つまずくのは初期の脳梗塞の可能性も! 知っておきたい病気の前兆

歩く人多数

何もないところでつまずくことが増えた、タンのからんだ咳をよくしている……。ふだんの何気ない動作は、もしかすると自覚症状がないだけで病気のサインかもしれません。少しでも身に覚えがあるときは、しっかり自分の体と向き合い、早めに病院を受診しましょう。

段差のないところでよくつまずく
➡老化による筋力低下でなければ、初期の脳梗塞かも

年を取ったら、敷居などのちょっとした段差でつまずきやすくなる。これは太ももやふくらはぎなどの筋肉が衰え、自分がイメージするほど足先が上がらなくなってしまうのが大きな原因だ。 

しかし、最近になって急につまずきやすくなった場合、その裏に怖い病気が隠されているケースも考えられる。なかでも危険な病気が脳梗塞だ。脳の血管に障害が出はじめ、血流が滞るようになると、運動能力に支障が出て、つまずいたり転びやすくなったりすることがある。小さな脳梗塞が起こっている可能性があるので、早く専門医の診察を受けたほうがいい。

ほかに、加齢によって股関節の軟骨がすり減る変形性股関節症や外反母趾などになった場合も、下半身のバランスを取りにくくなってつまずきやすくなる。

高齢の親がタンのからんだせきをする
➡自分では気づかない「かくれ脱水」の疑いあり

入ってくる水分よりも、出ていく水分のほうが多くなって起こる脱水。まだ重症化はしていないが、本人も周りも気がつかないうちに水分が不足している状態を「かくれ脱水」という。この段階で発見して、大事にいたらないようにしたいものだ。

かくれ脱水が起こりやすいのは高齢者。年を取ると、水分を蓄えられる筋肉が減って、そもそも体内の水分量が低下する。感覚機能も衰えるので、のどが渇いてきたことにも気づきにくい。認知症になっている場合はこの傾向が一層強く、体の水分が相当減っているのに何も飲まない、ということさえあり得る。

老化によって、内臓の機能が低下していることも、かくれ脱水になりやすい原因だ。特に水分コントロールに強く関係している腎臓の働きが衰えると、水分が不足しがちになってしまう。

水分が減りがちな持病がある場合も要注意だ。例えば糖尿病の場合、血液中のブドウ糖を排せつしようとして大量の尿が出るので、ただでさえ水分不足になりやすい。

血圧を下げる薬を服用している場合も気をつけなければならない。薬に利尿作用があるので、飲み物などで意識して補給しないと、水分が不足しやすくなる。

特に暑い時期、高齢者が自分では気づかないうちに脱水状態に陥らないように、周りの人はよく観察しよう。早く気づくポイントのひとつは、タンがからんだようなせき。水分不足になって口の中が渇くことから、普段とは違うこうしたせきをするようになる。おかしいなと思ったら、脇の下を触ってみよう。脱水状態になっていれば、本来なら湿っているはずの脇の下が乾いていることが多い。

手の甲をつまむ方法も早期発見に効果的だ。体に水分が正常にあればすぐにもとの状態に戻るが、脱水状態になっていると、ハンカチをつまみ上げたときのようになかなか戻らない。これを「ハンカチーフサイン」という。

こうした場合、すぐに水分を十分補給することが大切だ。経口補水液なら、より効果が高い。水1ℓに食塩3g、砂糖20~40gを溶かして作ることもできる。

脱水症状のチェック

天ぷらを食べたあと、右の脇腹が痛む
➡胆石かも!? 早く治療すれば大事にいたらない

脂っこいものを食べたあと、右の脇腹やみぞおち付近が痛む。とはいえ、病院に行くほどではないので、とりあえず様子を見ている。こうした人は、突然、身をよじるほどの痛みに襲われて、七転八倒することになりかねない。

揚げ物などの食事をしたあとの腹部の痛みは、胆石が原因の可能性が高い。摂取した脂肪分は、肝臓から分泌される胆汁の働きで乳化され、その後、小腸で吸収される。

この胆汁にカルシウムがくっついたものが胆石だ。胆汁を貯蔵する胆のうや、移動する胆管などに胆石が詰まると、胆汁を出そうとするたびに痛みを感じることになる。

胆石はまだ小さいうちに発見して治療を受けなければ、だんだん大きくなっていく。最悪の場合、胆管が完全に詰まって胆のうや胆管が破裂し、腹膜炎を起こすこともある。食後、おなかの痛みがあれば、早く消化器内科などを受診しよう。

