あなたのメールは時間泥棒? 成功者がやっているシンプルな伝え方

メールを送るとき、「失礼のないように」「ちゃんと伝えなきゃ」と思うあまり、長文になってしまっている人がよくいます。実業家であり、多くの著書を持つ臼井由妃氏は、「短く早い伝え方が共感や協調を呼び、味方を増やす」とおっしゃいます。そのもっともな理由と、メール作成のポイントを教えていただきました。

なぜカリスマのメールは「短く早い」のか

私は仕事柄、さまざまなジャンルで活躍している方とお会いする機会があり、俗に「カリスマ」といわれる方々との親交もあります。なかでもその道で輝き続けている方たちは「筆マメな人たち」。そんな彼らの文章は、例外なく短いのです。

お会いした翌日、パソコンを開くと、

お世話になっております、○○○○です。
臼井さんのパワーあふれる姿を見て、元気をもらいました。
ありがとう! 私も全速力で走り抜けます。

やる気になりました!
私もまだ59歳。新規事業に邁進します。
お互いに挑戦し続けましょう。

などと短いですが、心温まる内容のメールが届いています。

その素早さに頭が下がりますが、文章からあふれる優しさや思いやりにいっぺんで彼らのファンになってしまうのです。

みなさん、ご自身のほうからお礼のメールを打たなくても、失礼にあたらない立場の方ばかりなのに、なぜこのように対応してくださるのでしょう。

そこには、2つの理由があります。

① 人づきあいも仕事の成否もタイミングが一番であると、知っている
② 相手の忙しさを考慮している

あなたにも覚えがありませんか? 「あとでもいいかな?」と行動をためらっているうちに、大切なチャンスを逃した経験が。彼らはそこを何よりも警戒しているのです。

相手の様子を注意深く観察し、真剣に耳を傾け、「これだ!」と思った人には、すかさずコンタクトをとり、縁をつなごうとする。

忙しい彼らですから、時間や手間はかけられませんし、相手の忙しさは百も承知。形式だけのお礼状や、「その他大勢と一緒」と思われる内容のメールを出せば、読んだところで印象に残らないか、すぐに削除される可能性もあります。

そこで、相手の立場を考え、すぐに理解できて心に響く、短いメールを選ぶことになるのです。

長いメールは「時間泥棒」

日本ビジネスメール協会の調査(2020年)によると、日本のビジネスパーソンは、1日平均14.06通のメールを送信し、50.12通を受信しているといいます。1通書く平均時間は5分54秒、読む平均時間は1分19秒、トータルで149分。2時間半近くをメールの処理に費やしている計算になります。

実労を8時間とすれば、3分の1近くの時間を、メールに費やしているのです。

これをあなたはどう捉えますか? こんなにメールとつきあっているのかと感じた方が多いのではないでしょうか?

現実には、読むのは早いけれど、書くのは苦手だからメールに費やすのは1日3時間に迫る数字になるという人や、要点を絞って伝えるのは得意だから書くのは早いけれど、受け取るメールの中には、何を伝えたいのか最後まで読まないと分からない「時間泥棒メール」が多くて困っているという方もいらっしゃるでしょう。

仮に1日のメール処理時間を半減すれば、一般的なビジネスパーソンの場合、ひと月で20時間以上を超える時間が生まれます

半年で120時間、1年で240時間にもなります。その時間をあなたのやりたいことにあてると考えたら、すごい成果が得られるのは必至。

240時間あれば、宅建や行政書士の資格取得、ビジネス英会話やワードやエクセル、パワーポイントスキルの上達、見聞を広めるために業界の成功者といわれる方のセミナーを受講したり、ビジネス書ならば、200冊は読破できるはず。

そこから見える世界は、きっと変わってきます!

