マルチタスクは実は非効率―手放すと人生が好転する4つのこと

抱えすぎの人は「手放す」ことで人生が好転しはじめる

もしもあなたが、次のような状態になることができれば、人生のすべてが変わり始めます。

・いつも、最大限のパフォーマンスが発揮できている
・いつも、思い立ったら、すぐやることができる
・いつも、一つのことに100%集中できている

実際、私のコーチングを受けていただいている人は、「抱えすぎ」の状態から、「常にシンプルに考える状態」に移行し、人生を好転させています。

私が、そのためにお伝えしている大事なことが「手放す」ということ。抱えすぎの状態から抜け出すには、抱えているモノを手放すことが一番大切です。

考えるべきは、その「ただ1つのことだけ」という、いたってシンプルな方法。そうは言っても、「そんなことできたら苦労しないよ」と言いたくなるかもしれません。でも、それすらも思い込みなのです。

あなたを複雑にしてしまっている原因を一度手放して、本当にやるべきただ1つに集中するのです。

では具体的に、何を手放すことが大事なのでしょうか。ここでは4つご紹介します。

手放したいこと1:「時間や他人をマネジメントできる」という概念

時間をうまく使い、膨大な仕事を処理できたら、どんなに素晴らしいことでしょう。時間は、空間と並んで人類最大の謎ともいわれ、多くの哲学者が論じてきたテーマでもあります。

ドイツの哲学者カントは、空間そのものも時間そのものも扱うことはできない、と言いました。なぜならば、それは人間の認識の枠組み(カテゴリー)だからというのです。

実際に、時間は見ることも触ることもできません。時計の針という物質の移動を計測しているに過ぎず、時そのものを見ているのではありません。だから、時間をマネジメントするなんてことはできないのです。

よく、「時間をやりくりする」とは言いますが、実際にやりくりしているのは「時間あたりの行動」です。行動のみ、マネジメントすることができるのです。ですから、タイム・マネジメントできるという考え自体を手放しましょう。

そうすれば時間ではなく、いかに行動すべきかを考えるようになります。所要時間あたりの行動に意識が向くのです。

時間のほかにもマネジメントできないものがあります。それは他人です。他人もマネジメントすることができません。

デール・カーネギーは『人を動かす』(創元社)の中で、「人を動かす秘訣は、まちがいなく、ひとつしかないのである。すなわち、自ら動きたくなる気持ちを起こさせること……これが、秘訣だ」と書いています。

私たちは、一人ひとり自由意志を持っています。自らの行動は自らの意志においてのみなされるのです。

他人を支配することなどできません。できるのは自分の行動をコントロールして、他人に自ら行動する気持ちを起こさせることだけなのです。

手放したいこと2:「優先順位」の2位以下

「優先順位」が1位のものに取り組んでいる間に、2位以下の案件は時とともに変化していきます。時が経てば、優先順位付けしたときと同じ状態ではありません。優先順位が変わるのは当然なのです。

仕事は、1つひとつ片づけながら、そのつど全体を俯瞰して、最も重要なことに取り組んでいけば、あとの順位などいちいち考える必要はありません。

常にそのときの最重要項目に取り組めばいいのです。

1つの仕事が完了したら、また仕事の全体を俯瞰して、変化後の全体像を把握する。そして、その時点での最重要項目を選択し、実行する。また全体を把握して、選択し、実行する。これを繰り返すだけでいいのです。

毎回ゼロベースで考え、最重要項目の1つだけに100%集中しましょう。

今すべきことと、やるべきことがたくさんあって大変ならば、すべての取り組み案件をひと通り洗い出して、状況を俯瞰するのです。

軽く目を閉じて、心に浮かぶものにとくに気を止めずに、ぼーっとしてください。

しばらくしたら目を開けます。そして「何が一番大事なんだろう」と自分に問いかけてみてください。そのときに、ぱっと思い浮かぶことをつかまえましょう。

それだけです。

それ以上、2番目に何をするとか、3番目がどうだとか考える必要はありません。今すべきことがわかったのですから、それに集中して、それが終わるまでほかのことは忘れていて良いのです。

「優先順位をつけなければいけない」という考えはいったん手放して、「常に最重要項目にだけ取り組む」ことにしてみましょう。

手放したいこと3:「マルチタスク」

今のパソコンは、動画を再生させながら、ワープロや表計算ソフトなどいくつものソフトを同時に動かすのが当たり前になっています。このように複数の仕事を同時にこなすことを「マルチタスク」と言います。

実際に「仕事のできる人」は、軽々といくつもの仕事を同時にこなしているように見えます。そのため、「マルチタスクのできる人はすごい」というイメージも生まれて、会議に出ながらメールの返信を打つとか、電話をしながら文書作成をするなど、多くの方はいろいろな試みと努力をしてきました。

