中学生の勉強に親のサポートは必要?過干渉? 高校受験成功の心得

親が手伝うほど自立は早くなる

行きたい高校が定まり、やる気もアップして自ら勉強している。普通なら成績も上がり、志望校に合格できるはず。でもそれだけでは志望校に合格できない子もいます。それは「一人で勉強できないタイプの子」です。

たとえば、勉強の仕方がわからない子の場合、親が教えることが重要です。放っておいても、机の前に座っているだけで勉強が進まないからです。

また、やる気はあるのに、勉強を始めて5分もするとつい他のことに意識がいってしまう子もいます。こういった子も、親が勉強に意識を向けることが大事です。子どもだけだと勉強時間が増えていかないので、実力がつかないからです。

このように、一人で勉強できない子は、親が上手にサポートすることで成績が上がります。

こういった話をすると必ずいただく質問があります。それは、
「親がいつまでも勉強を手伝っていたら、子どもが自立できなくなるのではないでしょうか」
「いつまでたっても、一人で勉強しなくなるのではないでしょうか」
というものです。

その気持ち、すごくわかります。確かに親が勉強を手伝っていたら、いつまでたっても子どもは「お母さん手伝って」「お父さん、これやっといて」と言いそうな気がしますよね。しかし、現実は違うんです。

子どもというのは、親が手伝えば手伝うほど、早く自立できるようになります。

お子さんがまだ幼少期だったころを思い出してみてください。たとえば1歳だったころ、まだ一人で服を着ることはできなかったはずです。そんなとき、あなたが服を着せていたと思います。

では、今はどうでしょうか?「お母さん、服着せて」と言う子はいないですよね。いつの間にか、子どもは自分で服が着られるようになっているのです。子どもは「自分でできるようになったら、勝手に自立して」いきます。

勉強も同じです。勉強の仕方がわからない子の場合、親が教えてあげることで少しずつ一人でできるようになります。一人で勉強すると集中力が欠けてしまう子の場合、親がサポートすることで、徐々に集中して勉強できるようになるのです。

そこで、お子さんがお母さん、勉強のやり方教えて」「お父さん、単語カード作るのを手伝って」などと言ってきたときは、できる限り手伝ってあげてください。そのほうが、子どもが一人で勉強できるようになるまでの時間が、確実に短くなります。

勉強を手伝うのは「本人が求めているとき」のみ

ただし、一つ大事なポイントがあります。それは「子どもが親のサポートを求めていない場合、無理に手伝ってはいけない」ということです。子どもが望んでいないのに無理にサポートをすると、過干渉の子育てになってしまうからです。

過干渉の子育ては、子どもが最も嫌がることです。これを行うと、子どもの心の中にある、“愛情銀行”の預金残高は大きく減ります。「愛情銀行」とは、親の愛情を受け止める容器です。人間というのは、人から愛されていると感じたときに初めて安心して行動(勉強)することができます。

ですから日頃から子どもが親の愛情を感じて、預金残高を増やしていくことが大切なのです。過干渉になってしまった結果、勉強のやる気が下がります。ひどい場合は、親に反発して不登校などの問題行動を起こすこともあるでしょう。そうなると、勉強どころではなくなります。

こういった理由から、子どもの勉強を手伝うのは「本人が求めているとき」のみにしましょう。

では、子どもが親のサポートを望んでいるかどうかは、どのように判断すればいいのでしょうか。一番簡単な方法は、山本さんのように「何か手伝えることある?」と声をかけてみることです。

たとえば、お子さんが自分の部屋で勉強しているとします。この場合、飲み物や夜食などを持って、子どもの部屋に入ります。お子さんが思春期の場合、必ずノックをしてから入ってくださいね。そして、

「遅くまで勉強お疲れさま。夜食作ったから食べてね。あと、お母さん(お父さん)に手伝えることある?」と声をかけてみてください。勉強を手伝ってほしいタイプの子であれば「じゃあ丸付けお願い」と言ってきます。これで、自然に手伝える状況を作ることができるでしょう。