眠っているとき、よくこむら返りが起こる
➡下肢静脈瘤が秘かに進行しているとそうなる

突然、ふくらはぎが収縮し、けいれんを起こして強く痛む「こむら返り」。日ごろ運動不足の人が急に運動したときや、眠っているときにいきなり起こることが多い。

原因はさまざまだが、その裏に病気が隠されている場合、下肢静脈瘤になっているケースが少なくない。

下肢静脈瘤は一般的な病気で、特に50代以上の女性によく見られる。ほかには年齢に関係なく、立ち仕事の多い人、肥満気味の人、出産を経験した女性もなりやすいことがわかっている。遺伝することも多く、家族に発症した人がいる場合、注意しておいたほうがいいだろう。

下肢静脈瘤の原因は、足にある静脈弁のトラブル。足には足先から心臓へと血液を戻す静脈が走っており、昇っていく血液が逆流しないように、弁が備えられている。この弁が壊れて血液の流れが滞り、静脈にたまりやすくなるのが下肢静脈瘤だ。静脈に血液がたまることから、血管がコブのようにぼこぼこ膨れたり、網の目状に浮き上がったりもする。こうした症状もあれば、下肢静脈瘤の可能性は高い。

重症化はしないものの、自然に治る病気ではない。眠っている間、頻繁にこむら返りが起こると、睡眠不足になることも考えられる。やがてコブや網の目状の模様も目立つようになるので、できれば早めに専門の血管外科を受診するのがいいだろう。なお、こむら返りを起こしたときは、イラストのような処置を取れば楽になる。

こむら返りの治し方

最近、やたらとのどが渇く
➡尿も近くなっていたら糖尿病の可能性あり

最近、尿がひどく近くなった。のどが渇くのも早くなり、水を飲んでも、すぐにまた飲みたくなる。こうした症状に気づけば、糖尿病の可能性が高くなる。加えて、ダイエットをしているわけでもないのに体重が減ってきた。それに、何となくだるい、となれば疑いは一層強くなる。早く医療機関を受診して相談しよう。

糖尿病は血糖値と強く関連している病気だ。ご飯やパン、麺類などの糖質を食べると、腸で分解されてブドウ糖に変化する。ブドウ糖は血液によって運ばれ、細胞のエネルギー源として使われる。

血液中のブドウ糖を細胞に取り込むには、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの助けが必要だ。食後、血糖値はいったん緩やかに上昇するものの、インスリンの働きによって、2時間ほどたつともとの状態に戻る。

しかし、食べ過ぎや飲み過ぎといった不摂生、運動不足、ストレスなどによってすい臓の働きが弱まったり、インスリンが効きにくくなったりした場合、血糖値はなかなか下がらない。このため、慢性的に血糖値が高い状態が続くことになる。これが糖尿病だ。進行すると血液中のブドウ糖が血管を傷つけ、心臓病や視力の低下、失明、腎臓の機能低下などの危険な合併症を引き起こしてしまう。

厄介なことに、糖尿病は初期段階ではほとんど症状が表れない。割合早い段階から自覚でき、わかりやすい症状のひとつがのどの渇きと頻尿だ。

糖尿病を発症すると、インスリンの働きが低下し、血液中にブドウ糖が多くなる。

この状態はリスクが高いので、尿といっしょにブドウ糖を排せつしようとして、トイレに行く回数がとても多くなるのだ。

たびたびの排尿によって、水分はどんどん失われていくため、当然、のどがひどく渇く。そこで、水をやたらと飲むことになるわけだ。

頻尿とそれに伴うのどの渇きは、糖尿病になって早めに表れる症状の代表。自覚した場合は、放置しないようにしよう。

 

PROFILE
ホームライフ取材班

「暮らしをもっと楽しく! もっと便利に!」をモットーに、日々取材を重ねているエキスパート集団。取材の対象は、料理、そうじ、片づけ、防犯など多岐にわたる。その取材力、情報網の広さには定評があり、インターネットではわからない、独自に集めたテクニックや話題を発信し続けている。