たったひと言が‟極上のプレゼント”に! できる大人の言葉の選び方

同じ事実、同じ出来事なのに、選ぶ言葉によって相手に与える影響は大きく変わります。あなたの「小さな言葉のプレゼント」が、出逢う人に「大きな喜びと感動」を与える――。そんな言葉の使い方を、実際に言葉によって人生を大きく変えた松本秀男さんが教えてくれました。

美味しさ以上に気持ちが伝わる手土産の渡し方

昭和の頃までの日本人は、手て土産みやげを渡す時に「つまらないものですが」「お口汚しで」などと謙遜することが礼儀であり、それが普通の言い方でした。

さすがに最近は「つまらないもの? そんなの持っていったら、それこそ失礼でしょ?」と変わってきました。さらに、お土産の品を一所懸命に作っている人のことを考えれば、「つまらない」は失礼極まりません。ですから最近はあまり強い謙遜の言葉を聞かなくなってきています。私はいいことだと思っています。

そんな中で、お土産やギフトがさらに嬉しく感じる言葉を最近よく聞くようになりました。「これ、京都で今、すごく人気のお菓子なんです」とか「美味しいんですよ、すごくやわらかくて」とか、「福岡に行ったら必ず買ってくるんです」という、まさにオススメの言葉を添えてくれることが多くなりました。

つまりはプレゼンテーションですね。お土産を届ける相手のために、いいものをしっかりと選んできましたよ、という気持ちが伝わります。

仕事でも学校でも日常でも、今はプレゼンテーションのスキルが重要視されています。モノが溢れ、情報も溢れている時代。昔のように謙遜したり、卑下したりしていては、自分の良さもモノの良さも伝わらなくなっています。また、謙遜せずに自分の良さやモノの良さをしっかりと伝えたいということは、それがきっと相手の役に立ち、相手が喜ぶ自信があるから、と伝わりますよね。

さらに最近、もっとお土産やギフトが嬉しく感じる言いかえに出会いました。

「これ、ぜひ、松本さんに食べてもらいたくて!」

いかがでしょう。この言い方、キュンときてしまいませんか?

「これ、すごく美味しかったから、ぜひあの人に食べさせたい」。人は自分の喜びの感情を共有したくなるのは、自分が敬意や好意を持っている相手だと言います。

「松本さんに食べてもらいたい!」という言葉には、お土産の美味しさだけでなく、その人の気持ちがたっぷりとこめられてますよね。コンビニのお菓子でも効いてしまいます。

「今、人気のお菓子なんです」→「○○さんに食べてもらいたくて!」

幸せは○○すると増幅させることができる

休日だったと思います。大阪でふらっと入ったあるレストランでのこと。隣の席のご夫婦が、とても幸せそうに食事をしていました。

旦那さんも奥さんも終始笑顔で、

「おいしいね〜」

「うん、うんまいうまい!」

と、何を口に運んでも美味しそうです。

そのご夫婦の向こうで、別のご夫婦が食事をしていました。こちらは、ほぼ無言。

もちろん仲は悪くもなさそうですが、特に会話がはずむこともなく、何を食べてもとりわけ感想を言うでもなく。まあ、当然いろんなご夫婦もいらっしゃるでしょうけれど。

同じレストランで、同じような料理を食べても、人の反応や、思うところや、もっと言ったら、幸せの感じ方が、こうも違うもんだと、あらためて思いました。どちらがいいとかどうとかではなくて、どちらになりたいかと言えば、やはり前者かなと思います。

幸せは、同じように私たちのテーブルに運ばれてきます。それを幸せと思うか、当たり前のように思うのか。それはやはり、私たち次第なのですよね。

幸せって、やはり私たちの外にあるのではなくて、私たちの内側にあるもの。幸せは、どこか知らないところにあるものではなくて、私たちの目の前にあるもの。もっと言ったら、幸せは、私たちの在り方次第なんだなと。

幸せになりたい、と、私たち誰もが思いますが、幸せは今すぐ自分の中に見つけられるものなのだと思います。

遠く彼方の幸せは、実は幻想かもしれない。幸せは、今、ここにあるんですよね。 そして、幸せは言葉にすると、増幅されるのだと思います。

なぜなら私たちは、言葉で幸せを確認しているのですから。

あっ、ちなみに、そのレストランは、みなさまおなじみ、牛丼の吉野家さんでした。

無言で食事→笑顔で「おいしい!」

「あいさつ」がワンランクアップする魔法の「一文字」

私がほめ達(日本ほめる達人協会)の企業研修や講演などでオススメしている「ほめずにほめる方法」というのがあります。

ほめ達になると、むしろほめ言葉を言わなくても相手をほめることができる。ちょっとした言葉の選び方や態度だけでも、相手をほめることができてしまいます。

その一つが「あいさつ」です。普段の「あいさつ」を少し変えるだけで、相手をほめることになる。ほめ達では「ふた言あいさつ」をオススメしています。たとえばいつもの「おはよう」にひと言加えて、ふた言にしてみる。

「おはようございます! 今日も寒いですねえ」

「おはようございます! 昨日のラグビー、熱かったっす!」

「おはようございます。松本さん、朝からうれしそうですね。なんかあったんですか?」

いつもの「おはよう」にひと言足されただけで、言われているほうにしてみると、「うちの上司は私に向き合ってくれているな」「あの人、私を認めてくれているな」「この職場は私の居場所だな」そんなふうに思えます。

ふた言目は言葉でなくてもワンアクションでもオッケーです。誰かに「おはようございます」と言われた時に、自分がパソコン作業をしていたとしたら、ちょっと相手のほうに向き直って「おはよう!」と言ってあげる。それだけでも相手にはまったく違ったあいさつになります。

さらには「あ、おはよう!」「お! おはよう!」という一文字でもオッケー。「あ、」「お!」と目を見て言ってくれるだけでも、言われた自分としては嬉しいですよね。

これは職場の廊下ですれ違った時なんかでもいい感じになります。「おはようございます」や「こんにちは」のタイミングでなくても大丈夫。「あ、松本さん!」「お、どうも!」などでも気持ちが伝わりますよね。あなたのことを大切に思っているという気持ちが。

ほめるというとちょっとハードルが高いと思われる方には特にオススメです。

「あ、」や「お!」の一文字だけ、今日から誰かにプレゼントしてみてはいかがでしょうか?

「おはよう」→「あ、おはよう!」

 

PROFILE
松本秀男

一般社団法人日本ほめる達人協会専務理事。国学院大学を卒業後、歌手さだまさし氏のマネージャーを経て、家業のガソリンスタンドを再建。45歳で外資最大手のAIU保険の代理店研修生に。そのコミュニケーション力で数々の成果をあげ、トップ営業、本社経営企画部のマネージャーとして社長賞を受賞するなど、まわりにムーブメントを起こす感動エピソードを生み出し続けた。組織を動かし、家庭まで元気にする達人として活躍中。