今年こそ続けられる!「早起き」を習慣化した人のちょっとした工夫

「良いとわかっていても続かないこと」の代表格とも言える“早起き”。いったいどうすれば、毎朝早く起きられるようになるのでしょうか。朝型生活を実践することで、「毎日残業のダメ営業マン」から「毎日定時で帰れるトップ営業マン」に変身したという菊原智明氏に、無理のない早起き習慣の始め方について教えていただきました。

早起きは「3日坊主で終わる」方が自然!?

「これからは心を入れかえて朝型にするぞ!」

こう意気込んで、これまで7時30分に起きていたのを、2時間早くして、5時30分に起きるようにしたとしましょう。しかし、根性で起きたはいいものの、一日中頭がボーッとして使いものにならないでしょうし、3日と続かずに挫折するのが関の山です。

そこで、無理なく早起きを習慣化するために私から提案したいのは、「30分の早起き」を目標にすることです。たとえば、毎日7時30分に起きている人なら、いつもより30分早い7時に起きることを目指します。

そして、この30分の早起きを確実に成功させるために、まずは「1日1分の早起き」を実践してみましょう。「えっ! たった1分でいいの?」と思うかもしれせん。1日1分だとしても5日後には5分、10日後には10分早起きすることが可能になります。1ヵ月後には、キチンと30分の時間が手に入ります。

早起きは、ダイエット以上にリバウンド力が強く働きます。今までのんびり寝ていた人が、さあ早起きするぞと決意しても、挫折して元に戻ります。無理してリバウンドするくらいであれば、1日1分を積み重ねたほうが確実です。

人間には、「現状維持機能」というものが備わっています。これをホメオスタシスと言い、新しい変化に抵抗し、いつも通りの生活パターンを維持しようとするのです。人間の体にとって変化は危険であり脅威です。それは早起きに対しても言えることです。

多くの人が早起きを始めても3日坊主で終わってしまうのは、現状維持機能によりストップがかかるからです。

根性がないとか、体質だとかということではないのです。しかし、さすがの現状維持機能も1日1分では気がつきません。ここに早起き成功の秘訣があるのです。

「潜在意識」をいかにうまく使えるかが分かれ道

現状維持機能のメカニズムについて、もう少し詳しく説明しましょう。現状維持機能は、潜在意識と密接に結びついています。

人の意識には、顕在意識と潜在意識があるのはご存知でしょう。よく氷山の一角として表現されますが、〝顕在意識1割、潜在意識9割〟といった比率になります。無意識の潜在意識のほうがはるかに大きな力を持っているということです。

しかも潜在意識は、影響力があるうえに扱いが難しいのです。自分の思い通りに動いてくれません。

頭では、「早起きが自分にとってプラスである」とわかりきっています。しかし、潜在意識は《あれ?いつもと違うぞ。止めないと》と判断してしまいます。自分の意志とはうらはらにブレーキがかかり、《こんな無理をして早く起きる必要はない》という気になり、無意識に止めにかかってしまうのです。

もちろん潜在意識に悪気があるわけではありません。ご主人である肉体を守ろうと、新しい習慣にストップをかけるのですから。早起きを習慣化するためには、この壁を乗り越えなくてはなりません。1日1分であれば潜在意識も脅威だと判断しません。

そもそも1分なら誤差の範囲内ですし、新しい習慣だとは気がつかないのです。この隙をついて1日1分を積み重ねていきます。そうすることで、いつの間にか30分の時間ができているのです。

習慣化してしまえばこっちのものです。こうなれば、今度は30分早く起きるのが通常になり、寝坊することのほうが異常になります。

逆に、その習慣を止めようとすると、《毎日続けているんだから》と、やらないと気持ち悪く感じるようになります。今度は、潜在意識がいい習慣を続けようとアシストしてくれるのです。潜在意識とは、いわば「とっつきは悪いが、一度打ち解けると良くしてくれる頑固な職人さん」のような感じです。味方になれば強い存在になります。

「否定形を認識できない」という特徴に注意!

