暴落も問題ナシ! 投資初心者が老後資金をつくるたった1つの方法

以前話題になった「老後2000万円問題」を例に出すまでもなく、老後資金の不安を抱えている人は数多くいます。そこで必要になるのが「投資」ですが、いざ実行しようとしても、投資に対する誤ったイメージや疑問が壁になっているようです。そこで、一般投資家向けに投資の啓蒙活動をしている上地明徳さんに、貯金ゼロでも、経済知識ゼロでも老後資金を無理なく2倍にできる方法を教えてもらいました。

「投資」には3つの種類がある

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「投資」っていうと「損をする・危険・難しい・ギャンブル」という、マイナスのイメージですよね。

上地 本当は、投資にもいろいろな種類があって、すべてがギャンブル性の高い投資というわけではないんです。

一般向けの投資には大きく分けて3種類があると私は考えています。一つは株式や投資信託で市場の上がり下がりを予測して売買を繰り返す「短期投資」。相場を読んで値上がりしそうなものを先回りして購入する、賭けの要素が強い資産運用です。

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一般的に投資といって思い浮かべるイメージがそれです。

上地 二つめが、株式の信用取引やFXのレバレッジ取引など、短期的に一攫千金を狙う「投機」です。手っ取り早く稼ぐことも可能ですが、失うのもあっという間。資産運用ではなく、ギャンブルに近いものです。

そして三つめが、投資信託を使って、「長期・分散・積立」でお金を増やす資産運用です。これは賭けの要素がほとんどなく、世界経済が長期的に成長する限り失敗しない手法なので、老後資金作りには最適の運用手法です。欧米の年金基金もこの手法で年金財源を増やしていて、日本人が知らないだけで、世界ではごく常識的な運用方法です。

外国株式インデックスが老後資産作りに向いている理由

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「長期・分散・積立」投資をするには、どうしたらいいんでしょうか?

上地 インデックス・ファンドを使って「長期・分散・積立」投資を実践すること。ただ、それだけです。インデックスとは「指数」という意味で、日本で言えば、日経平均株価やTOPIXなどがそれにあたります。そういった指数に連動して値動きするように作られた投資信託がインデックス・ファンドです。

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では、日経平均のインデックス・ファンドを買えばいいのですか?

上地 いいえ。日本株だけでは「分散投資」になりません。それに、日本人だからといって、日本株に投資する必要もありません。むしろ、投資入門者には「外国株式インデックス・ファンド」をおすすめします。

「外国株式インデックス・ファンド」1本だけでも先進国22ヵ国に分散されていますので、「長期・分散・積立」投資がそれだけで可能になるからです。

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外国株式インデックス・ファンドに投資すると本当に儲かるんでしょうか?

上地 論より証拠。外国株式インデックスのチャートを見てみましょう(図1)。1970年から2019年までの長期間のチャートですが、短期的には上がったり下がったりを繰り返していますが、長期的には上がり続けているのがわかります。この49年間で年率平均7.6%の上昇率で、100万円が3696万円になったということです。

図1

リーマンショック級の暴落が来ても心配ない!?

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でも、投資である以上、損することもありますよね。今後、リーマンショックのような大暴落がふたたび起きるんじゃないですか?

上地 もちろん、投資にはリスクはあります。でも、積立投資なら、それを最小限に抑えることも可能です。図2をご覧ください。ITバブルの頂点で投資を始めて、10年後にリーマンショックに直面したことを表すチャートです。

図02

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どのくらいの損が出たんですか?

上地 ITバブルの頂点(A点:2000年12月)で一括投資をしていると、リーマンショックの暴落で2009年1月(D点)では-35%、そして完全に元本回復を遂げたのは2012年8月(E点)のことでした。

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ということは、たとえば、100万円のお金をITバブルの頂点近辺で一括投資した場合、一時は35万円を損したということですね。かなり凹みますね。積立投資だったら、どうだったんでしょうか?

上地 では、図3をご覧ください。直線が積立総額で、折れ線が実際の資産額になります。折れ線が直線より上に来ていれば、利益が出ているということです。

リーマンショック(D点)ではマイナスにはなりますが、一括投資ほど大きな損失が生じていません。その3年後の2012年2月末(E点)にはプラスに転じ、その翌年には33%の利益、更にその翌年には77%の利益、そしてD点から10年後の2019年2月には、積立総額に対して2.3倍と大きな利益を生み出しています

図03

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リーマンショックでもそれほど大きなマイナスにはならず、そのまま運用を続けていれば、長期的には大きな利益を生んだ、ということですね。

上地 はい。だから「老後資金」作りに最適なんです。「長期・分散・積立」投資は、たとえ大きな暴落があっても、損失が大きくなりにくく、また、長期的に上昇しさえすれば利益が生まれる仕組みになっているからです。

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なるほど、だから「長期・分散・積立」投資がおすすめなんですね。よくわかりました!

上地 次回は、長期的に資産を2倍以上に増やす「長期・分散・積立」投資の具体的な手法について、紹介していきます。

 

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PROFILE
上地明徳

1958年東京生まれ。オンライン金融ビジネススクール「上地ゼミ」主催者、一般向けには同じくオンラインで学べる「アール宅配便」を通じて長期国際分散投資の啓蒙活動を行う。また、信州大学経営大学院特任教授としてファイナンス科目を担当。 早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了、 米国モルガン・スタンレー証券にトレーダーとして入社。 1998年、日本初の投資信託専門証券会社の設立に参画、同社にて専務取締役。その後、米国大手資産運用会社にてアドバイザーを歴任。『ダマされたくない人の資産運用術』(小社刊)のほか著書・論文多数。2014年、大阪銀行協会より論文『銀行の投資信託販売と投資家の行動バイアス』で優秀賞を受賞。2016年、『年金民営化の経済分析』で特別賞受賞。