老化防止は脳から! ニンニク油で「アホエン」をとる8つのメリット

ニンニクと油

「ニンニク油」って聞いたことがあるでしょうか? ニンニクをオリーブオイルに漬け込むだけのものですが、そこに含まれる「アホエン」という成分が脳の血流をアップさせ、物忘れや認知症を改善すると期待されているのです。その医学的裏づけと作り方について、都立駒込病院脳神経外科部長の篠浦伸禎先生にうかがいました。

ニンニク油にしないと「アホエン」はとれない

「人生100年時代」ですが、食べたいものを食べ、やりたいことをやり、行きたいところに行けてこそ、長生きを楽しめるのではないでしょうか。実は日本人の平均寿命が延びた一方で、健康寿命(寝たきりや認知症などの介護状態を指し引いた期間)との差が広がっていることが問題になっています。

その差は男性で9・13年、女性で12・68年もあります(平成26年版厚生労働白書より)。つまり長生きを楽しむためには、いかに健康寿命を保つかがポイントといえます。

健康寿命を左右する寝たきりや介護に大きくかかわっているのが、認知症や脳卒中といった脳の病気です。私は脳神経外科医として、こうした患者さんを多く診てきました。そうして手術だけでなく、食べ物や健康法など、脳にいいといわれるあらゆるものを試してきました。そのなかで私が特におすすめしたいのが「ニンニク油」です。

脳は全体に微少な毛細血管を張り巡らせて、酸素や栄養を送っています。この毛細血管の血流が低下すると脳の働きが悪くなります。それが物忘れや認知症というわけです。ニンニク油をとると、この脳血流が明らかに改善することがわかりました。

それだけではありません。ニンニク油には、免疫力アップから高血圧、脂質異常症の改善、がんの予防まで、脳だけでなく体にもうれしい効果がたくさん。カギを握るのは、ニンニクに含まれる「アホエン」という成分です。ただこのアホエン、ニンニクをそのまま食べても摂取できません。ニンニクにひと手間加えることによって、はじめてとることができるのです。

「長生きニンニク油」の8大効果

それでは、ニンニク油でアホエンをとることで期待できる効果を8つご紹介していきましょう。

1 物忘れ、認知症の改善

ニンニクには、毛細血管の血流や微小な血液循環をよくする作用があるため、ニンニク油を摂取することで脳の神経の活動が活発になり、記憶力アップにもつながります。さらに、ニンニク油に含まれるアホエンには、アルツハイマー型認知症の原因となるアセチルコリンエステラーゼやベータアミロイドという物質の働きを阻害する効果があることがわかっています。

2 脳卒中予防、脳梗塞改善

脳卒中や脳梗塞は、脳の血管が破れたり詰まったりして、脳の神経細胞が障害を受ける病気です。脳卒中が起きる原因はいくつか考えられますが、その1つとして、体内でできる過酸化物質の悪影響があげられます。ニンニク油に含まれるアホエンには過酸化物質を抑える「抗酸化作用」があるので、脳卒中を予防できるのです。

3 高血圧改善

私たちの血液のなかには赤血球、白血球、血小板の3つの成分がありますが、このうち高血圧と深いかかわりがあるのが血小板です。血小板には出血を止める大切な役割がありますが、固まると血管の内側で血栓を作ってしまい、高血圧や脳梗塞、心筋梗塞の原因にもなります。ニンニク油に含まれるアホエンには、この血小板が固まるのを防ぐ「血液サラサラ効果」があるので、高血圧予防になるのです。

4 コレステロール値改善

コレステロールは人間が生きていくうえで必要な脂質の1つですが、LDLコレステロールが増えると、血管の壁に蓄積し、血管を詰まらせたり、動脈硬化を進行させます。対するHDLコレステロールは、血管の内側にへばりついたLDLコレステロールを取り除き、肝臓まで運んでくれるありがたい存在。ニンニク油をとると、この血液中のHDLコレステロールが増えるというデータがあります。

5 痛風予防

痛風は尿酸が体内に蓄積され、それが結晶となって激しい関節炎を伴う病気です。放っておけば体のあちこちに結節(エンドウ・クルミ程度の大きさの突起物)ができたり、腎臓が悪くなる場合もあります。そのため、痛風になると尿酸値を低くする治療がおこなわれますが、ニンニク油に含まれるアホエンには、血中尿酸濃度を低下させる効果が認められています。

6 がん予防

アホエンには、発がんの原因となる細胞の突然変異を抑える効果があることがわかっています。正常細胞よりもがん細胞に対し、低い濃度で細胞死を起こさせるというデータもあります。また、さらに強力な発がん性物質の結合を妨げることで、がんになりにくくする効果が期待できます。

7 免疫力アップ、風邪予防

ニンニク油に含まれるアホエンには、カビや細菌に対する非常に強い殺菌作用や抗ウイルス作用があります。そしてニンニクそのものも、古くから風邪の良薬として用いられてきました。ニンニクが体内に入ると、その成分が細菌やウイルスを食べると同時に、再びその細菌やウイルスに犯されないようにたくさんの抗体を作り出すという、免疫を高める働きがあるのです。

8 胃炎、胃潰瘍、胃がん予防

慢性胃炎の原因の1つに、ピロリ菌の感染があります。ピロリ菌感染による慢性胃炎が長く続くと、萎縮性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化器疾患や、胃がんになる可能性が高まります。ニンニクはもともと強力な抗菌性を持っていますが、生のニンニクは刺激が強すぎて、とりすぎるとかえって食道や胃を傷つける危険性があります。しかしニンニク油は刺激が少なく、さらにピロリ菌の生成を防いでくれるのです。

ニンニク油の作り方

では、ニンニク油の作り方を紹介していきます。作業はとっても簡単。ニンニクとオリーブオイルがあればすぐに作れます。ニンニクからアホエンを引き出すために、しっかり漬け込みましょう。

◎材料(作りやすい分量)

ニンニクと油

ニンニク(無臭ニンニクでないもの)……3かけ
オリーブオイル……3/4カップ(150㎖)
*エキストラバージンオリーブオイルがおすすめ

 

◎準備するもの

おろし器
茶こし
容器
密閉容器(保存用)

 

◎作り方

1 ニンニクをすりおろし、室温で2時間ほど置く。

ニンニク油

 

2 オリーブオイルを容器に入れ、1のニンニクをなかに入れる(漬け込んだニンニクはオイル表面から出ないようにする)。室温で5日~1週間置く(夏場など気温が高い場合は涼しい場所に置く)。

ニンニク油

 

3 茶こしでニンニクをこせばできあがり。

ニンニク油

 

◎保存方法

密閉容器に入れ、冷暗所で保存する。1カ月以内に使い切る。

ニンニク油

次回はニンニク油のレシピをご紹介していきます。

 

PROFILE
篠浦伸禎

1958年生まれ。東京大学医学部卒業後、富士脳障害研究所、東京大学医学部附属病院、茨城県立中央病院、都立荏原病院、国立国際医療センターにて脳神経外科医として勤務。1992年、東京大学医学部の医学博士を取得。同年、シンシナティ大学分子生物学部に留学。帰国後、国立国際医療センターなどで脳神経外科医として勤務。2000年より都立駒込病院脳神経外科医長、2009年より同病院脳神経外科部長。脳の覚醒下手術ではトップクラスの実績を誇る。

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