「世論調査」でわかった意味の取り違えが多い言葉
以下の言葉について、あなたは意味を正しく理解して使えているでしょうか?
破天荒
本来の意味は「誰も成しえなかったことをすること」。それなのに、文化庁が行っている「国語に関する世論調査」では、64.2%の人が「豪快で大胆な様子」という意味だと思っていた言葉。
御の字
本来の意味は「大いにありがたい」。「調査」では、51.4%の人が「一応、納得できる」という意味だと思っていた言葉。
敷居が高い
本来の意味は「相手に不義理をして、行きにくい」なのに、45.6%の人が「高級すぎたり、上品すぎたりして、入りにくい」という意味だと思っていた言葉。
さわり
本来の意味は「話などの要点」。ところが、59.3%もの人が「話などの最初の部分」だと思っていた言葉。
憮然
本来の意味は「失望してぼんやりしている様子」なのに、69.4%もの人が「腹を立てている様子」だと思っていた熟語。
檄を飛ばす
本来の意味は「自分の主張や考えを広く世に知らせること」だが、74.1%もの人が「元気のない者に刺激を与えて活気づけること」と思っていた言葉。
やおら
本来の意味は「ゆっくりと」。それなのに、43.7%の人が「急に」「いきなり」という意味だと思っていた。
姑息
本来の意味は「一時しのぎ」だが、69.8%もの人が「ひきょうな」という意味だと思っていた言葉。「姑息な手段」はひきょうな手段ではなく、一時しのぎの手段。
雨模様
本来の意味は「雨が降りそうな様子」だが、47.5%もの人が「小雨が降ったりやんだりしている様子」という意味だと思っていた言葉。
にやける
本来の意味は「なよなよしている」だが、76.5%もの人が「薄笑いを浮かべている」という意味だと思っていた言葉。
うがった見方をする
本来の意味は「物事の本質をとらえた見方をする」だが、48.2%もの人が「疑ってかかるような見方をする」という意味だと思っていた言葉。
失笑する
本来の意味は「こらえきれず吹き出して笑う」だが、60.4%もの人が「笑いもでないくらいあきれる」という意味だと思っていた言葉。
やぶさかでない
本来の意味は「喜んでする」だが、43.7%もの人が「仕方なくする」という意味だと思っていた言葉。
おもむろに
本来の意味は「ゆっくりと」だが、40.8%の人が「不意に」という意味だと思っていた言葉。「おもむろに起き上がる」はゆっくり起き上がるという意味。
“言葉のプロ”も意味を取り違えやすい言葉
秋の夜長
NHKでは、秋分の日から11月初旬まで使い、それ以降は使わないようにしている。例年、11月7日頃が「立冬」に当たり、それ以降は暦の上では冬になるためだろう。
間一髪アウト
プロの書き手の間でも、「変だよ」「許容範囲だよ」と議論になる語。「間一髪」は、今にも危険な状態になりそうなときに使う語であり、「間一髪セーフ」なら、「もう少しでアウトというところで切り抜け、セーフ」という意味が成立する。一方、「間一髪アウト」は、最終的にアウトになり、危機を切り抜けていないため、会話はともかく、文章に使うのはNGと感じる書き手もいる。
(春や初夏に)さわやかな季節
「さわやか」は俳句では秋の季語で、空気がよく乾いた秋晴れの日にふさわしい形容詞。春や初夏の天気のいい日に使うのは不適切と感じる、言葉のニュアンスに敏感な人もいる。
じりじりと遅れていく
「じりじり」は、「近づいていく」ときに使う副詞。テレビ・ラジオ局では、マラソンや駅伝の実況放送で、「じりじりと遅れていく」とアナウンスしないように指導している。ただし、現実には「じりじりと引き離されていきます」などと、遅れていく形容にも使われている。
名前負けする
近年、とりわけスポーツ関係で、「名前負け」を「相手の名前に対してひるむ」という意味で使うケースが目立っている。これは誤用で、正しい意味は、(自分の)名前が立派すぎて、実力が伴わないこと。
(一人の)名選手を輩出する
「輩出する」は複数の人材が世に出ることで、「数々の名選手を輩出した高校」のように使う。「松井選手を輩出した高校」のように、対象が一人の場合に使うのは誤用になる。
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