専門医イチ推し!「オリーブオイル」が腸の健康に効果絶大な理由

「腸にいい食べもの」というと、何を思い浮かべるでしょうか。これまで5万人以上の腸を診てこられた松生恒夫医師によると、最強のおすすめ食材はエキストラバージン(EXV)オリーブオイル。万病のもとになる“腸冷え”を防ぐとともに、アルツハイマー病や関節リウマチに対しても有効なようです。そのすごい効果について、教えていただきました。

健康ブームの一方で、腸ストレスは悪化中

暑い夏がやっと終わったと思ったら、秋があっという間に過ぎ、一気に気温が下がって冬になる。そんな気候が続き、悲鳴を上げている人も多いでしょう。こうした急激な気温の変化についていけないのは、内臓も同じです。

私は「10度の法則」と呼んでいますが、室内と外の温度差が10度を超えると、急激な寒暖差で、腸が冷えてしまうのです。それによって腸の動きが悪くなるために、便秘などに悩まされて、私のクリニックを受診する人が増えています。

腸を冷やす要因は、気温や室温だけではありません。食生活の乱れや薄着、自律神経の変調なども腸の冷えを招きます。

無理なダイエット。おしゃれだからと着ているミニスカート。寒いからといって部屋でゴロゴロして過ごす生活。時間がないからとシャワーしか浴びない習慣……そういった小さな積み重ねが腸の不調を招き、便秘や下痢、肌荒れから生活習慣病まで、さまざまなトラブルや病気へと発展することもあるのです

おすすめ最強食材「EXVオリーブオイル」

生活習慣の中でも、「食」は腸の健康にとって最も大切な要素です。

入手しやすくて、どんな食べ物にも合って、気軽に取り入れられる。私がおすすめする最強の温め食材は、オリーブオイルです。オリーブオイルには精製のしかたによって種類がありますが、最も効果があるのは、オリーブの実を搾ったままで精製していない、エキストラバージン(EXV)オリーブオイルです

以前、日清オイリオグループの研究所と共同で実験したことがあります。

80度のお湯180㎖を300㎖のビーカーに入れたものと、同じ条件のお湯に小さじ1杯(約5㎖)のEXVオリーブオイルを加えたものとで、時間経過とともに低下する温度の差を比べてみました。すると、EXVオリーブオイルを入れたお湯のほうが断然冷めにくく、50分後にはただのお湯と7.4度の温度差が生じたのです。

同時にサラダ油との比較もしましたが、EXVオリーブオイルのほうが高い保温力があることがわかりました(特許出願中)。

また、こんな実験も行ってみました。

①ミネストローネ300㎖に対してEXVオリーブオイルを10㎖程度、スープを飲む前にまわしがけした場合②そのまま飲んだ場合、それぞれ飲んだ直後から30分ごとに体温を測り、体温上昇の様子を比べてみたのです。

写真提供:日清オイリオグループ株式会社

②は徐々に体温が上がっていくものの、スープを飲んだ90分後あたりから、体温が下がってしまいます。一方、①は飲んだ直後から②よりも体温が上がっているうえ、120分経過後も高温をキープしています。

これを見るとEXVオリーブオイルを入れたアツアツのミネストローネには体温を上昇させ、さらに長時間高い温度を保つ効果があることが一目瞭然です。

その秘密は「油膜」にあります。サラダ油などに比べて、EXVオリーブオイルの油膜は薄く均一に広がった状態が保たれるために、すぐれた保温効果を発揮するのだと考えられます。この効果を利用して、温かい飲み物にEXVオリーブオイルを加えれば、便秘や腸の機能低下を引き起こす「冷え」を防げるのです

寒い時期にはコレ! 整腸効果バツグンの「オリーブ・ココア」

そして、大腸を温め、動かすための飲み物として私が考案したのが、「オリーブ・ココア」です。これは、EXVオリーブオイルと、食物繊維が含まれるココア、整腸作用があるオリゴ糖にお湯を加えたもので、冷えと停滞腸(便秘)にとても有効なドリンクです。

このドリンクの有効性を確かめるため、オリーブ・ココア300㎖とただのココア300㎖とで、飲用後の体温を比較試験してみたところ、多くの被験者で、オリーブ・ココアのほうが体温保持効果が高いという結果が出ました。

また、興味深い発見もありました。2時間後の値で0.2度以上の体温上昇が見られた7例のうち、男性1例を除く6例の女性は、いずれも冷え症で、体型はどちらかというとやせ型、食後に下腹部がふくらむ胃下垂(いかすい)タイプだったのです。

胃下垂とは、食事後に胃が骨盤内に下りてくる状態のこと。空腹時にオリーブ・ココアを飲めば、当然オリーブ・ココアのみが胃にたまります。その際にEXVオリーブオイルで油膜ができたため、ココアが冷めにくくなって熱が徐々にからだに移行し、体温が上昇したのだと考えられます。対して普通のココアでは、油膜ができずにすぐに冷めてしまうため、体温の上昇が続かなかったのでしょう。

温め効果が高い食材と、腸のはたらきを促す素材を組み合わせたこのドリンク、お腹が冷えやすい冬に、ぜひお試しください

EXVオリーブオイルの驚異の抗酸化作用

EXVオリーブオイルについては、油脂の中で最も強い抗酸化作用があることも判明しています。

一般に油は酸化しやすいものですが、EXVオリーブオイルにはオレイン酸、ポリフェノール、ビタミンE、葉緑素などの抗酸化物質が豊富に含まれているため、酸化しにくいのです。この作用が、細胞を酸化させて傷つける酸化ストレスにも有効だと考えられています。

動物実験では、EXVオリーブオイルに含まれるポリフェノールの一種が、大腸がんの発症に関わるとされている二次胆汁(たんじゅう)酸の活性酸素に対し、有効に作用するという報告もされています。実際に、EXVオリーブオイルの摂取量が多い南イタリアやスペインなどの地中海沿岸地域では、大腸がんにかかる人が少ないことが指摘されています。

また、オリーブオイルの中でもEXVオリーブオイルだけにオレオカンタールというポリフェノールが含まれています。オレオカンタールは、強い抗炎症作用を持っていてアルツハイマー病や関節リウマチに対して有効とされています。

つまり、EXVオリーブオイルは、抗酸化作用、抗炎症作用という腸やからだの老化防止・健康維持に欠かせない二つの大きなはたらきをしてくれるのです。

高価で手に入りにくいサプリメントや健康食品ではなく、スーパーでも手に入るEXVオリーブオイルを少量入れるだけでこれだけの効果があるのであれば、やってみない手はありません! ちょっとした習慣で腸の状態を改善したり、不調を未然に防いだりすることができるのです

 

seishun.jp

 

PROFILE
松生 恒夫

1955年東京生まれ。松生クリニック院長。医学博士。東京慈恵会医科大学卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2004年、東京都立川市に松生クリニックを開業。現在までに5万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた第一人者で、地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。おもな著書に『「腸ストレス」を取り去る習慣』『「腸の老化」を止める食事術』『「炭水化物」を抜くと腸はダメになる』(いずれも小社刊)などがある。