しかし、次第に、そんなことは無理だということがわかってきました。「マルチタスクで仕事しよう」という気持ちを手放しましょう。

1つのことに100%集中していくほうが、質もスピードも高くなります。集中力がいる複数の仕事を、同時に取り扱うことはできません。

意識的にやらなければならないことと、考えなくてもできることの組み合わせならば、同時にできることもあるでしょう。おしゃべりをしながらの単純作業や、BGMを聴きながらの仕事などの組み合わせであれば可能です。

しかし、複数の高度な知的労働を同時に行うことはできません。

同時にできるものは確かにあります。ドラマーなら複数の打楽器を同時に叩いて演奏することができます。

ただそれは、複数のものをまとめて一つのことに変換して処理しているからです。また、十分に慣れていて、意識的に何かを考えなくてもできるにすぎないのです。

仕事の質とスピードを高めたければ、シンプルに考えることです。最初から、「一つにしか集中できない」と割り切ってしまいましょう。そうすれば、集中力は高まり、仕事の質も上がります。

手放したいこと4:「予定しているスケジュール」

何でも「すぐやる」「頑張る」ではなく、一度ゼロベースで考えるようにしましょう。そのための方法が「すでに予定しているスケジュールを手放す」です。

もともと決めていたスケジュール通りに行動するというのも悪くありませんが、緊急事態が発生すれば、その時点で無駄になることもあります。

予定を立てた時点では楽しみにしていたことが、いざ実行の段になったら何の魅力も感じなくなっているということもあるでしょう。

世界はひとときも休むことなく、常に変化しています。あなた自身も例外ではありません。予定を立てた時点と現在とでは、自分も世界も変化してしまっているのです。

仕事をしているうちに、予定はどんどん入ってきます。

ネットでスケジュールを共有している人などは、空いている時間帯に次々と予定やアポイントを入れられてしまう方もいるでしょう。だから、人から決められるのが予定であり、スケジュールだと思っている方もいます。

そんな人は、次のワークをやってみましょう。

無制約のスケジュールを組むワーク

①一週間の予定を全部外して考えてみる

もしも今週一週間、何の予定も入っていないとしたら、どう過ごしたいかを考えてみましょう。何も見ないでスケジューリングしてみることが大事です。
自分の中で、あまり大事ではないと思っている案件は思い出せません。一方、非常に重要だと思っている案件は否が応でも思い出します。
そこで、思い出した案件をスケジュールに組み入れます。
空白の時間が多いようでしたら、そこに、本当は取り組みたい仕事を入れていきましょう。これを、「無制約のスケジュール」と呼んでいます。

②入れたい予定を実際のスケジュールに埋めてみる

1週間分埋めてから、実際に存在する細かい案件を確認すべく、手帳なりスケジュールアプリなどを見てみます。
「無制約のスケジュール」と比較してみると、すでに予定していたアポイントと無制約なスケジュールがバッティングしているものがたくさん出てくるでしょう。

③すでに入っている予定を再検討する

すでに入っている予定は、そのまま実施すべきかなのかを考えましょう。キャンセルしろ、とまでは言いません。本当に必要なのかどうか自分に問いかけるのです。
「やはり必要だ」と感じたら、その予定をよりいっそう意義深いものにするためにできることは何か、と考えてみます。漠然と予定を履行するわけにはいきません。なぜなら、無制約に考えてみたら、それよりも大事なことを予定していたのですから。

④意義がなければ、キャンセルか日程変更する

もしも「意義がない」と思うならば、思い切ってキャンセルするなり、人とのアポイントであれば別の日程にずらしてもらうなりしてみましょう。
予定の変更というのは好ましくないという考え方や、絶対に変更しないというポリシーが信頼を生むのだという考え方もあります。
どうするかはあなた次第ですが、本当はどう生きたいのか、どう過ごしたいのか、それがどれくらい価値あることなのかについて、あなたがどう思うかで行動は変わってくることでしょう。

「あなたはどうしたいか」に向き合うのが、この「無制約のスケジュール」なのです。

 seishun.jp

PROFILE
藤由達藏

株式会社Gonmatus代表取締役。夢実現応援家®。 「人には無限の可能性がある」をモットーに、作家・シンガーソングライターから経営者・起業家・ビジネスパーソン、学生・親子まで幅広い層を対象に、対面コーチングや研修、ワークショップなどを提供している。 各種心理技法や武術、瞑想法、労働組合活動、文芸・美術・音楽創作等の経験を統合し、「気分と視座の転換」を重視した独自の「夢実現応援対話技法®」を確立。ユーモアを交えながら熱く語るスタイルが親しみやすくわかりやすいとの定評を得ている。 初の著書でベストセラーとなった『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』(小社刊)は文庫化され、ますます読者を広げている。