唸る、トイレ失敗…ペットの問題行動の原因は「飼い主の心」だった!?

「すぐうなる」「おトイレを失敗する」など、ペットを飼っている人なら誰でも、しつけの問題に直面したことがあるでしょう。アニマルコミュニケーターの大河内りこさんによれば、そうした行動はペットからのサインだと言います。どんなメッセージが隠されていて、飼い主はどう対処するとよいのか、アドバイスをいただきました。

ペットたちは飼い主の心の奥の奥まで知っている

わたしたちは、日々「感じて」います。挨拶ひとつを相手と交わす中にも、たくさんの情報が行き交っています。

「ご機嫌良さそうね」とか、「あら、体調がすぐれないのかしら?」とか、ただ「おはよう」の4音を交わす、ほんの1秒足らずの間にも、わたしたちは意図せずして様々なことを「感じて」いるのです。

アニマルコミュニケーションは、これを意図して動物と行います。元々人間を含む動物が持ち合わせている能力を呼び覚まし、トレーニングをするのです。

ペットたちはいつも家族の心の声を聞いています。飼い主さんが自分では気づかないような心の隅の隅、心の奥の奥まで知っています。

そんな視点でペットたちを改めて見てみてください。

「そう言えば、じっとわたしの顔を見て、まるでご機嫌伺いをしているよう」
「そう言えば、まるでわたしの心の中を知っているように、悲しいときに顔をめて慰めるような仕草をしたり、逆に遊びに誘ってきたりするわ」

……など、何かしら思い当たることがあるのではないでしょうか。

世の中にはたくさんのトレーニング方法があり、時代が変わると、その方法も変わります。

わたしは、ドッグトレーナーではありませんが、ワンちゃんたちの気持ちを汲み取ることから行動変化へのアプローチは得意です。ですから、以下そんな観点からお伝えしますね(気持ちと一口に言っても、個々に違いますので、その点は、ご了承ください)。

「唸ること」は、悪いこと?

たとえば、ワンちゃんの健康管理の一環として、歯磨きは必須ですが、歯磨きが苦手なコもいます。歯ブラシを見せると、唸るようになったりすることもありますね。

このような場合によくあるのが、「歯ブラシを見せると唸るようになりました。改善するには、どうしたらいいでしょうか?」という質問です。

これは、「唸ること=悪」という判断をしているから出る質問ですよね。

でも、「唸ること=イヤの意思表示」という捉え方をしてみると、いかがでしょうか。「唸る」という行動も、全く違う印象になりませんか?

唸ることを悪いことと解釈しているのは人間側ですよね。でもワンちゃんの側からしたら、「歯磨き、イヤなんだよ~」と自分の意思を伝えているだけではありませんか?

「歯磨き、イヤなんだね」と、ワンちゃんが感じていることを一旦、受け止めてあげてください。

ありがちなのが、「ダメ!」と唸ること自体を否定すること。

ペットたちの行動には、何かしらの意味があります。唸るには、唸る理由があるのです。その理由を聞かずして、シャットアウトされてしまうなんて。あなたが、もし、相手にそんな態度で否定をされたら、どう感じますか?

聞いてもらえない。
受け入れてもらえない。
大切にされていない。

哀しくないですか? それを最愛の飼い主さんから感じるとしたら?

「わかってよ~~~」とますます、その行動がエスカレートして、やがて、吠える・むといった、いわゆる問題行動に移行してしまう可能性もあります。それが度重なり、習慣化してしまう可能性がないとは言えません。

「歯磨き嫌いなんだね。だけどね、アナタの体を守るためだから、歯磨きをしてくれると、ママはとってもうれしいよ」と伝えてください。

ワンちゃんは、飼い主の喜びに貢献してくれる動物です。しぶしぶながらも、やらせてくれるようになります。そして、歯磨きをやらせてくれたら、褒めます。

「うわ~、上手~。さすが、おりこうだね~~。ママ、とってもうれしい~~」

口先だけでは、ワンちゃんがしらけます。本当に心の底から喜びを表現してみてください。

このママの喜びようには、まんざらでもない表情をするでしょう。

わたしたちも、対人関係において、「イヤだな」と思うことはたくさんありますよね? だからって、すぐに相手を殴ったり罵倒するような危害を加えるわけではありません。それなのに、「犬が唸る」と、すぐにイメージしていませんか? 「次は咬むぞ」と。

