“決断の場数”を増やすと「運をつかむ力」が鍛えられる理由

「小さな決断」がしやすくなる、4つのステップ

有名な経営者や偉業を成し遂げた起業家やアーティスト、トップ・セールスパーソンや一流の料理人、世界的な音楽家や俳優など、世の中には大きな成果や華々しい業績を残している人がたくさんいます。

彼らが残している結果を見ると、その大きさに圧倒されてしまいます。しかし、彼らの偉大な業績も、小さな決断と小さな行動、小さな結果の集積によって成り立っているのです。

毎朝少しだけ早く起きたとか、遅刻せずに到着したとか、常にメモを書きためていたとか、臆せず人に企画を話したり、提案をし続けたり、という無数の小さな決断、小さな行動、小さな結果が重なり合って大きな結果を生んだのです。

人は「おぎゃあ」と生まれて、息を引き取るまでの一生の間に、無数の決断をし、無数の結果を生み出します。だから、生まれて一度も決断をしてこなかったという人はいません。結果の集積が人生であり、人生は小さな結果の集合体なのです。

そんな小さな決断を重ねていくには、次の手順を辿るととても簡単です。

1. まず課題の全体像をつかむ時間をつくると決める

2. 課題を行動レベルで細分化する時間を決める

3. 課題が分解された小さな行動に取り組むタイミングを決める

4. 小さな行動を実行する時間を決める

 「全体像をつかむ時間をつくる」という小さな決断を最初に持ってきていますが、それ以上に簡単な決断が思いつくようでしたら、そちらを実践してみてください。

とにかく、決断も行動も、くしゃみひとつする間にできるような小ささにしてしまえば、先延ばしもせず、すぐにやれてしまうでしょう。

戦略的に「決断」を重ねていくことで、「自己決定感」が高まる

「決断力」のある人というと、物事に動ぜず、どっしりと構えているような人が思い浮かんできませんか? そういった人は、「百戦錬磨の達人」「修羅場をくぐり抜けている」などと評されることがあります。つまり、これまでに無数の経験を積んでいる人ということです。

さて、なんの経験でしょうか?

それは決断をした経験です。経験の数が多いということは、年数を重ねていることが多いので、ベテランの方々には「決断力」のある人が比較的多いと言えるのです。

「決断の場数」をこなしてきた方には「胆力」が生まれます。「キモが据わっている」ということです。「場数力」と言ってもいいでしょう。

「いつも他人まかせで、周囲の意見に合わせて生きてきた」という方は、まだ場数力がついていないだけですから、気後れせずにこれからどんどん場数を踏んでいきましょう。

決断に関して言うと、実は、意識さえすればいくらでも場数を踏むことができます。必ずしも大きな仕事を任されなくても、リーダーにならなくても、小さな決断を重ねることで場数力をつけることができます。

これは「自己決定感」のことです。意識して自分の意思で決めることを繰り返すだけで、自己決定感は高まり、場数力がついていきます。

これまで、あまり物事にこだわらずに周囲に流されてきたと思う方は、ぜひ、何でも自分の意思で決めてみましょう。

日々の生活で、私たちはいくつもの選択肢を目の前にして、決断しているのです。この無数の決断の機会を、無意識のうちに過ごさないでください。少しでも決断の機会だと思ったら、意識して決断してみてください。そういった小さな決断を繰り返すことで、決断の場数力はついていくものなのです。

決断の「場数力」をつけるトレーニング法

ここで、決断の場数を踏むための戦略的なトレーニング方法を紹介します。

◎決断力を磨く二者択一トレーニング

1.すべての選択肢を列挙する
2.選択肢を2つに絞る
3.2つの選択肢それぞれについて選択後の可能性を検討する
4.直感的にひとつを選び、行動を決断する
5.選んだ結果、行動してみてどうなったかを振り返る

これは日常的に行える方法です。

たとえば、昼どきにどこでランチを食べるかを考えてみる場合にも使えます。

まず、事務所の近くにある食堂やレストランを列挙します。そのうち、入りたい店を2つにまで絞ります。それぞれの店に入ったら何を注文し、どんな体験が待っているのかをシミュレーションします。そしてひとつのお店を選び、実際に足を運んで食べてみます。結果としてどうだったかを振り返る、という感じです。

