中学生が見違えるように勉強を始める「アクティブ進路」の見つけ方

3ステップで「アクティブ進路」が見つかる

前回は、子どもが高校受験に向けて一気にやる気になる「アクティブ進路」とはどのようなものかについて、解説しました。おさらいすると、アクティブ進路とは「夢が叶う」「条件を満たす」「合格率8割以上」の3つの条件を満たす進路です。

では、これら3つの条件を満たす進路を見つけるには、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。次の3ステップで進めていくと、最速でアクティブ進路を見つけることができます。

【ステップ1】学科を決める

“アクティブ進路を決める最初のステップは、「学科を決める」ことです。まずは、将来の夢につながる学科から決めていくことが重要です。

なぜ、学科から決めていくことが大事なのでしょうか? これは、「高校に行く理由」を考えるとわかります。お父さん、お母さんの中には、次のような理由から高校に行くべきだと考えている方がいます。

  • 新しい友達を作るため
  • 中学校では学べない知識を得るため
  • 就職率を上げるため

確かにこういった理由もあるかもしれません。しかし、これらは「高校に行く一番の理由」ではありません。高校に行く一番の理由は「夢を叶えるため」です。たとえば、先ほど例に出した「看護師になりたい」という夢。もし高校を卒業しなくても看護師になれるなら、無理に進学する必要はありません。中卒で、看護師として働けばいいからです。

その証拠に、歌手として大活躍された安室奈美恵さんは、高校に進学していません。中学卒業後に上京し、歌手としてデビューされています。また、料理の世界では、中卒で弟子入りして腕を磨かれる方がたくさんいます。自分の夢を叶えるために高校が必要ないなら、無理に行かなくていいのです。

一方、子どもが将来医者になりたいと考えているとします。この場合、大学の医学部に進学し、医師国家試験に合格しないといけません。そのためには、大学の医学部に進学実績のある普通科高校に入ることが重要です。

もちろん、高卒認定試験を受けて大学進学を目指すという方法もありますが、あまり現実的ではありません。このように、本来高校は夢を叶えるために行くべきところなのです。

  • 機械に携わる仕事に就きたいから、工業科高校
  • 音楽業界で活躍したいから、音楽科高校
  • ファッションやアパレル業界で仕事をしたいから、被服科高校

このように進学するのです。成績が悪くて行ける高校がないから、仕方なく〇〇科の高校に行く、というような進路選択はしないようにしましょう。

ここまでの内容を読んで、こんな疑問をお持ちではないでしょうか。「将来ピアノ演奏者になりたいという夢がある場合、とりあえず普通科高校に進学して、卒業後に音楽系の大学に行くという選択ではダメでしょうか」

もちろん、こういった進路でもいいでしょう。しかし、中学生の時点で明確な夢が決まっていて、その夢を叶えられる専門科高校があるなら、そちらを選んだほうがいいです。なぜなら、専門的な知識をたくさん学べるからです。

たとえば、音楽科高校に入ると、授業の半分が音楽に関わることになります。一方、普通科高校に進学すると、音楽は週に1、2時間しかないでしょう。

普通科高校に進学して、ピアノ演奏者になるために直接的には必要ない国語や数学の勉強をするよりも、音楽科高校に進学して、ピアノを弾いたり音楽史を学んだりしたほうが、夢が叶う確率が高くなりますよね。

また、クラスメイトも似たような夢を持っている子が多いので、一緒に切磋琢磨することもできます。その結果、夢が叶う確率が上がるのです。

このように、子どもが進むべき学科は、明確な夢があるかどうかと、その夢につながる専門科があるかどうかで、決めていくのがいいでしょう。

ここまでに、明確な夢を持っている子の進路選択法を紹介しました。では、今の時点で明確な夢を持っていない場合、どういった進路に進めばよいのでしょうか。答えは「普通科を選ぶ」です。

なぜなら、普通科高校に進学すると「高校に通う3年間、夢を見つけるための時間ができる」からです。

普通科高校とは、大学や専門学校に進学することを目標としている学校です。そのため、試験科目である5教科を中心に勉強します。自分が進むべき道が決まるのは、大学や専門学校に入学してからになるので、それまでの3年間は自分の人生について考えることができます。