潜在意識について、もう一つ知っておいてほしいことがあります。潜在意識は〝望んでいることを現実化させようとする〟という機能があります。指令を出せば、主人の夢を叶えさせようと、あらゆる情報を集めてくれます。

ただし、この機能も扱い方に注意が必要です。使い方を誤ると逆に作用してしまうからです。たとえば、《明日は寝坊しないようにしたい》と思ったとします。潜在意識は〝否定形を認識できない〟という特徴があります。主人がインプットした〝寝坊したくない〟という言葉は、〝寝坊〟というキーワードだけが脳に深く刻まれます。

すると潜在意識は《これは寝坊を望んでいるのだな》と判断し、実現させてしまうのです。これは皆さんも日常的に経験しているはずです。たとえば、ゴルフで「絶対に池に入れないように」と思えば思うほどミスをして、見事に池に入れてしまうものです。

では、どうすればいいのでしょうか。一つの方法として、潜在意識が勘違いしないように、否定形の言葉を避けて、実現したいことを〝見える化〟しておくことです。具体的には、早起きについての目標を手帳やスマホのメモに書いておくのです。たとえば、

・朝は気持ち良くスカッと起きられる
・朝から脳も体も動く
・私は朝に強い

といった感じです。しっかり文字にしておき、何度も繰り返し見るようにします。何度も何度も正しくインプットされれば《あぁ、こっちを望んでいるのか、よし! 手助けするぞ》と味方になってくれます。

常に目につくようにパソコンの待ち受け画面にするのもお勧めです。1日に5回、10回と正しくインプットすれば、潜在意識は勘違いしなくなります。スマホなどでも構いません。とにかく見る回数が多ければ多いほど、正しい命令が脳にインプットされていきます。そうすればスムーズに現実化するのです。

潜在意識は不器用ですが、力強い味方であることは間違いありません。正しい指令がインプットされた時、早起きの習慣化は間違いなく成功します。

朝の時間が増えたら、あなたは何がしたいか

最終的な目標は30分早く起きることの習慣化ですが、そこに至るまでは5分、10分、20分、30分と分けて目標を設定するようにしましょう。このように目標を4分割することで、朝活へのモチベーションが維持できます。

ここで注意点があります。この段階では、目標は「仕事に役立つから」とか「自分のためになるから」といって、勉強やツラい運動などを設定しないようにしてください。

ここでの目標には、ご褒美的な楽しいことを選びましょう。その理由は、早起きを習慣化するためには、気持ちを「起きなきゃいけない」ではなく、「起きたい」にする必要があるからです。そのためには、楽しみを朝イチに持っていくといいのです。

あなたも子どもの頃、「遠足の日は目覚めが良かった」という経験があると思います。大人になると「旅行やゴルフの日だけはスカッと目覚められる」という感じでしょうか。どういうわけか朝が弱い人も、翌日に楽しい予定がある日は気持ち良く目覚められるものです。

とにかく体が慣れるまでは、自分が好きなこと、気持ちがいいことを紙に書いて見える化してください。

目標は楽しい気分になることなら何でも構いません。5分、10分、20分、30分と朝の時間ができたら何をしたいかという目標を立ててください。
たとえば、

・5分……好きな飲み物(コーヒー、ハーブティー、タピオカミルクティー)を味わって飲む
・10分……スイーツを食べる
・20分……朝シャワー、スマホゲーム
・30分……好きな本を読む、趣味の時間として使う

といった感じです。

くれぐれも欲を出して、仕事に関する目標を設定しないようにしてください。体は正直で、少しでも「明日起きるのが嫌だなあ」と感じられれば、習慣化は難しくなります。

30分早起きできるようなり、十分習慣化したと感じたら、より本来の目的に近いものにバーションアップしても構いません。でも、無理はしないようにしてください。30分早起きできるようなったからといって、30分まるまる仕事関係に使うのではなく、半分は楽しみにしてもいいでしょう。

気持ちを「起きなきゃいけない」ではなく、「起きたい」に変えれば、どんなに怠けグセがある人でも楽に習慣化できるようになります。「早く明日にならないかなぁ」とソワソワしながら寝る気持ち良さ、そして翌日ワクワクして目覚める爽快感をぜひ味わってください。

 
PROFILE
菊原智明

営業コンサルタント・関東学園大学経済学部講師。95年に大学卒業後、トヨタホームに入社。7年間、クビ寸前の売れない営業マン時代を過ごすも、お客様へのアプローチを変えた結果、4年連続トップ営業マンに躍進。2004年には全国№1営業マンの座も獲得する。 06年に独立し、営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。営業マンに向けての研修、コンサルティング活動等を行い、現在までに3000人を超える営業マンの育成に携わってきている。10年からは、日本で初めて大学生に向けた実践的な“営業の授業"も担当。また、社団法人営業人材教育協会の理事として、営業を教える講師の育成にも取り組んでいる。

朝30分早く起きるだけで仕事も人生もうまく回りだす

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  • 作者:菊原 智明
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