お辞儀の角度で印象はどう変わる? 心理術で解く人づきあいのコツ

人の信頼を失うのは一瞬と言われます。でも、「相手の心理」を考慮し、礼儀を持って接することで、大きな失敗は避けられるはず。人とちょうどいい距離感を保ち続けるための「マナーのツボ」をご紹介します。

【コツ1】お辞儀は先手必勝&45度が最適

開店と同時にデパートへ入ると、そのフロアの店員がずらりと立ち並んでいて、入店してきた客に深々とお辞儀をします。

この懇切丁寧なお辞儀に、なんだか上得意になった気分でご満悦になる人がいる一方で、仰々しいお出迎えに思わず面食らって、ちょっと居心地が悪いなどと感じる人もいるでしょう。

このように深々とお辞儀をされると、人は平常心ではいられなくなります。優越感を感じる人もいれば、自分は最敬礼されるほどの人間ではないとオドオドしてしまう人もいます。

いずれにしても、出会い頭に深いお辞儀をするだけで、相手の気持ちに知らぬ間に変化を起こすことができるのです。

そこで、大切な交渉があるときなどは、この方法を使って取引先の気持ちをコントロールすることです。

方法はいたって簡単です。会った瞬間に、相手より先んじて深々とお辞儀をすればいいだけです。あまりにも深すぎると担がれているのだと怪しまれるので、角度は45度くらいが最適です。

いきなり最敬礼されることで、相手は意表を突かれます。慌ててお辞儀をし返してきたとしても、もうすでにこちらのペースに乗せられているはずです。

特に、自信過剰で威張っているタイプの人は、深くお辞儀をされただけで調子に乗って「まぁ、今回のことは私に任せてください」などと、いつもより自分を偉く見せようという心理が働きます。

じつは、これが狙い目です。優越感に浸っているところにつけこんで「ここは田中部長のお力で、何卒よろしくお願いします」と、さらに深々とお辞儀をしてへりくだればもう抵抗できません。「よし、私がなんとかしましょう!」と、最速で交渉をまとめることもできるでしょう。

【コツ2】「あえて聞かない」で思いやりを示す

たとえば、風のウワサでどうやらAが離婚したらしいという情報を耳にしたとします。

大事な友人が人生のピンチに陥っているとき、なんとか力になりたい気持ちはわかりますが、こういうときにすぐさま電話して「離婚したって聞いたんだけど、ホント?」などと、コトの顚末を根掘り葉掘り聞き出そうとするのはデリカシーに欠ける行為でしょう。

この場合は、A自身が誰かに話を聞いてほしいと思うまでそっとしておくのが礼儀というものですが、じつはそんな口が重い状況にある人でも、瞬間的に話を聞いてほしい気にさせる裏ワザがあります。

それは、あえて否定的なニュアンスの言葉をかけることです。

ふつう、相手の心を開かせようとするなら「自分でよかったら聞くよ」とか「なんでも話してみて」などと、受け入れる気持ちをポジティブな表現に変えて声をかけたくなるところですが、状況によっては押しつけがましさが出てしまい、かえって逆効果になることも少なくありません。

そこで、「誰にだって話したくないことはあるよね」とか「無理に聞こうなんて思わないよ」などと、あえてネガティブな要素を含んだニュアンスの言葉をかけてみます。すると、その否定的な表現が逆に心に刺さって「この人になら話してみよう」という気持ちに変わるのです。

親に「勉強しろ」としつこく言われるとやる気が失せるのに、「いいから気がすむまで遊んでいなさい」などと皮肉っぽく言われると、勉強しなくてはと焦る気持ちが生まれるのと同じです。

自分が望むことをあえて否定して伝えれば、相手はその言葉にハッとして気持ちが変わるので、結果的に自分の意のままに操ることができるというわけです。

【コツ3】「自虐ネタ」にはどう付き合う?

人を笑わせるのは、けっして悪いことではありません。「あの人と一緒にいると、いつも笑ってる」「あの人のまわりには笑い声が絶えない」などと言われるのは、ひとつの誇りといってもいいでしょう。

そういう意味では、仕事でも日常生活でも、笑いをとるネタのひとつやふたつは常に持ち合わせていたいものです。

なんとなく会話が行き詰ったり、沈黙が続いて気まずくなったりしたときには、場をなごませるためにネタを披露するのもいいでしょう。

ただし、笑いといってもいろいろです。笑えるなら何でもいいというわけではないし、自分では笑い話のつもりでも人はそう受け取らないこともあります。

そんななかで、自虐ネタ、特に貧乏ネタを得意とする人がいます。

「いやあ、また電気とめられちゃって、おかげで昨夜のサッカーの試合見れなかったんだ」「甥っ子にお年玉あげたくてもお金なくて、逆に甥っ子から借金しちゃったよ」などという話は、当人は笑ってもらいたくて話してるのかもしれませんが、一度や二度ならまだしも、何度も続くと聞いてるほうはウンザリします。

かといって、まさかその話を真に受けて「それは大変だね、いい年なんだから、どうにか考えたほうがいいよ」などと返してしまうと、逆に相手を困らせることになります。

少なくとも本人は自分がみじめなのはわかっているのです。それでもなんとかネタにして相手に笑ってもらおうというサービス精神で披露しているのです。

だから、自虐的な貧乏ネタを聞かされたら真剣に話を聞くのではなく、軽く笑ってあげるようにするのが得策です。

調子を合わせてあげることもひとつの思いやりです。これなら時間がかからないはずです。

【コツ4】いい関係を築く「聞き方」

話し上手より聞き上手といわれますが、聞く力というのは対人関係を築くうえでも重要度の高いスキルです。傾聴という概念が一般的になっているように、上手に話を聞くことが求められているのです。

そこで、誰しも簡単に聞き上手になれる方法が、オウム返しでひと言、相づちを打つことです。

オウム返しと聞くと、単に相手の言葉を繰り返すだけでそれほど重要な意味がないように思えますが、これはバックトラッキングと呼ばれる聞き方のテクニックなのです。

「今日のランチで行ったイタリアンレストランがすごく素敵なお店だったの」

「へえ、素敵なレストランだったんだね」

これがバックトラッキングを使った返答の一例ですが、相手の持つ感情や事実などを受け止め、整理してから似たような言葉を使って返します。

すると、自分の話をきちんと聞いてもらっているんだという安心感を与えることができ、会話に満足してもらえるのです。

話をしっかり聞いていますよ、関心がありますよというアピールのためにも、まったく同じ言葉や表現を使って返すよりも、内容を整理した表現で返したほうがよりいいでしょう。

ポイントは、長々と返答しないことと、求められなければ意見を言う必要もありません。自分から語ってしまったらこの方法の意味がなくなってしまいます。

あくまでも、傾聴するという待ち姿勢で聞き手に徹するのです。

誰かに話を聞いてもらうというのは気持ちのいいもので、尊重されているという自尊心を高めます。当然、聞き手に対しては好感を持ちますから、人間関係も円滑になるはずです。 

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PROFILE
おもしろ心理学会

人間心理の謎と秘密を解き明かすことを目的に結成された研究グループ。不可思議な心のメカニズムを探るとともに、その研究成果を実生活に活かすため、日々努力を重ねている。