国会議員や市町村議会議員の選挙も、本番でありながら同時に決断の練習にもなります。果たして投票した候補者は当選するのか、当選した後にどんな働きをするのか、しっかりと検証することが大事です。検証によって、自分の決断は正しかったかどうかがわかります。

さらには、手数料の安いネット上の証券会社に口座をつくって、株式投資をしてみるのも決断の場数力をつけるのにはよいでしょう。

イラスト せとゆきこ

場数力を上げて「運をつかめる人」になろう

この、自覚的な決断を日常的に行っていくことは、「運をつかむ力」もつけてくれます。

「運というのは、向こうからやってくるものであって、こちらの意思ではどうしようもないものではないのか?」

そんなふうに考えると、運とは自覚的な決断の対極にあるように感じるかもしれません。確かに、私たちのエゴでどうにもならないものこそ運と呼ぶに相応ふさわしいものです。ただし、そのエゴの力ではどうにもならない運が自分に向いてきたときに、その運をつかむかどうかは自己決定の範囲内です。

自己決定ゾーンに運が飛び込んでくるのです。自己決定ゾーンでつかむのか否かは、とても重要な選択であり、決断です。

常日頃から小さくてもいいから決断を重ねていないと、大きな運が自分に向いてきたときに、決断ができません。

小さな決断をいつもしているということは、常にリスクをとる練習をしているということです。カレーライスを選べば、中華料理は食べられないというように、ほかの選択肢を断つ経験も重ねているのです。

そうやって鍛えられた決断の場数力が、決断の重大局面で力を発揮するのです。常日頃から意識的に決断していない人が、重大な局面で決断できるはずがないのです。
これからは、決断を意識してください。

「これから場数を踏むのか。先は長いな」とがっかりしなくても結構です。これまで無自覚に生きてきた方でも、実際には、無数の決断をしてきたのです。これからは、過去の決断を思い出し、どんな理由でどんな決断をしてきたのかを思い出すようにしてください。

どんな小さな決断でも思い出したら、ノートに書きとめましょう。そして、どうしてそう決断したのかについてのプロセスをしっかり思い出し、決断した自分を認めてあげましょう。

そうすると、過去の無自覚だった決断も、自覚的な決断として息を吹き返します。あなたの場数力が上がります。かつての経験を思い出して意識するのです。

特に重大な決断の場面というのは、個人の人生ではなかなかやってこないかもしれません。そして、あまりに過酷な決断ばかり強いられても耐えきれなくなってしまいます。
そのため重大な決断の場数を踏みたければ、他人の経験を利用しましょう

過去の偉人や経営者、または企業の決断に関する文章を読んで、自分だったらどうするだろうかと考えたり、先人の決断を追体験して、自分も同じように決断した場合を味わってみたりするのです。情景をありありと思い浮かべ、自分が当人になりきって決断してみてください。

このような決断の追体験をしていくだけでも、決断の場数力がついていきます。意図的に決断の場数力をつけていくように行動してみましょう。

 

seishun.jp

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PROFILE
藤由達藏

株式会社Gonmatus代表取締役。夢実現応援家®。「人には無限の可能性がある」をモットーに、作家・シンガーソングライターから経営者・起業家・ビジネスパーソン、学生・親子まで幅広い層を対象に、対面セッションや研修、ワークショップ等を提供している。各種心理技法や武術、瞑想法、労働組合活動、文芸・美術・音楽創作等の経験を統合し、「気分と視座の転換」を重視した独自の「夢実現応援対話技法®」を確立。ユーモアを交えながら熱く語るスタイルが親しみやすくわかりやすいとの定評を得ている。初の著書でベストセラーとなった『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』は文庫版もベストセラーに。ほか、精力的に執筆を続けている。

結局、「決める力」がすべてを変える (青春文庫)

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  • 作者:藤由 達藏
  • 発売日: 2020/12/10
  • メディア: 文庫