私はメールの処理時間を早めて、絶対に勉強をするべきだといっているのではありません。何となく読み、何となく返信しているメールを見直すと、時間に追われる立場から時間を自由に使いこなす立場になる。余裕で仕事をこなすあなたになれるのです

短くても確実に伝わるメールとは

そうはいっても、受信メールの内容を劇的に早く理解するのは難しい。

ですが、送信メールを早く書く。確実に伝わるメールを送ることはできます。

たとえば、取引先から、具体的な数字や納期がなく、商品仕様の見直しをお願いするメールが届いたとしましょう。

普通、こういう場合には、件名は「ご連絡 臼井由妃」。メールの本文は「いつもお世話になっております」……で始まっていると思いますが、簡潔なメールを促すためにも、件名は具体的に、「パッケージについて変更の余地あり 臼井由妃」として、

本文は、

「〇〇については、パッケージを季節限定、地域限定にする策が考えられます。
今週末までに、ゴーサインをいただければ、最短10日で納品が可能です。
早めのご決断をオススメ致します」

というように3行程度で伝えます。

これならば、1分あれば書けます。すると相手からのレスポンスも早く、影響を受け相手のメールも短くなるのです。

メールの処理に追われる日々。うんざりするほど長い受信メールばかり。そんなあなたならば、まず自分のメールを見直しましょう。

ポイントは、

①伝えたいことは具体的にひとつに絞る
②数字や期限を設ける
③相手のメリットを伝える

これらに気を配った「見本メール」を送れば、相手も自然に同調。

繰り返すうちに、長々とした時候の挨拶、必要以上のほめ言葉、抽象的な表現、丁寧すぎて逆に気持ちが悪い受信メールが劇的になくなり、読むのも書くのも早い。

1日にメール処理に費やす時間が1時間を切ることも夢ではなくなります。

いま、社会は加速度的に変化しています。対面での仕事が減り、リモート会議やメールやチャット、ズーム、SNS等、オンラインを介したやりとりが頻繁に行われるようになった現在では、「巧みな話術で人を魅了する」とか、「饒舌じょうぜつで興味を惹く」といった「解説型」の長い話は通用しません。

それよりも、相手の心に寄り添い、オンラインでもオフラインでも、「短く早く」ストレスを与えず相手の心を和らげる伝え方ができる人が好かれる。信用や信頼を得て、成功者の階段を上っていく。仕事も人間関係もすべてがうまく回りだすのです。

あなたを知的に魅せる「35文字の法則」

次に一文の長さについてです。経験則ですが、一文は35字程度が好ましいと思います。
最近のビジネス書は、1行40字以内が多いですし、パソコンでも35字程度でしたら1行で読めます。ですから35字が短文かどうかの判断基準と言えるのではないでしょうか。

次の例は、一文が80字以上で、息つくひますらありません。

《NG例》
私は、仕事で成果を上げ会社から認められ女性で初めての管理職になって、長く第一線で活躍する夢を持っていますが、家庭にあっても、よき妻よき母として家族を支えていきたいと思っています。

そこで、文章を区切り余分な情報を削り、文末も変えてみます。

《訂正例》
私には、社内初の女性管理職になって活躍する夢があります。
一方、家庭生活でも、よき妻、よき母として家族を支えていきたいと思っています。

印象が変わったのではありませんか? 

とくに書き出しの文章が要注意です。相手の心の準備ができていない状況も想像すれば、できれば書き出しは1行にするといいでしょう。

 

seishun.jp

PROFILE
臼井 由妃

著述家・講演家・熱海市観光宣伝大使。
1958年、東京生まれ。33歳で結婚後、病身の夫の後を継ぎ、専業主婦から経営者に転身。次々とヒット商品を企画・開発し、通販業界で成功。多額の負債を抱えていた会社を優良企業へと導く。その独自のビジネス手法がさまざまなメディアで紹介され、「マネーの虎」(日本テレビ系) に出演する等、好評を博す。また幼少期に吃音を患い対人恐怖症に陥るも克服し、講演活動も積極的に行っている。行政書士・宅地建物取引士等を短期間で取得したことでも知られ、実践的な時間術や仕事術、勉強術には定評がある。ベストセラー『やりたいことを全部やる!時間術』(日経ビジネス人文庫)をはじめ、『他人の頭を借りる超仕事術』『話は1分でみるみるうまくなる!』(小社刊)等、著書多数。

できる大人の伝え方 「短く早い」が一番伝わる

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  • 作者:臼井 由妃
  • 発売日: 2020/12/23
  • メディア: Kindle版