一人でやりたいタイプの子であれば「一人でできるから大丈夫」と言います。この場合、無理に手伝わなくても大丈夫です。「オッケー! 何かあったら、いつでも言ってね」と声をかけて、部屋から出ましょう。このタイプの子は、親が自分の部屋に長時間いるのを嫌がることが多いので、夜食を置いたらすぐに部屋を出るのがポイントです。

このやり方であれば、一人で勉強したいタイプの子であっても、愛情銀行の預金残高が減る心配はありません。

親が出しゃばりすぎず、子どもが求めることだけサポートをすることを、私は「脇役サポート」と呼んでいます。子どもの成績がスムーズに上がっていく家庭の多くは、脇役サポートをしています。

一方、なかなか成績が上がらない家庭の多くは、親が子どもの勉強をすべてコントロールしようとする「主役サポート」をしています。主役サポートをすると、子どもの自立性も育たなくなるので、注意しましょう。

勉強を頑張るのは子どもです。親はあくまでもサポート役に過ぎません。大事なことは、親がしたいサポートではなく、子どもが求めるサポートを行うことなのです。

親のサポートをイヤがるときは

通常、脇役サポートをすると子どものやる気はアップします。「受験は、私一人のものではないんだ。手伝ってくれるお父さんやお母さんのためにも、絶対に合格しよう」という気持ちが湧いてくるからです。

ただ、「親に手伝ってもらいたくない」というタイプの子もいます。この場合、無理に手伝おうとすると過干渉となり、愛情銀行の預金残高を減らしてしまいます。

では、このタイプの子は、どのようにサポートをすればいいのでしょうか? 

おすすめは、サポートを外部に委託することです。お子さんが親に教えてもらうことを嫌がる場合、塾や家庭教師に丸投げしましょう。親から言われると受け入れられないことでも、塾や家庭教師の先生から言われると素直に聞き入れる子も多いからです。

親のサポートを嫌がるときは、第三者の力を借りる。私はこの考え方を「第三者機関丸投げ戦略」と呼んでいます。勉強のサポートを、すべて親がやる必要はありません。極端な話、愛情銀行の預金残高を増やすことだけに専念して、あとはすべて丸投げでも大丈夫です。

また、あなたが忙しくて勉強を教えている暇がない場合も、第三者機関丸投げ戦略が有効です。多少費用はかかりますが、お金で時間を買うという発想で、上手に塾や家庭教師を利用しましょう。

「親のアドバイスをなかなか聞いてくれない」という悩みを持っている人もいるかもしれません。親のアドバイスなしの状態でも、偏差値が上がっているなら問題ありません。ただ、非効率的な勉強をしている結果、実力が上がっていかないようだと問題です。どうしたらいいのでしょうか。

ポイントは「成績下落タイミング」を狙うことです。

たとえば、頑張って勉強しているのに、定期テストの成績が下がってしまったら、子どもとしてはつらいですよね。そういった、子どもが落ち込んでいるときを見計らって「こういった形に変えてみるのはどうかな?」という感じで伝えるのです。何もないときに伝える場合に比べて2、3倍の確率で聞いてくれるでしょう。

それでも聞いてくれないときは、愛情銀行の預金残高が低い可能性が高いです。親子の関係性を見直して、預金残高を増やすことから始めていきましょう。

なお、受験までの時間がない場合は、無理に親が伝えようとするのではなく、第三者機関丸投げ戦略で、学校や塾の先生から助言してもらうほうが早いです。

 

PROFILE
道山ケイ

志望校への合格率97%を誇る、思春期の子育てアドバイザー。親を変えることで子どもの成績を上げるプロとして活躍。元中学校教師で、学級崩壊の地獄と学年最下位クラスを9ヵ月で学年トップに変えた天国を経験。この体験から道山流思春期子育て法を確立。道山流で子どもに接すると成績が上がる、志望校に合格すると話題で、年間3000組の親子をサポート、全国各地で開催される有料勉強会もすぐに満席になる。

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