突出して多い動物は……

小岩井農場の羊

雄大な岩手山を背景に、小岩井農場の放牧地ではのんびり羊が暮らす。

じつは岩手県は、牧羊が盛んな土地。これは、岩手県の気候が羊の放牧に適しているからだ。羊の放牧には、ヨーロッパ風の乾燥した冷涼な気候が適している。その点、岩手県の高原地帯は、欧米に似た気候環境にあるのだ。

そこで岩手県では、北海道、長野県とともに、戦前から羊の放牧が行われてきた。当時は、軍隊の防寒服用に羊毛が必要とされたからだった。戦後、その需要はなくなって、北海道と長野県では大規模な牧羊事業は消滅した。すると、国内のライバルがいなくなった岩手県では、牧羊がいよいよ盛んになったのだ。

小岩井農場の羊

小岩井農場では羊飼いの技やシープドックの活躍などを見ることもできる。

 

PROFILE
おもしろ地理学会

「地理」の楽しみを知りつくしたメンバーのみによって構成されている研究グループ。日本各地、世界各国を歩き、地図をひろげ、文献にあたり…といった作業を通じて、「地理」に関する様々な謎と秘密を掘り起こすことを無上の喜びとしている。

 

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