まず玄関を片づけると、いつの間にか家全体がキレイになる理由

「家の片づけができない……」という方は多いですが、“とりあえず玄関だけ”をスッキリさせてみませんか? 玄関はどの家庭でも比較的狭く、置くモノも決まっているため、片づけが苦手な人でも取り組みやすい場所。そして「家の顔」である玄関がキレイになると、片づけスパイラル効果にスイッチが入り、リビング、キッチンにも手をつけたくなります! 気づいたときには、いつでも人を呼べる家、居心地良くなる部屋に大変身。ぜひ試してみてください。

現状を変えたかったら 玄関を片づけよう

よその家に伺ったときに、くつろげる家もあれば、落ち着かない家もある。そう感じたことはありませんか? たまの来客が気づくのであれば、毎日そこで暮らす家族は日々、無意識にくつろぎ、または落ち着かなさを感じているはずです。

「居は気を移す」という孟子の言葉から、パナソニック創業者の故・松下幸之助が住まいに関して、「家は単に雨露がしのげ、心身のおきどころになればよいというのではない」といった主旨のことを言っていました。このように、住まいの環境はそこに住む人の心理面に作用してきます。

人は環境で大きく変わります。「部屋の乱れは心の乱れ」というように、部屋が散らかるから心が落ち着かないのか、精神的に不安定だから部屋が散らかるのか。いずれにしても環境と精神的なものはつながっているということです。

学生時代など、図書館に行くと勉強や考えごとがはかどりませんでしたか? それは、空間がスッキリしているから頭に余計な映像(景色)が入ってこず、集中できるからです。

また、同じような朝食でもホテルのテーブルで食べるのと、モノであふれている自宅のダイニングで食べるのでは、どちらが美味しく感じますか? どちらも同じように床があって、壁があって、天井があります。違うのは、モノがたくさん目に入るか、入らないかなのです。

人間関係が、仕事が、どうもうまくいかない。なぜかイライラする。いつも家族と口論になる…。そんなふうに感じたら、家の入り口である玄関をきれいにしてみませんか?

なぜ「玄関から」始めるといいのか

玄関は、どの家庭でも比較的スペースが狭いものです。そのうえ、靴や傘をはじめ、収納するモノが明確なので、片づけが苦手な人でも取り組みやすい場所といえます。

家の中に1か所、きれいなスペースができあがる。すると、ほかの場所もきれいにしたくな ってくる。たとえば床の一部が汚れ、そこだけ拭き掃除をしてピカピカになったら、「はい、それで終わり」とは思えないですよね。ほかの部分も同じようにきれいにしようとします。

それと同じで、玄関だけきれいになったら、その先にあるホールやリビングが気になってきます。玄関、ホール、リビングがきれいになったら、キッチンや寝室も気になってくる。自然と次の場所に手をつけたくなる「片づけスパイラル」を感じられます

最初から家じゅう全部をきれいにしようと気負わず、小さなところから、できるところから、無理なく始める。すると、不思議とどんどん家じゅうがスッキリしてくる。

この「片づけスパイラル」効果にスイッチを入れるのが、「玄関から始める片づけ」の習慣なのです。

玄関をいつもキレイに保つコツ

まず、玄関の片づけと掃除を2週間続けてください。朝または晩のどちらかでもよいので、三和土たたき(玄関の床)の掃き掃除と、玄関全体に余計なモノが出ていないかのチェックを毎日おこないます。

そして、玄関はモノを置く場所ではないので、三和土には余計なモノを置かないよう意識します。たとえば、荷物が届いたら、すぐに部屋の入り口へ移動。部屋の入り口だと邪魔になるので 早々に開封し、箱も潰してしまいます。

靴箱の収納も「スッキリ」が大事。靴をたくさん詰め込むと臭うので、隙間を空けて収納しています。靴がきれいに並んでいると崩したくなくて、無駄に増やさないようになりました。

玄関には靴以外にも、靴磨きや印鑑など「玄関で使うモノ」も収納していますが、靴箱に余裕があれば無理なく収めることができます。

「玄関で使うモノ」は玄関に置く

◎玄関掃除用のほうきも常備

ほうき

三和土は枯れ葉や泥で汚れやすいので、ほうきを靴箱の扉に収納。汚くなったらその場で掃除できるので、いつもきれいな玄関に。

◎宅急便や町内会費の集金に備えて

玄関グッズ

玄関先で押印することも多いので、靴箱扉の内側にポケット型収納を下げ、印鑑を入れておくと便利です。一緒 に使う集金表も入れて。

◎濡れた傘用の傘立てを用意

濡れた傘立て

濡れた傘は一時的に玄関の傘立てに差し、乾いてから靴箱の中へ。ただ、普段はここに傘を差しっぱなしにしないようにしています。

靴は使用頻度に合わせて収納

使いやすい靴箱だとしまう習慣ができて散らからない! よく履く靴は取り出しやすい中段に収納しています。

はきたい靴をすぐ見つけられる靴箱

収納はわかりやすさも 大事。普段よく履く靴は色別で分けてぱっと選べるようにしました。靴を入れすぎないのも大事なポイント。
狭い靴箱を有効に使うアイデア

◎靴磨きグッズはまとめて収納

玄関グッズ

靴磨きのクリームやスポンジなどはすぐ使えるようカゴに入れて。

◎スペースを増やすグッズもアリ

玄関グッズ

靴箱が小さい場合は、縦に2足しまえる100均グッズを活用しても。

◎折り畳み傘はケースに入れて収納

玄関グッズ

折り畳み傘は小さいので、埋もれないように専用ケースを設置。

◎オフシーズンの靴はクローゼットへ

玄関グッズ

靴箱に入り切らない分は靴ケースに入れてクローゼットなどに移動。

 
PROFILE
広沢かつみ

5S研修や収納コーディネートなどをおこなうコレモッタ株式会社代表取締役。アジア圏で整理収納や食品ロスなどの資格講座を開催する一般社団法人日本専門家検定協会代表理事。リフォーム雑誌の編集長時代に、新しくなった住まいでも散らかっている家庭を目の当たりにし、「片づいていること」の大切さを痛感して独立。雑誌や新聞の執筆連載、片づけ相談などあわせて2000件以上の片づけ・収納に関する相談を受ける。企業・教育関係の講演会やセミナー講師も務め、「片づけの基本と具体的な事例がわかりやすい」と定評がある。また、札幌市のゴミ減量に関するリーフレット監修も4期にわたり務めている。

図と写真でわかる 玄関から始める片づいた暮らし

図と写真でわかる 玄関から始める片づいた暮らし

  • 作者:広沢 かつみ
  • 発売日: 2020/12/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)