うまい棒にはなぜ空洞があるの? おいしい「形」の秘密 

うまい棒はなぜ真ん中が空洞なのか

駄菓子屋の数が減り、お小遣いを握りしめてお菓子を買い求める子どもの姿をめっきり見かけなくなったが、スーパーやコンビニの棚には、相変わらず駄菓子のコーナーがあり、オトナにも懐かしいロングセラーの商品も置かれている。

その代表選手といえるのが、「うまい棒」だ。

メーカーの公式ホームページによると、プレミアムを合わせれば味は23種類で、チーズやたこ焼き、コーンポタージュなどの定番から、なっとう、シナモンアップルパイ、レモンなどの面白い味のものまで、だれでもお気に入りを見つけることができる。

うまい棒の真ん中には穴が開いているのだが、この穴がうまい棒の低価格を支える重要な役割を果たしている。

うまい棒が工場から小売店に運ばれるまで、当然のことながら長時間の輸送に耐えることになる。軽くて小さいスナック菓子で、袋にそのまま入っているという形態のために輸送中の衝撃をいかに減らすかというのは、輸送コストを抑え、破損などによるロスを防ぐためにも重要な課題だ。

その答えが、真ん中に開けた穴なのである。穴を開けていることで衝撃が分散されて壊れにくくなるのだ。また、穴があることで、サクッとした歯ごたえが増して、食感もよくなるのだという。

税別標準小売価格10円といううまい棒だが、その価格で提供し続けるための企業努力があの棒の中に詰まっているのである。

日清のカップヌードル、カレー味だけ麺が太い理由

カップヌードル
即席麺の生みの親・安藤百福が手がけたヒット商品が日清食品のカップヌードルだ。お湯を注げばどこでも3分で食べられるというコンセプトで、1971年に発売され、1972年の浅間山荘事件のニュース映像で機動隊員が食べていたこともあって大ヒットとなった。

2019年度には国内だけで年間売り上げ1000億円を達成するなど、現在に至るまで根強い人気を誇っている。

発売当初は1種類だったカップヌードルの味も、現在ではバラエティ豊かになっており、人気ランキングでは定番のしょうゆ、シーフード、カレー味などが上位を占めている。

ロングセラー商品に共通しているのが、選ばれ続けるための細部へのこだわりである。当然カップヌードルにもさまざまな工夫が施されているが、ここで注目したいのが麺の太さだ。

ほとんどの種類で麺の太さは約2ミリと決められている。しかし、人気のカレー味だけは3ミリの麺が使われているのだ。

その理由は、濃いスープに麺の味が負けないためだという。麺が太くなればひと口に入る麺の本数は少なくなり、麺の間に絡むスープの量も減る。パンチのきいたカレー味のスープと麺とのバランスがとれるように調整されているのだ。

たしかに、イタリアのパスタも濃い味のソースには太めの麺を合わせることが多い。カップヌードルは、進化を続けながらも料理の基本を忠実に守っている、まさに王道の定番商品といえるのかもしれない。

かっぱえびせんが1本5センチなワケとは

かっぱえびせん
やめられないとまらない! というフレーズでおなじみなのがカルビーの「かっぱえびせん」だ。年間総売り上げは100億円規模で、日本人なら誰もが知っているスナック菓子のひとつである。

おいしさの秘密はいろいろあるようだが、そのかたちにもあとを引くおいしさを出すための工夫が凝らされている。

まずその長さだが、1本=5センチときちんと決められている。これはカリカリと噛みながら口に入れると、長すぎず短すぎずで、ついついもう1本と食べ続けてしまう長さなのだという。

また、表面のミゾにも決まりがある。えびせんの表面には1本につき10前後のミゾが入っている。このミゾに塩の粒が入り込んで、味が絡みやすくなっているのだ。

かっぱえびせんは1964年に発売され、たちまち大人気の商品となった。しかし、国内では大ヒットをしたものの、次は海外進出だと意気込んでアメリカで発売したところ、結果は惨敗となってしまう。

日本人は世界でまれにみるえび好きの国民で、えびせんの味になじみがあった。しかし、アメリカにはえびを食べる習慣がそれほどなかったために広く受け入れられなかったようだ。

しかし、この経験をバネにしてカルビーが開発したのがポテトチップスだ。フライドポテトが大好きな国民性のアメリカで売るために、試行錯誤の末に大ヒット商品となるポテトチップスを開発したのである。

コンビーフの台形缶はなぜ生まれた?

コンビーフ
コンビーフとは、味がついている牛肉のことで、いろいろな料理に使われ、非常食やアウトドアでの手軽な食材としても人気がある。そのコンビーフをいっそう有名にしたデザインがある。

それが、ノザキのコンビーフだ。缶詰としては珍しい台形で、独特の“カギ”を使って台形の下の部分をクルクルと巻き取りながら開けるやり方には、ほかの缶詰にはない独自性があった。

そんな独特の台形が生まれたワケはこうだ。

肉は、空気に触れると酸化するという欠点がある。じつは、その欠点を補うために台形の缶が生まれたのである。

工場では面積の小さいほうを下にして、広いほうの上から肉を詰めながら同時に空気を抜いていき、肉の酸化を防いでいる。

たしかにノザキのコンビーフを開けると、隙間なく肉がギッシリと詰まっていて、空気の入る余地がない。台形の缶が肉のおいしさを守っているというわけだ。

ただ、あの独特の台形の缶詰は、工場の生産ラインの老朽化のために2020年の1月で製造を終えた。現在は、もう少し開けやすいかたちになっているのだが、おいしさが変わらないのはいうまでもない。

マヨネーズの口が「星のかたち」になったワケ

マヨネーズ
一時期「マヨラー」という言葉が流行語になったこともあるほど、マヨネーズは大人にも子どもにも人気の商品だ。マヨネーズの最大手メーカーであるキユーピーの製品は、現在本体の星型の絞り口にかぶせて細い3つ穴のダブルキャップで売られている。

3つ穴のキャップがついたのは2018年のことで、それまでは1つ穴の細口のダブルキャップがついていた。

しかし、本体の口は星型で不変であり、マヨネーズといえば星型の絞り口というイメージはすっかり根づいているといっていいだろう。

話は戻るが、キユーピーがびん入りのマヨネーズの販売を開始したのは1925年のことだ。それがポリボトル容器に替わったのが1958年で、その当時は太い円形の絞り口が採用されていた。

しかし、その絞り口ではあまり見栄えがよくなかったことから、いくつかの絞り口キャップをおまけとしてつけてみたところ、その中で一番人気があったのが星型の絞り口だった。戦後の高度経済成長のなか、欧米文化の影響もあって家庭料理もおしゃれに食べたいという消費者のニーズが、マヨネーズを星形に絞り出せるキャップにぴったりと合致したのだろう。

1972年には星型の絞り口を正式に製品に採用し、それ以降、2005年に細口のダブルキャップ、2018年に3つ穴のダブルキャップを採用した以外は、変わらないデザインとして使われ続けているのである。

 

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知的生活追跡班

忙しい現代人としては、必要な情報だけすぐ欲しい、タメになることだけ知りたい、と思うもの。けれど実際、世の中そう簡単にはいかない――そんなニーズに応えるべく結成された知的集団。あらゆる最新情報の肝心なところだけを、即座にお届けするのを使命としている。