「犬は唸ったら咬む」という脳内シミュレーションにより、理由を聞くこともなく、「叱る」という行為に出てしまいます。

まずは、その行動の理由を察知し、想いを汲み取り、受け入れ、認める

飼い主さんが、心の底から伝えることには、必ず耳を傾けてくれます。たとえ、お困り行動が習慣化されていたとしても、めげずに伝え続けてください。

少しの変化、改善も見逃さないように、よく観察して褒めてください。できて当たり前にならないように、ずっとずっと褒め続けてください。ワンちゃんが、「ママ、もういいよ~ わかったよ~」と呆れるまで。

動物たちには、上っ面の言葉は効きません。飼い主側が、いかに素直になって、自分のありのままの気持ちを表現するかが鍵です。ワンちゃんに対する誠実さというより、いかに自分自身に誠実であるかが試されるところです。

問題行動の根源は人間側にあるのかもしれません。

「おトイレ問題」には、こんな風に向き合ってみよう

また、よくある「おトイレの失敗」でも同様です。

トイレトレーニングにおいて、絶対にやってはいけないのが、叱ること。叱られるのが嫌なので、隠れておトイレをし始めるケースもあります。

もし、5回に1回失敗するけれど、5回に4回は成功するのであれば、その成功した4回をこの上なく褒めてください。

ただ言葉で「おりこう」では、ダメですよ。心の底から、渾身の想いで褒めてください。

「〇〇ちゃん、できたぁ~~~。すごい!! さすが!! おりこ~~!! ママ、すんごく、うれし~~~」

コツは、バカみたいに喜ぶこと! ワンちゃんと同じレベルになって、天真爛漫に! 毎回! 毎回!!

ただし、演技はバレます。失敗したときは、何事もなかったかのように、淡々と片づけます。ただ床掃除をしているかのように、淡々と。これが、基本です。

そして、なぜ、失敗すると困るのか、その理由も伝えてあげてください。ママの気持ちも伝えてください。

たとえば、こんな感じです。

「〇〇ちゃん、あなたがいてくれて、ママ、本当にうれしいよ。すごく幸せ。ありがとうね。ママね、いつもいっぱいお仕事があるでしょう?

だからね、〇〇ちゃんにもお手伝いしてほしいの。あのね、〇〇ちゃんが、おトイレでしっし(ワンツーなどいつも声掛けしている言葉)してくれるとうれしいの。そうすると、ママのお仕事が減るの。助かるの。

どう? お願いできないかな~? お片付けの時間が減ったら、もっと〇〇ちゃんと遊ぶ時間もできるでしょ? お掃除しているよりも、〇〇ちゃんと遊んでるほうが楽しいから」

こんな感じで、心と心で話してみてください。交渉してみてください。

遊んでいる楽しい気持ちと映像を乗せるのがコツです。

ただし、ウソはいけません! 遊ぶと約束しているので、ちゃんと遊んでください。真剣に遊んでください。スマホ片手にではなく、です。

加えてもう一段、深いところでは、おトイレの失敗には、ママへのメッセージが隠されているかもしれないということ。

たとえば、5回中1回の失敗にどうしてもフォーカスをしてしまうなら、できていること、すでにあることに目を向けるのが苦手なのかもしれません。できていないこと、ないものに、目を向けて×を付ける思考の癖はありませんか?

ワンちゃんは失敗をすることで、「自分をちゃんと褒めなさいよ」と伝えているのかもしれません。自己承認、自愛の面をもう一度確認する機会を与えてくれているのかもしれません。思い当たることがあるならば、自分に花丸を付け続ける練習をなさってください。

ペットは飼い主さんの鏡役。ペットちゃんの行動や気持ちの変化で飼い主さんの丸つけ練習が進んでいるかどうかがわかります。

 

PROFILE
大河内りこ

アニマルコミュニケーションを科学するコミュニケーター育成のプロフェッショナル「DearMum」代表。日本催眠学会会員。
1968年生まれ。愛知淑徳大学を卒業後、結婚し渡豪。20年間の専業主婦を経た後、アニマルコミュニケーターへ転身。現在は、アニマルコミュニケーター養成講座、個人セッションなど幅広く活動している。
飼い主とペットの関係は「合わせ鏡」と語る著者のもとへはペットたちの問題行動に悩む方、お空に還ったコの声を聴きたいという方、またペットロスなど多くの相談が寄せられる。

その子(ペット)はあなたに出会うためにやってきた。

その子(ペット)はあなたに出会うためにやってきた。

  • 作者:大河内 りこ
  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)