「へなちょこ」は実は知的な言葉!? 悪口の意外な語源20選

大根役者、へなちょこ、ぼんくら……。こうした悪口も、ルーツを知っていればより的確に、もしかしたら相手のためになるように使えるかもしれません。どんな成り立ちがあるのか、クイズ感覚でトライしてみてください。

この言葉の語源を知っていますか?

以下の言葉について、あなたは語源を知っているでしょうか? (それぞれの単語をクリックすると、解説が表示されます)

大根役者......なぜ「大根」が出てくる?
解説

「大根役者」は、下手な役者に対する悪口。その語源をめぐっては、複数の説があり、まずは、下手な役者は「しろうと」同然であるところから、「しろうと」と大根の白さをかけたという説。または、大根はいくら食べても食当たりしないところから、「当たらない役者」とシャレたという説もある。

へなちょこ......「へな」って、どういう意味?
解説

この「へな」は、漢字では「埴」と書き、粘り気のある黒粘土のこと。「へなちょこ」は、「へな」製の猪口のことで、あまり質のいいものではない。一説には、明治時代、その猪口で酒を飲んでいた人が、酒を注いでも焼きの甘い猪口が酒を吸ってしまうことから、「このへなちょこめ!」とけなしたという。その言葉が粗末なもの、未熟者を表す言葉となって広まったという。

ふしだら......「しだら」って何のこと?
解説

一説によると、「しだら」は歌や舞に合わせて手拍子を打つこと。その手拍子が揃わないことを、「不」をつけて「ふしだら」といい、けじめがないという意味に広がったという。その一方で、「しだら」はサンスクリット語の「修多羅」(秩序という意味)に由来するという説もある。

やぼ......この言葉の語源となった神社とは?
解説

江戸時代、武蔵国の谷保天満宮が、江戸で開帳したことがあった。しかし、その段取りなどを江戸っ子には不粋に思った。以後、「谷保天満宮」は垢抜けないことのシンボルになり、「やぼ」は不粋なさま、垢抜けないさま、融通のきかないさまを表す言葉になった。「やぼ」を「やぼてん」というのも、「谷保天満宮」を縮めた言葉だ。

ぼんくら......漢字で「盆暗」と書くのは?
解説

もとは賭博の世界の言葉で、漢字では「盆暗」と書く。博打用の盆の上で出るサイコロの目などを読む力の暗い人を「盆暗」と呼び、それが一般に広まって、物事の先を見通せない人、ぼんやりした人を罵る言葉になった。

のろま......人形浄瑠璃の人形の名前から
解説
江戸時代、人形浄瑠璃の人形遣いの名手に、野呂松勘兵衛という人がいた。彼が間抜けな役柄の人形を操ることを得意としたところから、彼が操る人形は「野呂松人形」と呼ばれ、そこから愚かなこと、動作が鈍いこと意味する「のろま」という言葉が生まれた。
こけおどし......「こけ」って何のこと?
解説

「こけおどし」の「こけ」の語源は、実態がなく、空虚なさまを表す仏教語の「虚仮」。それが転じて、見かけは立派だが、中身がないという意味の「こけおどし」という言葉が生まれた。

かまとと......こんな女性はかわいくない
解説

「かま」は、蒲鉾の略。「とと」は魚を指す幼児語。蒲鉾が魚のすり身でできていることは常識なのに、さも知らないふりをして「蒲鉾は、ととなのか?」と聞くことを、知っているくせに知らないふりをして、ウブを装う女性にたとえた。

どら息子......どんなことをする息子?
解説

この「どら」は打楽器の「銅鑼」。銅鑼は時を知らせる鉦として使われたため、遊廓では「カネを尽く」と「銅鑼を撞く」をかけ、客が散財することを「銅鑼を打つ」といった。転じて怠け者の放蕩息子を指すようになった。

札つき......どんな札がついている?
解説

この「札」は、江戸時代の人別帳につけられた印のこと。素行が悪く、親から勘当されそうな人物は、あらかじめ「札」をつけて要注意人物とした。そこから「札つきの悪党」など、悪い評判の人物を指していうようになった。