また、子どもが一時的な感情で、
「俺はゲームが好きだから、将来ゲームクリエイターになる」
というケースもあります。この場合も、普通科を選んでおくのが無難でしょう。親から見て、気持ちがコロコロ変わるタイプの子は、高校3年生で最終的な進路を決めるようにアドバイスするのがおすすめです。

【ステップ2】高校を絞る

学科が決まったら、次に考えるのが「行きたい高校の条件」です。例えば

  • 制服がかわいい
  • 家から近く、自転車で通える
  • バイトができる
  • 仲の良い友達が受験する

など、子どもが行きたい高校の条件を、たくさん書き出しましょう。難しいことは考えず、「こんな条件を満たす学校があったら、絶対に行きたい」と思う条件を、ひたすら紙に書き出させてください。

行きたい高校の条件がひと通り出揃ったら、次に優先順位を考えさせましょう。なぜなら、子どもが求めているような条件をすべて満たす学校は、まず存在しないからです。

家から近くて、制服もかわいくて、先輩がイケメンで、チアダンス部があって、バイトも許されていて、おしゃれなカフェがあって、校舎がきれいな学校など、まず存在しないのです(夢を壊してしまったら、すみません)。

子どもに、「この条件の中で、絶対に譲れないもの(優先順位1位のもの)はどれ?」と聞いてあげてください。もし、「自宅からの距離」なら家から近い学校を、「バイトができる」ならバイトが許されている学校を探します。まずは、優先順位1位の条件を満たす学校を、5つ以上見つけてください。

優先順位1位の条件が「自宅から1時間以内で通える」だとします。都心に住んでいる子だと、条件を満たす学校は5校以上あると思います。この場合、優先順位1位の条件を満たしつつ、優先順位2位の条件を満たす学校を探しましょう。

たとえば、優先順位2位の条件が、「制服がブレザー」なら、「自宅から1時間以内で通える距離にあって、制服がブレザーの学校」を探すということです。

こういった手順で、まずは志望校を5つに絞りましょう。都心に住んでいたり、マイナーな条件の学校を希望していなければ、優先順位3位や4位の条件まで満たす学校が見つかります。

一方、地方に住んでいたり、マイナーな条件の学校を志望していたりすると、優先順位1位の条件を満たす学校しか見つからないかもしれません。こういったときは、条件を少しゆるめる(自宅から1時間以内で通える→自宅から1時間30分以内で通える)などして、考え直すことが大事です。

【ステップ3】「夢を叶える高校リスト」を作る

最後はそれらの高校を、偏差値順に並べ替えます。下図のような感じです。私はこれを、「夢を叶える高校リスト」と呼んでいます。

夢を叶える高校リスト

そして、ここがポイントなのですが、この表の右側に、現在の子どもの成績と目標達成に必要な勉強時間を書き込むのです。

リストの並べ替え

夢を叶える高校リストを作ることで、子どもはひと目で自分の状況がわかります。

  • 理想は、条件をすべて満たすA高校。ただ、勉強時間を1日1時間増やさないといけない。
  • 現実的には、家から15分で通えるB高校がベスト。ここなら勉強時間を1日30分増やせば進学できる。努力次第で行けそうな気がする。
  • 今の勉強量だと、家から30分もかかって男子校のC高校に通うことになる。
  • この先、勉強をサボったら、家から45分以上もかかるD高校やE高校になってしまう。

こういったデータを客観的に見ることで、やる気にスイッチが入るのです。
これから半年間、勉強時間を増やしてでも、A高校やB高校に入ったほうが得だと思えば、親が何も言わなくても勉強するようになります。

そこまでA高校やB高校に魅力を感じないなら、今の成績を維持してC高校に入ろうと考えるでしょう。こういった客観的なデータから、子ども自身に主体的に“進路”を決めさせることが大切なのです。

  

PROFILE
道山ケイ

志望校への合格率97%を誇る、思春期の子育てアドバイザー。親を変えることで子どもの成績を上げるプロとして活躍。元中学校教師で、学級崩壊の地獄と学年最下位クラスを9ヵ月で学年トップに変えた天国を経験。この体験から道山流思春期子育て法を確立。道山流で子どもに接すると成績が上がる、志望校に合格すると話題で、年間3000組の親子をサポート、全国各地で開催される有料勉強会もすぐに満席になる。

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