勉強・筋トレ…続かない人が知らない、行動を「習慣」に変えるコツ

「本当にそれは続けたいこと?」と自問する

「読書する習慣を身につけたい」「健康と体型維持のために筋トレを続けたい」「英語を話せるようになりたいから、毎日勉強したい」など、多くの人が日々、新しい習慣を手に入れようと考えます。

しかし、習慣化をするために、もっとも大事なことがあります。それは、「本当に習慣化する必要があるか?」ということです。

「これいいよ」と人にすすめられたり、テレビやネットなどで取り上げられ話題になったりしたものを、「これいいかも」と思って、手当たりしだいに習慣化しようとする人がいます。

たとえば、「普段英語をまったく使わないけど、英語を話している友人がかっこよかったから、自分も英語をペラペラ話せるように英会話の勉強を始めてみた」「特に書くことがあるわけじゃないけど、起業して活躍している先輩の話を聞いて、とりあえずブログを始めた」など。

しかし、自分にとって本当はどうでもいいことを続けるのは本末転倒です。本気でやりたいこと、必要なことではないので、当然挫折する可能性が高くなります。仮に続けられたとしても、自分が心底望んだことではないと、それほど嬉しくないし、達成感もあまりありません。

先ほどの例でいえば、頑張って勉強を続けて英語を話せるようになったとしても、そもそも英語を使う機会がないため、なかなか効果を実感できないでしょう。

さらに、自分にとってたいして大事なことではないことの習慣化に失敗すると、「こんなことも続けられないなんて……。やっぱり自分は意志が弱いし、ダメなんだ」と思ってしまいます。

以前と客観的状況は何も変わらないのに、自信を失ってしまったわけですから、結果的にはむしろマイナスです。

なんでもいいから習慣化するのではなく、あなたにとって本当に大事なこと、意味のあることを習慣化するのがポイントなのです。

夢や目標を実現するためには「習慣」を味方につける

そもそも、「なぜ、習慣化しなければならないのか」という話をしておきます。その理由は、習慣を味方にすれば、夢や目標が加速実現できるからです。

私は目標実現の専門家として、「なかなか行動に移せない」という方のサポートをさせていただいています。行動することは、夢や目標を達成する第一歩になります。そして、夢や目標が高ければ高いほど、次に大事になってくるのが「行動」を「習慣」に変えることです。

習慣化ができれば、夢や目標を実現する速度が加速していきます。ここで大事なポイントは、「習慣を味方にする」ということです。習慣を敵にしている人は、うまくいきません。

習慣を敵にしている人とは、悪い習慣に囲まれた人です。たとえば、「テレビを見ながらソファーで体を丸めないと眠れない」「常にメールやSNSをチェックしていないと落ち着かない」などです。

一方で、よい習慣を味方にしている人もいます。たとえば、「収入の10%を自己投資にあてている」「毎日30分勉強をしている」など、よい習慣にいつも囲まれています。

多少うまくいかないことがあっても、よい習慣に囲まれていれば、習慣があなたを助け、守ってくれます。そして、うまくいく追い風にもなってくれるでしょう。

私自身、メルマガを8年間配信し続けていますが、習慣化する前は、メルマガを書くことにものすごく労力がかかるときもありました。

特に、疲れているときや仕事の締め切り直前などは、やめたい誘惑にかられます。それでも、メルマガを配信し続けることができているのは、習慣化の力です。

一度、習慣化できると、「疲れているから、やらない」ではなく「疲れているけれど、今日も少しだけやってみる」、「時間がないから、できない」ではなく、「時間がないけれど、ちょっとだけ書いてみよう」という思考回路に切り替わっていくのです

よい習慣を持っている人は、上りのエスカレーターに乗っているようなものです。上りのエスカレーターに乗っている人は、それほど努力しなくても乗っているだけで、自動的に上の階まで運んでもらえます。

逆に、悪い習慣を持っている人は、下りのエスカレーターに乗っているようなもの。ただ乗っているだけでも、悪いほう悪いほうへと下がっていってしまうのです。

ポイントは、自分が本当にいいと思う習慣を味方にしていくことです。人からすすめられた習慣や今話題になっていることではなく、あなたが心底続けたいと思う習慣を味方にして、その習慣と一緒に歩んでいきましょう。

「行動」を「習慣」に変えるカギとは

目標実現の専門家として活動する前の私がそうだったように、これまでと同じやり方で続けようとすると、残念ながら同じ失敗を繰り返す可能性が高いです。

では、いったい何が成功のカギを握っているのでしょうか?どこからどう変えていけば、自分の定着させたい行動が実際に定着するのでしょうか?そのカギをひと言で表せば、「味わいたい!」です。

この「味わいたい!」こそが、行動を習慣化するカギなのです。人は、「これをやったほうがいい」「これは続けるべきだ」と、頭でわかっていても、なかなか動けないし、続けられません。だから悩むわけです。

「こうなりたい!」「この感覚を味わいたい!」と、感情が動くと、あっさり動けるようになります。

残念ながら、「○○すべき」と頭だけで考えたことは、なかなか続けられないものです。しかし、人は「感情」が動くと「自然と動いてしまう」ようにできているのです。

だから、この「味わいたい!」がなければ、続けることはできません。ダイエットであろうが、毎日の読書であろうが、味わいたくないものは、無意識が何かしら理由をつくって続けないようとするからです。

「味わいたい!」がなぜ大事なのか。それは、「とにかく続けたくなる気持ちになる」から、「行動する目的を見失わなくなる」から、「続けられているかどうかにとらわれなくなる」から、「夢や目標にむかって最適な行動をとれる」から、「減点方式ではなく加点方式の考え方になれる」からです。

そして、気がつけば、続けたかった「行動」が、いつの間にか、「自然と続いてしまっている」のです。

では、「味わいたい!」とは、いったい何なのでしょうか?「味わいたい!」を大事にすると、なぜ「行動」を「習慣化」できるのでしょうか?ここでお伝えしたいのは、「習慣化した未来の自分」を先取りして、「実感する=味わう」ことです。

続けられる人は、習慣化した未来の白分から「逆算」しています。「今日から頑張って努力して続けよう」とは考えません。すでに続けられている未来から逆算して、「自分が続けているということは、こうしたんだろうな」と考えます。ですから、続けられない今の延長線上に、何か新しく続けたいことをつけ足すのではないのです。

もうすでに続けられている未来のあなたを先取りして味わっていく。未来を味わうことを習慣化することを、「未来アンカリング」と命名しました。それがあなたの行動を変え、人生を変える力になるのです。

次回は、習慣化したことを「続ける」ためのコツを紹介します。

 

PROFILE
大平信孝

目標実現の専門家。第一線で活躍するリーダーのメンタルコーチ。株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。中央大学卒業。長野県出身。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。その卓越したアプローチによって、これまで1万2000人以上のリーダーのセルフマネジメント・キャリア構築・部下育成に関する悩みを解決してきたほか、オリンピック出場選手、トップモデル、ベストセラー作家、上場企業経営者など各界で活躍する人々の目標実現・行動革新サポートを実施。その功績が話題となり、日経新聞・日経ウーマン・プレジデント・THE21など各種メディアからの依頼が続出している。