でくのぼう......「でく」ってどんなもの?
解説

漢字では「木偶の坊」と書き、「木偶」は木彫りの粗末な人形のこと。かつて、傀儡師が木偶を操ったことから、操られるような人を「木偶」、「木偶の坊」というようになった。むろん、操られるような人には、役立たずで、気のきかない人が多い。そこから、「でくのぼう」は、役に立たない人を罵る言葉になった。

おてんば......元気に飛び跳ねる馬が語源
解説

活発に行動する娘のことを「おてんば」というが、これは跳ね回る馬のイメージからきている。「御伝馬」と呼ばれた将軍家の馬が、いつもいい餌をもらい、元気だったことから、跳ね回るように活発な女性をおてんばと呼ぶようになった。

たいこもち......これで、男芸者を意味するのは?
解説

「幇間(たいこもち)」は、酒席で、お客の遊びに興を添える男芸者のこと。比喩的に、人にへつらい、気に入られようとする者を指す。「たいこもち」という“職名"は、男芸者たちがその場を盛り上げるため、「太鼓」を叩いたことに由来するとみられている。

馬の骨......馬が選ばれたのは?
解説

素性のわからない者を指す言葉「馬の骨」。動物の中でも、とくに馬の骨が選ばれたのは、中国で鶏の肋骨と並んで、役に立たないものとされたから。大きい分、鶏の肋骨よりも邪魔で、馬の骨は甚だはた迷惑なものの代名詞だったのだ。

姥桜(うばざくら)......「おばあさん桜」って、どんな桜?
解説

もとは彼岸桜など、葉が出るよりも先に花が咲く桜の俗称。花の盛りに「葉」がないのを「歯」のない姥にかけた。現代では、年をとっているのに、若づくりしている女性を指す。

黒幕......歌舞伎の舞台裏の用語から
解説

黒幕は、もとは歌舞伎で舞台の転換時に舞台を隠したり、闇を表す際に用いる黒い幕のこと。黒幕の裏で、さまざまな仕掛けが行われたり、邪魔なものを隠したりすることから、表面に出ないで指図したり、画策する人を指すようになった。

ちょこざい......お酒との関係とは?
解説

漢字では、「猪口才」と書く。「猪口」は、もとは「ちょく」といい、口が広く底のすぼまった小さな容器で、やがて小型の杯を指した。その小さな杯程度の才能を小生意気と思ったとき、「猪口才」というようになった。

ごんた......手に負えない子供をこう呼ぶのは?
解説

無頼漢や手に負えないいたずらっ子を指す言葉。浄瑠璃『義経千本桜』の作中人物、「いがみの権太」の名に由来する。なお、いがみの権太は、無法者でありながらも、最後には改心する役柄。

茶坊主......おべっか使いをこう呼ぶのは?
解説

「あいつは、社長の茶坊主だ」などと使う「茶坊主」は、権力者におもねる者のこと。もとは、室町時代から江戸時代にかけての職名で、城中などで茶の給仕を務める者を指した。彼らは僧侶ではなかったが、剃髪していたところから、「坊主」と呼ばれた。

爪弾き......何のために弾くのか?
解説

もとは「弾指」といい、仏教の世界の風習だった。人指し指や中指を親指の腹に当て、強く弾くことで、警告や忌避の意を表した。それが嫌悪や軽蔑の意を表すものに変わり、ある人を忌み嫌って排斥するという意味となった。

PROFILE
話題の達人倶楽部

カジュアルな話題から高尚なジャンルまで、あらゆる分野の情報を網羅し、常に話題の中心を追いかける柔軟思考型プロ集団。彼らの提供する話題のクオリティの高さは、業界内外で注目のマトである。

 

語彙力がどんどん身につく語源ノート (青春文庫)

語彙力がどんどん身につく語源ノート (青春文庫)

  • 発売日: 2020/10/10
  • メディア: 文庫